2016年2月バックナンバー

こんばんは、編集長です。
お昼にツイートした、ロボット業界ではすっかり話題になっているBoston DynamicsのAtlasの動画ですが、いや確かにすごいですね。最初見たときにびっくりしすぎて打合せすべきことを忘れてしまいました(外出先で打合せをしようとしていたのです)。

このAtlas、身長は約175cmで体重は約82kg。DRCのときのAtlasより頭1つ分小さい感じですね。電池を搭載していて、油圧アクチュエータで駆動。詳しくは英語ですが、IEEE SPECTRUMで紹介されています。

さて、この動画を見た感想なんですが、とにかくすごい。雪の積もっている林の中を歩いているところとか、多分片足が雪にずぼっとはまったり、滑ったりもしているんだと思うんですが、おっとっとという感じでバランスをとっていて、転ばないのがすごい。

あとは、Twitterでもつぶやいたんですが、荷物を持っていたAtlasが、人に荷物を落とされて、それを移動させられて場所が変わっても、すぐに見つけて追いかけて持ち直すところ。もちろん突き飛ばされてもころばないってところもすごいんですが、手に持っていた荷物がなくなったとき、止まっている時間が短いんですね。反応が速い。

いやもうすごいとしか言いようがないです。すみません、すごいしか言ってないですね。


 東京大学生産技術研究所と九州工業大学は2016年2月9日、ホバリング型自律型海中ロボット『BOSS-A』によるコバルトリッチクラスト(CRC)の長距離全自動計測に世界で初めて成功したと発表した。
 自律型海中ロボット(AUV)とは動力源をもち、全自動で海中を観測する装置のことで、ホバリング型AUVは(広範囲を高速航行する)航行型AUVと異なり、運動自由度が高く、その場での旋回や上下運動が可能。
 CRCは海底鉱物資源の一種で、コバルトや白金を含んでおり、日本近海の海山の頂上付近に賦存していることが知られている。この資源としての価値を評価するには効率的に賦存量を調査する技術が必要となる。
 今回の計測で、東京大学生産技術研究所海洋探査システム連携研究センターと九州工業大学社会ロボット具現化センターを中心とする研究グループは、BOSS-Aを南鳥島付近のCRC開発のモデルフィールドである拓洋第五海山に展開、2日間で夜間潜航も含めて4潜航を実現、合計で約2.0?の距離を計測した。1潜航で最大4時間20分の観測を行ったという。
 BOSS-Aは海底面近傍を高度2.0m、速度0.1m/sで自動航行し、搭載された音響センサによりCRCの厚みを線状に連続計測、三次元画像マッピング装置によりCRCの分布を幅2.0mで連続計測し面的な広がりを明らかにした。これはCRCを鉱物資源として利用するためのデータとして非常に有益であり、また、これまでは遠隔操縦で行っていた調査を、人が操作することなく全自動で行うことに初めて成功したこととなる。
 2013年に日本は3,000k?の鉱区の探査権を獲得しており、2028年までの15年間で調査を行い、有望な鉱区を絞り込む必要がある。そのためには段階的に海底の情報を取得する必要があり、今回の成果により、CRCの分布と賦存量を評価する有益なデータを全自動で調査する手法が世界に先駆けて確立されたことになる。
 BOSS-Aは、東京大学がロボットに搭載するセンサ類を開発し、九州工業大学がロボットそのものの設計開発を担当した。
 会見に臨んだ、東京大学生産技術研究所海洋探査システム連携研究センターのソーントン・ブレア特任准教授によれば、今後は広範囲にわたるCRC賦存領域を調査し、民間への技術移転と複数のAUVの運用技術の研究開発を進めていくとのこと。これによるシステマチックな調査により、資源開発の適性度を効率的に評価し、最終的に獲得する鉱区を絞り込む(日本が実施する)調査に貢献していきたいとしている。

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BOSS-AによるCRCの全自動計測の成功について会見する、東京大学のソーントン・ブレア特任准教授


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BOSS-Aの設計開発を担当した、九州工業大学若手研究者フロンティア研究アカデミーの西田祐也特任助教


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BOSS-Aを展開するようす。海中では操縦不要、全自動で潜航する(写真提供:東京大学)


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計測を終え、引き上げられるBOSS-A(写真提供:東京大学)


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障害物回避ソナーが搭載されており、自動で障害物をよけて海中を航行する(写真提供:東京大学)

 2016年1/27-28、ベルサール汐留にて『Pepper』の法人向けモデル『Pepper for Biz』の最新ソリューションを集めたイベント、『Pepper World 2016』が開催された。
 イベントに先駆け行われた、Pepperの法人活用についての記者説明会では、ソフトバンク代表取締役社長兼CEOの宮内謙氏が挨拶。日産自動車やイオンモールなどでの導入実績を紹介するとともに、「現在、多くの企業が人材不足という問題を抱えている。Pepperはその救世主になれるのではないか。日本では、生産現場のロボット化が進んでいるが、これからは販売、接客、介護、教育といった分野でのスマートロボットの活用が始まる。Pepperは月給5.5万円で雇える。特に注目してほしいのは接客データの見える化である」と語った。同社は2016年を『スマートロボット元年』と位置づけている。Pepper for BIZは、2015年10月にスタートし、導入企業は500社を超えたという。

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Pepperの法人活用について説明するソフトバンク代表取締役社長兼CEO 宮内氏


 続いて登壇した、ソフトバンクロボティクス代表取締役社長の冨澤文秀氏によれば、Pepperのアプリ開発を行うパートナーはすでに200社に上るという。2月22日には、法人向けのロボアプリストア『ロボアプリマーケット for Biz』をオープン。「(Pepperの法人活用については)今までは賑やかし、客寄せパンダ的なイメージもあったが、これからはコスト削減、売り上げ拡大などの面で、リアルに企業に貢献していく。今後、さらに汎用性のあるアプリや業種別アプリ、完全にカスタマイズされたアプリを開発し、世界のITジャイアントと提携していきたい。各施設や企業で身近に最新のテクノロジーが体験できる、そういった世界を実現していきたい」と意気込みを述べた。

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ソフトバンクロボティクス代表取締役社長の冨澤氏


 さらに、Pepperからのサプライズとして、2016年3月28日-4月3日までの期間限定で、『Pepperだらけの携帯ショップ』をオープンすると発表。受付、ヒアリング、商品説明のすべてをPepperが行う、「世界初となるロボットだけで接客する携帯電話ショップ」というふれこみだ。営業時間は正午-午後7時、最寄り駅は表参道とのこと。記者説明会ではステージにPepperだらけの携帯ショップを模したセットを設置。ゲストの小泉今日子さん、広瀬すずさん、お笑いコンビ・ピースのお2人を迎えてデモンストレーションを行った。

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Pepperだらけの携帯ショップを自ら発表するPepper。誇らしげである


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同ショップを模擬体験するゲストのみなさん


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Pepperを囲んでのフォトセッション


 Pepper World 2016の会場では、受付業務や旅行・観光案内業務、語学学習、プレゼン、商品診断、介護、医療などさまざまな分野での利用が想定された企業用アプリが紹介された。

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アウトソーシングテクノロジーの遊びと学びを両立した子ども向け教育アプリ『ペッパーと学ぼうfor Biz』。Pepperの胸にあるタブレットに表示されたブロックを組み合わせてプログラミングを行い、Pepperを動かすことができる


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ネスレ日本のラテアートマシン『ネスカフェ フォトラテ』とPepperが連携。Pepperが撮影した写真データをラテアートマシンに送り、ラテの泡の上に画像をプリントする


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ヤマダ電機は今後、多店舗で接客にPepperを導入していく予定。日本語、英語、中国語での応対が可能なことから、すでに導入済みの店舗では、訪日客などの顧客満足度や店内回遊率が向上しているという。写真は質問に答えていくことでユーザーが潜在的にほしいと思っている商品をPepperが当ててくれる『家電シェルジュ』


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みずほ銀行は2015年7月に、全国の金融機関に先駆けて、Pepperを正式に行員として採用。最適な金融商品を勧めたり、待ち時間に楽しめるエンタテインメントを提供したりする。これまでに応対した顧客の10%以上をカウンターに送客しているとのこと。現在ではみずほ銀行のほか、全国37の金融機関にPepperが導入されている


2016年3月21日(月・祝)に開催される第3回アフレルスプリングカップの併催イベントとして、教育版レゴ®マインドストームEV3を使った指導者向けワークショップが開催されます。プログラミング教育カリキュラム「ロボット×クラウドではじめての本格プログラミング~レゴ®マインドストーム®で地球を探査」の内容を体験することで、クラウドやIoT(Internet of Things)、データ分析の初歩を「楽しく」「効果的に」学ぶことができます。アフレルスプリングカップに参加していない方でも参加可能ということなので、興味のある方、ぜひ参加してはいかがでしょうか。

■開催概要
□日時 :2016年3月21日(月・祝) 第一回10:00~11:30 第二回13:00~14:30
□場所 :日本工学院専門学校 蒲田キャンパス
□対象 :高等学校、専門学校、大学等の先生方
□参加費 :無料
□申し込み方法 :氏名、学校名、電話番号を明記の上、下記のメールアドレスまでご連絡ください
E-MAIL:afrelcup[あ]afrel.co.jp ([あ]を@に置き換えてください。)

ワークショップの流れ
1.イントロダクション
2.ぶつからない車をプログラミング
3.鉱脈探査のプログラミング
4.鉱脈探査データのデータ分析

さらに詳しいタイムスケジュール、申込み方法などは以下のWebサイトをご確認ください。
http://www.afrel.co.jp/robocon/afrelspringcup2016

■問い合わせ先
株式会社アフレル
 TEL:03-6661-9251 E-MAIL:afrelcup[あ]afrel.co.jp ([あ]を@に置き換えてください。)




ROBOCON Magazine 2016年3月号
■定価:1,080円(本体1,000円+税)
■判型:A4変形判 128頁
■発売日:2016年2月15日
■雑誌:09761

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表紙のロボット:DMM.make ROBOTSが監修し、ロボットゆうえんちが開発した卓上ロボットアイドル「プリメイドAI」
写真撮影:其田益成
表紙・目次デザイン:岩郷重力+WONDER WORKZ。

受付は終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございました!

お詫びと訂正
■本誌26頁(第36回全日本マイクロマウス大会)に記載の著者名に誤りがありました。
正しくは、下記のとおりです。
  (誤)編集部
  (正)三月兎
関係各方々に大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫びいたしますとともに、ここに訂正いたします。
人工知能が加速させる ロボットの進化
  • ディープラーニングが加速させる、IoT・自動化の深化 Preferred Networks
  • 音声技術(音声合成)で拓く21世紀の文化 エーアイ
  • 世界一のモーションプランニング技術で製造業と物流業の未来を変える MUJIN
  • 人工知能でロボットがあなたの好みを理解する UBIC
2015-2016ロボットコンテストまとめ
  • アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2015
  • 優勝&大賞のW受賞! 奈良高専「大和」
  • 第36回全日本マイクロマウス大会
  • 第27回全日本ロボット相撲全国大会
  • 第2回トマトロボット競技会
  • 第24回全国専門学校ロボット競技会
  • ジャパンマイコンカーラリー2016全国大会
  • 第9回きのくにロボットフェスティバル
  • 第3回ロボ剣
新学期からチャレンジ! ロボットスクール
  • ロボット製作で科学を学ぶ教室 ロボット科学教育Crefus
  • 作りたくなる。学びたくなる。夢中になる。 ロボットプログラミング教室 WAO!LAB(ワオラボ)
  • 感動と驚きで子どもたちを理科好きに! プライマリーコース(未就学児)新設! ヒューマンアカデミーロボット教室
  • 2015国際ロボット展
  • インターナショナルロボットハイスクール2015
  • 吸引力に自信、日本国内市場で掃除力を磨く「Dyson 360 Eye」
  • つくばチャレンジ2015完走!「MercuryMega(SICK-Laser Model)」の秘密に迫る
  • ドローンの未来と現状 
  • ロボコントップランナーに聞く オススメ工具ガイド
    第1回 かわさきロボット競技大会
  • しくみがわかる!マナブとハジメの工作教室
    第1回 ロボットを動かすエネルギー
  • DIYレスキューロボットのすすめ―遠隔操作型調査ロボットの技術を作りながら学ぶ―
    第1回 レスキューロボットに必要な技術
  • LEGO MIDSTORMSであそぼう!
    第24回 4モーターの車
  • アクリルロボット研究所
    第22回 ロボクラフトを赤外線リモコンに改造・その2...ボクシングファイター編
    ▼ロボコンマガジン掲載ロボット一覧
  • 日本を救う災害対応ロボットの現状と未来
    第6回 福島第一原子力発電所の上部階の除染が可能な専用装置(ロボット)が完成!
  • ロボコンOB・OGの履歴書
    第3回 武井 祐介さん(サンデンまえばしロボコン)
  • ロボットホビー最前線
    ド迫力のバトル!「ブラストファイター」新登場!!
  • BOOK REVIEW
    『すごい家電 いちばん身近な最先端技術』
    『物を作って生きるには 23人のMaker Proが語る仕事と生活』
  • 次世代のハードウェアがここに集結!「GUGEN 2015」
  • アクセンチュアが横浜市とともに「STEM人材育成」授業を実施
  • 第2回ウェアラブルEXPO
  • 早稲田大学 次世代ロボット研究機構 キックオフシンポジウム
  • GROUND(株)事業戦略・業務提携に関する記者会見
  • 関西ロボット情報局
  • ロボットがあるけん、福岡タイ!
  • 新製品情報
  • 新刊案内
  • イベント情報
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  • 編集後記


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本誌に掲載されている会社名、および製品名は、一般に各社の登録商標または商標です。
『ロボコンマガジン』2016年3月号読者プレゼントへのご応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。
A賞
『双腕仕様機「アスタコNEO」
1/35スケールプラモデル』

A賞

5名様
(提供:日立建機株式会社)

B賞
『Omniホイール100mmD/PBH 041』
『Omniホイール100mmD/PBB 058』

B賞

各1名様
(提供:リバスト株式会社)

※賞品写真は『100mmD/PBH 041』です。ご注意ください。

C賞
書籍『すごい家電』
書籍『物を作って生きるには 23人のMaker Proが語る仕事と生活』

C賞

各1名様
「BOOK REVIEW」紹介
※レビュー用の書籍のため、やや痛みがございます。あらかじめご了承ください。
 



日本ロボット学会主催のロボット工学セミナー第97回「Industry 4.0時代の産業用ロボットに求められる物体操作計画と教示」が,4月22日(金)に開催されます.

セミナー口上
ドイツ政府の施策として注目の集まるIndustry 4.0(I4.0)をはじめとする次世代オートメーションでは,産業用ロボットによる物体操作(マニピュレーション)の計画・教示,センサ情報処理にさらなる進化が求められます.来るべき新しい製造業にブレークスルーをもたらす技術者・研究者のために,現在の日本の製造業が抱える課題とI4.0の概要,およびマニピュレーション技術,ディープラーニングと教示,センシングと動作計画の事例をそれぞれ解説いたします.

講演内容,タイムスケジュール,申込み方法など,くわしくは以下のWebサイトをご確認ください.
日本ロボット学会第97回ロボット工学セミナー

■遠隔セミナー
本セミナーの有料ネット配信を行います.参加者募集開始は3月中旬の予定です.


Industry 4.0時代の産業用ロボットに求められる物体操作計画と教示

■オーガナイザー
槇田 諭(佐世保高専)

■日時
2016年4月22日(金) 10:20-17:10(開場10:00)

■会場
 東京大学 山上会館 2階 大会議室(東京都文京区本郷7-3-1)
 最寄り駅:「東大前駅」(東京メトロ 南北線)徒歩8分,または「本郷三丁目駅」(東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線)徒歩10分
 会場へのアクセス
■主催
 一般社団法人 日本ロボット学会
■定員 
 90名(定員になり次第締め切ります)
■参加費(税込)
 当学会及び協賛学会の正会員(個人)/8,500円,会員外(一般)/13,000円
 当学会及び協賛学会の学生会員(個人)/3,000円,会員外(学生)/4,500円
 当学会賛助会員 招待券ご利用/無料,優待券ご利用/3,000円,
 左記サービス券なし/13,000円
 特別優待券使用の場合:学生(RSJ会員非会員問わず)/無料,学生以外/3,000円
 ※賛助会員招待券/優待券および特別優待券の詳細は下記ご案内ページをご確認ください.
   http://www.rsj.or.jp/seminar_info/ticket

■講演内容:
10:20-10:30 <開会挨拶・講師紹介>

10:30-11:30
第1話 ロボット産業の現状と動向「製造業の国際競争力とロボット」
三菱電機株式会社 小平 紀生
2014年の日本の産業用ロボットは過去最高の出荷台数を記録し2015年も引き続き好況である.しかしリーマンショック以降のロボット産業は極端な輸出依存型に変質しており,アジアを中心とした海外の製造現場拡大とそれに伴う日本の製造業の国際競争力低下がその背景にある.さらに,ロボット産業についても,新興工業国との国際競争激化も見えはじめている.本講演では日本の製造業とロボット産業の両面から現状を分析し,課題解決の方向を探る.

11:30-11:40 <休憩>

11:40-12:40
第2話 Industry 4.0の意味とそのインパクト
産業技術総合研究所 中坊 嘉宏
昨年から日本でもドイツ発の産業変革としてIndustry 4.0(I4.0)が大きく注目されている.その本質を考え,より広い視点から見ると,I4.0は世界規模での産業分野への情報革命の浸透と捉えることができる.製造の情報化が進むことにより,デファクトとデジュール両方の標準化が加速し,これまで日本が比較的不得意としてきたオープン・クローズ戦略が問われるようになる.2015年度は日本でも様々な会議体が発足し,2016年度からは具体的な開発,実証の取組みが始まると予想される.これらの動きについて概観する.

12:40-13:40 <休憩(昼食)>

13:40-14:40
第3話 多品種少量生産のロボット化におけるマニピュレーション研究
産業技術総合研究所 原田 研介
近年,多品種少量生産のロボット化が進められているが,同時に多くの困難な課題に直面している.本研究では,多品種少量生産の生産システムをロボット化するために,ロボットによるマニピュレーション研究からのアプローチについて紹介する.

14:40-14:50 <休憩>

14:50-15:50
第4話 ディープラーニングを用いた感覚運動統合によるロボットの行動学習
日産自動車株式会社 野田 邦昭
ディープラーニングによる機械学習技術は,画像認識や音声認識の分野でブレークスルーを起こしたことをきっかけとして近年急速に注目を集め,現在もその応用分野を広げつつある.本研究では,ロボットのカメラ画像,音響情報,そして運動情報といった複数のモダリティからなる時系列情報をディープオートエンコーダによって統合学習することにより,ロボットによる物体操作行動や描画行動の教示学習を実現してきた.本発表では,最近のディープラーニングの研究動向を紹介した後,ロボット教示・物体操作技術に関連した分野での研究事例を紹介し,今後のロボット工学への応用可能性や研究課題について総括する.

15:50-16:00 <休憩>

16:00-17:00
第5話 多品種物体を操作するためのビジョンと行動計画
三菱電機株式会社 堂前 幸康
ユーザーニーズの変化,知能化技術の進歩により,産業用ロボットが操作する物体とその操作方法は年々複雑化している.単純なピックアンドプレースからビンピッキング,多品種部品供給,そして汎用的な物体操作へ.当社における自律型セル生産ロボット開発事例と,それに関するビジョンと行動計画技術を紹介する.

17:00-17:10 <閉会挨拶>

■問合せ先
一般社団法人 日本ロボット学会 ロボット工学セミナー係
〒113-0033 東京都文京区本郷2-19-7 ブルービルディング2階
TEL:03-3812-7594 FAX:03-3812-4628
seminar[at]rsj.or.jp([at]を@に置き換えてください。)

 2015年2月10日に日本経済再生本部により決定された「ロボット新戦略」の中で『「ロボットオリンピック(仮称)」の検討』という項目があり、2020年にロボットの国際競技大会を開催することが掲げられている。そのための具体的なコンセプトや競技内容等を検討するため、実行委員会(委員長:佐藤知正 東京大学名誉教授)と諮問会議(委員長:金出武雄 カーネギーメロン大学教授)が昨年12月25日に設立された。主催は経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)。2016年2月2日に、第1回の実行委員会諮問会議が開催された。
諮問会議は実行委員会が検討、決定した事項について助言を行うという立場である。第1回実行委員会は1月29日に開催されており、今回公表されたのは諮問会議での協議内容である。
 2020年までのスケジュールとしては、2016年中に具体的な開催形式、競技内容を決定し、2018年にプレ大会を開催する予定となっている。第1回では競技大会のコンセプト、競技分野、競技種目の選定等について検討が行われた。

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第1回実行委員会諮問会議の様子

 ロボット国際競技大会のコンセプトとしては、研究開発及び、社会実装を加速させる機会とすることを目的としている。そのための競技分野の選定としては、「ロボット新戦略」において重点分野として掲げられている「ものづくり」「サービス」「介護・医療」「インフラ・災害対応・建設」「農林水産業・食品産業」の5分野で、解決すべき社会的課題として挙げられている「生産年齢人口の減少」「人手不足や社会保障費の増大」「災害対策の強化や社会資本の老朽化への対応」への対応や、ロボットの利活用シーンを想定し、ロボットの稼働領域も考慮された。今回設定されたのは「1 BtoB中心の分野(ものづくり、農林水産業・食品産業分野)」「2 BtoC中心の分野(サービス、医療・介護)」「インフラ・災害対応・建設分野」の3分野。この3つの分け方については、RoboCupやDARPA Robotics Challenge、euRathlonといった国際的に開催されている社会実装型の競技会を挙げ、これらのルールやノウハウ、ネットワークを活用することで、国際的な参加が得やすい大会にできるのではと考えているそうだ。また、これらの競技分野については、社会実装をさらに拡大させるために、まだロボットが活用されていない場面において、2020年時点で具体的な現場に導入可能なものについてはデモンストレーションを行う予定。

 競技種目の選定に当たっては、「社会的訴求力」「研究開発加速力」「社会実装加速力」「国際性」「継続性」「人材育成性」を考慮して行う。国際的に注目が得られ、研究開発や社会実装が加速するだけでなく、海外からの参加のしやすさや2020年以降も継続でき、そして、研究者や技術者を育成できる種目を設定したいとしている。また、競技に参加するロボットは、すでに実用化されているロボットだけではなく、新たに開発されるものも対象とする。

 これらの考え方をもとに、現在イメージされている競技種目は以下のとおりである。ただし、具体的な競技種目は今後の検討事項となっている。
(1)BtoB中心の分野(ものづくり、農林水産業・食品産業分野)
 利活用シーンの例:人とロボットの共同作業、セル生産の自動化、自動車のワイヤハーネス組み付け、食品の弁当詰め等
 技術の例:不定形物・柔軟物のハンドリング組み付け技術、教示技術、システムインテグレーション技術等
(2)BtoC中心の分野(サービス、介護・医療分野)
 利活用シーンの例:人と協働したサービスの提供(店舗での陳列、接客、外出支援等)等
 技術の例:地図作成・自己位置同定・経路探索技術、人・ロボット間のタスク切り分け技術等
(3)インフラ・災害対応・建設分野
 利活用シーンの例:プラント点検、プラント内の人の発見・救助等
 技術の例:自律移動技術、遠隔制御技術、外部環境認識技術

 諮問会議としては、コンセプトはおおむね賛同するが、一般の方々、つまり国内外、若年層から高齢者層まで等、多くの方がロボットがどのように活躍するのかを理解し、意識が向上するような大会にという意見が出たそうだ。具体的な競技分野については賛同を得られ、具体的競技種目は実行委員会で検討することとなっている。その場合の留意点として次のような意見があったそうだ。
 1点目はきちんと測定できる指標を作って競技種目を設定する、2点目が国際性を確保するために、既存の国際的な大会組織、学会などと連携をとり、認知度を上げていくこと、3種目が大会を通じて高校生や大学生などの教育にうまくつながるように設定すること、4点目はハードウェアを集めて競技を行うだけでなく、バーチャルでの競技も行うことで、より参加者のレベルの向上に有効になるのではないか、ということである。実行委員会としては、これらの助言を踏まえたうえで、具体的な競技種目の選定を行っていく。

 会議終了後に行われたプレスブリーフィングでは、経済産業省 製造産業局 産業機械課 ロボット政策室長の安田篤氏より諮問会議のの内容について説明が行われた。それに対して報道陣からさまざまな質問が投げかけられた。
 このロボット国際競技大会については、競技種目だけでなく予算規模、開催場所等についても具体的な検討はこれからであり、現在の時点では何も決まっていないとのこと。実行委員会は月に1回程度、諮問会議は数か月に1回程度の頻度で開催される予定だが、7月か8月頃に開催される第2回諮問会議で競技種目の具体的な議論に入り、11月頃に開催される第3回諮問会議で決定する予定。
 「ロボット新戦略」で謳われた「ロボットオリンピック(仮)」という名称についても、商標権の問題もあり、変更になる可能性が高いとのこと。ただし、実際の競技については、オリンピックのようなスポーツのイメージよりも、社会実装の面が強くなりそうだ。
 参加者の対象としては大学や企業、研究機関を想定しており、彼らにとっては自分たちの研究を世界に発信する場であったり、新しい技術につながる可能性があると考えているそうだ。
 観客としては一般の方々を想定している。ロボットが自分の生活や経済活動においてどのように役に立つのかを見せるシーンの設定を考えているとのこと。ただし、諮問会議より教育につながることが大事との意見もあったため、競技種目とは別に、イベントの中で中高生、高専生といった学生を対象にした内容の開催についても実行委員会の中で議論が行われる予定とのこと。今後文部科学省と連携をとることも考えられるそうだ。
 このロボット国際競技大会については、具体的なことはまだ何も決まっていないが、ロボット研究者たちの技術をアピールしたり、新しい技術を生み出す場でありつつ、一般の方々が楽しみつつ、ロボット技術についてより関心を持てるような場を目指しているようだ。競技種目の内容ももちろんのこと、観客に対して、競技内容のわかりやすさや楽しみ方といった見せ方も重要になってくるだろう。今年中には競技種目が決まり、どのような大会になるかは見えてくるとは思うので、続報を待ちたい。

ロボット検定

国際ロボット展

リバスト

タマディック

アフレル

三和電気計器

ツクモROBOT王国

ヴイストンロボットセンター

秋月電子通商

近藤科学

Robotma.com

双葉電子工業

 

ヒューマンアカデミー
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