本文へスキップします。

H1

フェア・イベント

ブログV2:表示

第112回ロボット工学セミナー『ロボットのための画像処理技術』(5/31開催)

フェア・イベント 2018/04/19

第112回ロボット工学セミナー『ロボットのための画像処理技術』 が、2018年5月31日(木)に開催されます。

セミナー口上

ロボットが実世界で活動するためには、センサより獲得した情報に基づいて外界を認識する画像処理技術が重要です。近年では、センサや計算機が進化するに従って画像処理技術が発展し、ロボットに高度な認識技術を搭載することが可能となってきました。本セミナーではロボットに必要不可欠な画像処理技術として、画像及び3 次元点群のレジストレーション、自律移動ロボットにおける自己位置推定やSLAMといった周囲を理解する技術から、3 次元物体認識や深層学習による画像認識といった対象を理解する技術、さらには近年の深層学習を支えているハードウェアについて、講師の方々にわかりやすくご紹介いただきます。


ロボットのための画像処理技術
開催日
2018年5月31日(木)10:00~17:10(開場9:30)
開催地
東京大学 本郷キャンパス 武田先端知ビル 5F 武田ホール (東京都文京区本郷7-3-1)
東京大学 [本郷キャンパスマップ(武田先端知ビル)]
東京大学武田先端知ビル VDECへのアクセスのご案内
最寄り駅:
「根津駅」(千代田線)徒歩5分
「東大前駅」(南北線)徒歩10分
「本郷三丁目駅」(丸ノ内線、大江戸線)徒歩15分
「弥生2丁目」(都営バス上60(上野-大塚駅前))徒歩1分
定員
会場参加:150名、ネット配信参加:20名
(どちらも先着順、定員になり次第締め切ります)
オーガナイザー
山内 悠嗣(中部大学)
講演内容
第1話 SLAM とは何か:自己位置推定と地図構築の全体像
千葉工業大学 原 祥尭

 SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、移動ロボットの基盤技術である。ロボット自身が自己位置推定や地図構築を行い、自律走行を実現する土台となる。ロボット掃除機や自動運転車などで、実用化も進みつつある。SLAM 技術は多岐にわたるため、その理解には全体像の把握が重要である。自分で実装する場合も、オープンソースソフトウェア(OSS)を利用する場合も、手法の原理と位置付けの理解が欠かせない。全体像を把握すれば、改良や発展の方向性も見えてくる。本講演では、SLAM の全体像をベイズフィルタ系、スキャンマッチング系、グラフベース SLAM 系に整理して説明する。特定の手法に偏らずに、各手法について同等に述べ、原理と位置付けを明らかにする。また、初学者にも理解しやすいよう、概念を視覚的に把握できるように説明する。

第2話 3次元レジストレーション
広島大学 玉木 徹

 3次元点群に対するレジストレーション(位置合わせ)手法について解説する。まずレジストレーションとは何かを、2次元のレジストレーションの例から始めて、3次元レジストレーションの基礎を説明する。そして代表的な手法ICP(Iterative Closest Point)と、その拡張であるSoftassign、EM-ICPについて説明する。

第3話 深層学習による画像認識技術
中部大学 藤吉 弘亘

 特化型人工知能を実現する深層学習は、画像認識・音声認識・自然言語の各分野において従来のアプローチと比べ認識性能を大幅に向上し、大変注目されている。本講演では、画像認識における深層学習の基礎を詳しく解説し、最新動向について紹介する。また、Amazon Robotics Challengeでの深層学習の利用について紹介し、今後の課題について述べる。

第4話 3次元物体認識技術
産業技術総合研究所 金崎 朝子

 近年、3次元センシング技術と機械学習の発展により、3次元データから様々な物体を認識する技術が飛躍的に進化してきている。深層学習を用いた手法が主流であるが、その中でも、ボクセルベース、点群ベース、多視点画像ベース等の様々なアプローチが存在する。本講演では、これらの最先端研究について俯瞰的な紹介を行うとともに、3次元データ処理の基礎について触れる。

第5話 GPUのロボティクス応用
エヌビディア合同会社 梅本 将範

 近年のテクノロジーにおいて最も大きなブレイクスルーは、ディープラーニングを利用した近代的なAIの登場と言える。このディープラーニングは、多くのクラウドサービスでの利用に留まらず、エッジ側のインテリジェント化にまで寄与してきている。自動車の自動運転だけで無く、ロボットや自律動作マシーンにもGPUが搭載され、様々な応用事例がでてきており、これら応用事例と共に、当社のロボティクス向けGPU活用の取組みを紹介する。


参加申込は下記WEBページにアクセスの上、手続きをお願い致します。
第112回 ロボットのための画像処理技術 (5/31開催)


本件に関する連絡先

一般社団法人 日本ロボット学会 ロボット工学セミナー係
〒113-0033
東京都文京区本郷2-19-7 ブルービルディング2階
TEL 03-3812-7594 FAX 03-3812-4628
seminar[at]rsj.or.jp([at]を@に置き換えてください)

タミヤロボットスクールフェア2018開催(2018/03/24、03/25)

フェア・イベント 2018/04/17

 タミヤプラモデルファクトリー新橋店にて、3月24日から2日間にわたり「タミヤロボットスクールフェア2018」が開催された。同イベントは、株式会社タミヤの協力のもと、4月から正式に開校される「タミヤロボットスクール」を運営している株式会社ナチュラルスタイルの主催で行われた。

 タミヤはプラモデル、ラジコン、ミニ四駆など、幅広く商品展開しているトップブランドで、2017年8月に「カムプログラムロボット工作キット」を発売。「タミヤロボットスクール」は、この「カムプログラムロボット工作キット」を教材とする「ロボットプログラミングコース」、「リモコンロボット製作セット(タイヤタイプ)」「アームクローラー工作セット」「ぷるぷるテントウムシ」を教材とする「メカニックコース」の2つのコースから成る。


タミヤ・カムプログラムロボットを使ったプログラミング教材

 24日には「ロボットプログラミング体験会」が、25日には「メカニック体験会」「ロボットバトル日本一決定戦!」が行われて、多数の小学生が集まった。今回行われた「ロボットバトル日本一決定戦!」は、正式開校になる以前からプレで始まっている各地の「メカニックコース」の受講生たち(岐阜県・愛知県、宮城県、東京都の小学生)によるロボットコンテストだ。

 ルールはステージに置かれたペットボトルのキャップ(黄緑5点、青3点、白1点)を自陣から相手の陣地に移して、3分間の試合が終わった際に、最終的に自陣のキャップの総合点が少なかった方が勝ち、というものだ。各チームとも1人1台、2人組2台の機体で戦う。各機体は基本的にはタミヤの「リモコンロボット製作セット(タイヤタイプ)」から作ったザリガニロボットをベースにしたものだが、試合開始時にステージスタート地点の枠内に収まっている条件を満たしていれば、その後展開して大きくなるような構造をとってもかまわず、キャップの取込み機構、相手陣地への投げ込み機構を含めて、バラエティに富んだ機体が集まった。


ステージの様子。写真手前から黄緑が2個、青3個、白10個のキャップが置かれている。

とにかくキャップを取っては相手陣地に投げ込む機体もあれば、キャップを自らに取り込んで、試合終了ぎりぎりまで持っていて、最後の最後で投げ込む機体もあった。

 「メカニックコース」のカリキュラムは、元々岐阜県でものづくり活動を教える活動を続けていた、特定非営利活動法人Meets Visionのカリキュラムをベースにしたもので、今回のロボットコンテストもMeets Visionが7年にわたり続けてきたロボコンにのっとっている。岐阜県で行われているロボコンでは、毎回100人を超える参加者がしのぎを削っている、ということで、今回参加した宮城、東京の小学生たちは、百戦錬磨の岐阜・愛知勢の胸を借りて挑戦するかたちとなった。

 計7チームの総当たり戦の予選では、当初の予選に反して強豪の岐阜・愛知勢を宮城、東京のチームが破る金星もあったが、決勝に残ったのは岐阜・愛知勢3チーム、宮城1チームの4チームだった。決勝は岐阜・愛知勢どうしの戦いとなり、接戦の末、野原大輔君・松尾和椰君チームが勝利を勝ち取った。優勝が決まった瞬間、同チームが思わずうれし泣きをしてしまった姿は、小学生がここまで1つのことに打ち込み熱くなれるものなのか、と思わせる印象的なシーンだった。


緊迫した決勝戦の様子。

 小誌ではさまざまなロボットキットやプログラミングスクールを取り上げているが、全国71校を正式開校する「タミヤロボットスクール」についても追い続けていきたい。