内容紹介
単なる学問にとどまらない! これこそ実践的なMOTの真髄!
MOT(Management of technology;技術経営)は技術者に求められる経営的観点、センス、実践的手法、戦略を説くもので、その注目度、重要度は高まってきている。
MOTシリーズの第1巻となる本書は、MOTが日本で求められるに至った背景、製造業と経営戦略の関係、技術開発と組織の相関、技術者が成功する経営者となるための考え方を、さまざまな技術分野における事例を分析しながら解説するもの。
このような方におすすめ
・MOT関連の大学院、ビジネスクールに所属する方々
・起業を目指す技術者、研究者
・企業や研究所の技術・研究開発マネージャ
目次
主要目次
1章 MOTとCEO ~最高経営責任者の鳥瞰図~
2章 MOTの基本命題 ~技術と経営~
3章 MOTと産業創出 ~技術利用における革新性~
4章 科学・技術・市場の相関 ~新しい技術概念の登場~
5章 MOTの構図 ~ポジショニングと戦略立案~
6章 プラットフォーム産業論 ~持続的産業社会の建設~
詳細目次
1章 MOTとCEO ~最高経営責任者の鳥瞰図~
1・1 CEOの意思決定パラメータ
〔1〕 研究開発費
〔2〕 設備投資
〔3〕 営業経費等
1・2 CEOの戦後史
1・3 経営モデル分析図の構築
〔1〕 創造業度基準
〔2〕 事業化投資基準
1・4 持続的成長を成し遂げた企業の軌道
〔1〕 キヤノン株式会社の軌道分析
〔2〕 シャープ株式会社の軌道分析
1・5 構造変化に直面した企業の軌道
〔1〕 富士通株式会社の軌道分析
〔2〕 NECの軌道分析
1・6 戦略転換した企業の軌道
〔1〕 株式会社東芝の軌道分析
〔2〕 三菱電機株式会社の軌道分析
1・7 まとめ
2章 MOTの基本命題 ~技術と経営~
2・1 技術はマネジメントの産物 ~戦術から戦略へ~
〔1〕 MOTのルーツ
〔2〕 「戦術」から「戦略」へ
〔3〕 戦略は発明の母
〔4〕 戦略の重要性に気付かなかったゲノム計画
〔5〕 戦略立案のための制度設計
2・2 経営の本質はエンジニアリング ~MBAからMOTへ~
〔1〕 「死の谷」問題
〔2〕 技術開発をナビゲートする
〔3〕 市場開発をナビゲートする
〔4〕 政策介入が「死の谷」から企業を救う
〔5〕 技術転換のマネジメント
〔6〕 MOTとして「事例」に学ぶ
〔7〕 情報遮断の組織設計
〔8〕 MOTの総括
3章 MOTと産業創出 ~技術利用における革新性~
3・1 技術利用の体系化 ~コマーシャルラジオ放送の誕生~
〔1〕 社会的イノベーション
〔2〕 タイタニックの悲劇と無線規制
〔3〕 ラジオ放送の開始
〔4〕 広告放送モデルの出現
3・2 産業創出システム: 集積回路技術開発の日米での経験を繋ぐ
〔1〕 超LSI研究組合
〔2〕 システムの構成
〔3〕 軍・民区別を超えて
3・3 一般目的技術 ~「光触媒」の発見・開発・普及~
〔1〕 水素製造から脱臭技術へ
〔2〕 超親水性の発見:応用分野の拡大
〔3〕 GPTの特徴との照合
3・4 GPTの定量分析 ~プリンタとパソコンの普及分析~
〔1〕 データベース
〔2〕 S型モデルの採用
〔3〕 GPTのモデル化
〔4〕 プリンタ技術の分析
〔5〕 パソコン技術の分析
3・5 ポスト・モダン文化での産業創出 ~インターネットの紆余曲折史~
〔1〕 パケット交換方式の起源と意味
〔2〕 ARPANETの構築
〔3〕 ARPANETから インターネットへ
4章 科学・技術・市場の相関 ~新しい技術概念の登場~
4・1 科学依拠型産業の出現 ~科学を外部から取り込む戦略~
〔1〕 サイエンスリンケージの測定
〔2〕 産学連携の構造分析
〔3〕 突然出現した科学を取り込む
4・2 技術蓄積による創造 ~「持続的イノベータ」の技術経営分析~
〔1〕 持続的イノベータの存在
〔2〕 持続性のMOT
〔3〕 持続性の実証分析
〔4〕 複写機からプリンタへの展開
〔5〕 カメラから半導体製造装置へ
4・3 技術軌道の中断・断絶 ~「破壊的技術」概念の登場まで~
〔1〕 ドミナントデザイン
〔2〕 集積回路で起きた競争パターン
〔3〕 異業種間競争
〔4〕 破壊的技術
〔5〕 日本産業における破壊パターン
4・4 まとめ
5章 MOTの構図 ~ポジショニングと戦略立案~
5・1 技術戦略と市場戦略の融合
〔1〕 市場戦略の分類
〔2〕 市場の質的拡大
〔3〕 MOTのための構図構築
5・2 持続的技術による市場高度化 ~用途開発(トリクルアップ戦略)~
5・3 破壊的技術による市場高度化 ~産業・業種分類の崩壊~
5・4 破壊的技術による市場の創出 ~需要表現への挑戦~
5・5 持続的技術による市場の創出 ~社会システム論の分析~
〔1〕 メカトロニクス革命
〔2〕 技術融合とその高度化
〔3〕 モジュール化の進展
〔4〕 プラットフォーム
〔5〕 社会システム論へのインプリケーション
6章 プラットフォーム産業論 ~持続的産業社会の建設~
6・1 環境問題の変質
〔1〕 法規制の変遷
〔2〕 環境問題の変質分析
〔3〕 産業社会システムの構築
6・2 技術コモンズ論
〔1〕 ディジタル革命
〔2〕 エネルギー問題
〔3〕 コモンズという概念
〔4〕 技術コモンズの理念
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