特集I：東日本大震災と警察活動

平成２３年３月１１日午後２時４６分、三陸沖を震源とする国内観測史上最大規模の地震が発生し、この地震に伴って生じた高い津波は、東北地方の太平洋沿岸部を始めとする各地を襲うとともに、原子力発電所における事故等を引き起こしました。

警察では、震災発生以来、被災地の岩手・宮城・福島を始めとする各県警察を中心に、全国警察から多くの応援部隊を派遣して全国警察一体となった体制を確保し、厳しい環境の中で、被災者の避難誘導や救出救助、行方不明者の捜索、原子力災害への対応、各種の交通対策、被災地における安全・安心の確保といった幅広い活動に取り組んでいます。

この度の災害はまさに未曽有の大災害であり、極めて広範囲かつ甚大な被害をもたらしたことから、行方不明者の捜索、原子力災害への対応、被災地の復旧・復興といった震災対応は相当長期化し、様々な困難を伴うことが予想されるとともに、津波により町全体が流され、従来の地域コミュニティが崩壊するなど過去の災害とは全く異なる特有の状況にあります。

この特集では、第１節で東日本大震災の概要、被害状況及び警察の体制を概観した上で、第２節で主な警察の活動について記述しました。この特集を通じて、この東日本大震災における警察の活動について御理解を深めていただき、今後とも御協力をいただければ幸いです。

特集II：安全・安心で責任あるサイバー市民社会の実現を目指して

近年、インターネットは、我々の社会・経済活動にとって極めて重要なインフラとして国民生活を支える一方で、サイバー犯罪が増加し、違法情報・有害情報が氾濫するなど、その負の側面も大きくなっています。そのため、平成１８年の警察白書では、「安全・安心なインターネット社会を目指して」と題した特集を組み、サイバー空間における様々な問題と、その解決に向けた取組について取り上げるなどしました。

それから５年が経過しましたが、インターネットの利用者数が９，０００万人を超えたほか、インターネットの利便性は飛躍的に向上し、場所を選ばず利用できる環境の整備が進むとともに、電子掲示板やブログ、コミュニティサイト等を利用した活動も活発に行われるようになってきています。

その反面、サイバー犯罪は増加の一途をたどり、サイバー空間に氾濫する違法情報・有害情報の件数やサイバー空間で発生した名誉毀損、誹謗中傷に関する相談件数等も増加しています。依然としてこうした問題が生じ、むしろ悪化しているとも言える状況に陥ったのは、かつて想定していなかった手口の出現やサイバー犯罪を取り巻く捜査環境の厳しさといったことに加えて、匿名性の高さ等から「サイバー空間では何をやってもよい」といった歪んだ認識が生まれ、規範意識が低下していることも原因として考えられます。

すなわち、サイバー空間における社会・経済活動は質量ともに年々増大し、今やサイバー空間は現実空間と同視できる程度の新たな公共空間となっているにもかかわらず、いまだ、現実空間ほどには犯罪の取締りや犯罪抑止の取組が進展していないのです。

こうした状況を打破し、サイバー空間における安全・安心を確保するためには、警察がサイバー犯罪に対する取締りを強力に推進するとともに、全ての人々が、サイバー空間の現状について問題意識を共有し、「安全・安心で責任あるサイバー市民社会」を形成していく必要があります。

そのために、本特集では、「安全・安心で責任あるサイバー市民社会の実現を目指して」と題し、第１節でサイバー犯罪に関する情勢を概観し、第２節でこれに対する警察等の取組について詳述した上で、第３節でサイバー犯罪対策の抜本的強化に向け、今後行う必要のある取組を提示しました。

本特集を通じて、国民の皆様に、サイバー犯罪の脅威やサイバー空間における規範意識の確立の重要性に関する認識を深めていただき、今後の警察の取組に対して御理解と御協力をいただくとともに、皆様一人一人がサイバー市民社会の一員として果たすべき役割について考えていただく契機となれば幸いです。
