2016年9月バックナンバー

 フランスのドローンメーカーParrot社は、2016年9月29日にアキバ・スクエアにて記者発表会を開き、10月中旬より「Parrot Swing」「Parrot Mambo」の2種類のミニドローン、および専用コントローラー「Parrot Flypad」を発売することを発表した。会場では、同社のJPAC(日本、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸国)地域担当バイス・プレジデント兼マネージング・ディレクターのクリス・ロバーツ氏より新製品の魅力・特長の紹介があり、体験会も行われた。
 いずれの製品にもParrot社が配慮したのは、初めてドローンを操縦する人でもすんなり操縦できるような安定したパフォーマンスと、ドローンの操縦に慣れている人が初めて操縦したときのドキドキを思い出してしまうような他にはない遊び心の2点だという。記者発表会・体験会に参加した皆が朗らかに新製品に親しむなど、会場の雰囲気も他にはない楽しいものだった。
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○固定翼型ミニドローン「Parrot Swing」
 4枚の固定翼を搭載した初めてのドローン。クアッドコプターモードと固定翼モードを切り替えることができ、これにより水平方向への安定した飛行と垂直方向の安定した離着陸が実現できる。また、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、超音波センサー・圧力センサーを搭載することにより安定した飛行が実現できるという。水平方向へ飛行する際は機体を傾けてX字に移動するため、さながらStar WarsのX-Wing Fighterのようだ。重量は73g、最大8分の飛行が可能で、メーカー希望小売価格は17,000円(税別、後述の「Parrot Flypad」同梱の価格)だ。
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○変形型ミニドローン「Parrot Mambo」
 「Parrot Mambo」は重量63gと、「Parrot Swing」よりさらに軽量・コンパクトなミニドローン。付属のアクセサリーを付け替えることで、「キャノン」(直径6mm、重量0.12gのボール(射程距離2m、一度に6発積める)を発射することができる)や「グラバー」(紙や角砂糖、アメなどの軽量(最大4g)のものをつまんで運ぶことができる)などの機能をもたせることが可能だ。「Parrot Swing」と同じセンサー類を搭載しており、やはり安定した飛行が実現される。最大9分の飛行が可能で、メーカー希望小売価格は15,000円(税別、前述のアクセサリー2つが同梱されているが、「Parrot Flypad」は別売りの価格)だ。
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○専用コントローラー「Parrot Flypad」
 専用のアプリ「FreeFlight Mini」(iOS/Android対応)を介して「Parrot Swing」「Parrot Mambo」を操縦するコントローラー。通信はWi-Fiではなく、Bluetooth Low Energyを採用しており、これにより省電力が実現でき、長距離でも精密な操縦が可能だという。
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研究開発事業や教育開発事業、人材開発事業等を展開している株式会社リバネスが、板金・プレスを中心とした金属加工業の株式会社浜野製作所に出資、モノづくりの技術やノウハウを必要とするテクノロジーベンチャーを対象としたものづくり支援のプラットフォームを拡大していくことに同意した。2016年9月2日に記者会見を行った。

DSC_0115.JPG左から、株式会社浜野製作所 代表取締役の浜野慶一氏、株式会社リバネス 代表取締役CEOの丸幸弘氏、株式会社チャレナジ 代表取締役CEOの清水敦史氏。皆さんが手に持っているのがチャレナジーが開発、現在実験を行っている「垂直軸型マグナス風力発電機」の模型。

浜野製作所は、産学連携による新しいものづくりにも取り組んでいる。有名なところでは、深海探査船「江戸っ子1号」の開発や日本テレビで放送された「リアルロボットバトル日本一決定戦」にロボットを製作して参加したなどの実績がある。2014年にはものづくりベンチャー等と町工場をつなぐハブ機能を持った「Garage Sumida(ガレージスミダ)」を開設し、ものづくりベンチャーを設計・試作の面でも支援している。
一方リバネスは、2013年より科学・技術を活かした新たな事業の創造を目指すベンチャー企業の発掘、育成を行うシードアクセラレーションプログラム「TECH PLANTER」を展開している。その中で、知識やアイデアがあっても、形にするものづくりの技術やノウハウが不足しているスタートアップ企業を支援するために、2014年に浜野製作所と業務提携を行い、「Garage Sumida」を主な拠点とし、さまざまなベンチャー企業の試作品開発や量産化のサポートを行ってきた。
なお、この2社はこれ以前の2012年より、研究者向けの研究機器の共同開発や、研究者向けの受諾開発事業を行っている。

今回、今までの業務提携だけではなく、資本提携としたのかについて、そのきっかけとして、株式会社リバネス 代表取締役CEOの丸幸弘氏は、日本がもっとも強いのは何かを考えたときに、ものづくりをもう一度見直すべきではないか、と考えたそうである。
丸氏は、日本の研究はまだ高いレベルにあるが、表に出すのがうまくないと感じ、また町工場が衰退し、減っている現状で、匠の技術が残っている現在はまだよいが、10年後にはいなくなってしまうのではないかと危機感を持ったそうだ。シンガポールやマレーシア、アメリカなど、海外にも拠点を持つリバネスは、日本だけでなく海外の研究者や企業家たちが欲しがっているものを日本の町工場の技術を活用して開発する、ということを考えている。しかし単に日本でモノを作るというだけではなく、「Garage Sumida」やインキュベーターを利用して、日本で会社を設立し、日本で上場して、その技術や製品は海外マーケットへ輸出をするという流れを考えているそうだ。日本だけでなく海外のアントレプレナーに、日本で会社を興してもらい一緒に技術や製品を開発し、それを海外に持って行ってそこの課題を解決する、これが本当のグローバル化ではないかと丸氏は語った(インバウンドグローバライゼーションと呼んでいるそうだ)。リバネスとしては、海外に行き、日本の町工場の技術をプレゼンテーションする役割を担うという。開発や会社登記を担う浜野製作所とは今後の展開を考えたときに、より一体化しての対応が必要になると考え、今回の資本提携に至った。具体的にはリバネスが浜野製作所に500万円を出資することになる。


今回の資本提携について、株式会社浜野製作所 代表取締役の浜野慶一氏は、町工場のように、鋳物や金型、溶接等といった、モノを作るときの基盤となる技術を持つ会社は一度なくなると、先進国で復活させるのは難しいということ、それなのに町工場は減ってきており、若者の参入が少ないため、後継者不足で廃業となる会社が少なくない現状に危機感を持っていたそうだ。自分たちの世代で、次世代に残していかなくてはならないと考えたそうだ。これからの社会を生き抜いていくには、業界業種、地域を超えた企業と連携をしながら、元の資本のところから新しい道にチャレンジしたほうがいいかと考え、資本提携をリバネスに申し込んだという。今後もスタートアップベンチャーを一緒にやっていくそうだ。現在、「Garage Sumida」には6社のベンチャーが入居しており、ロボット系の企業が多いという。今後は医療や宇宙開発といった分野も手掛けていきたいとのこと。ただ「Garage Sumida」は12社が限界とのことで、別にインキュベーションビルを建てて、20?30社が2?3年で入れ替わっていくようにしたいとのこと。

今回の記者発表では、「TECH PLANTER」を通じてリバネスと浜野製作所がものづくり支援、経営支援を行っているベンチャーである株式会社チャレナジーの代表取締役CEOの清水敦史氏も出席、現在沖縄で実験を行っている、プロペラのない次世代風力発電機「垂直軸型マグナス風力発電機」の紹介や、サラリーマンだった清水氏が福島第一原発の事故をきっかけに、風力発電にイノベーションを起こそうと思い、現在に至る経緯を説明した。リバネスも浜野製作所も、このようなものづくりの関わるベンチャーを支援していきたいと語っていた。

第103回ロボット工学セミナー『強いロボット - 極限環境下で作業を達成する技術 - 』が,2016年11月27日(日)に開催されます.

セミナー口上

ロボットへ期待される重要な要素の一つが人間の代替となることです.宇宙・深海・火山といった人が立ち入ることができない,または大きなリスクを伴う場所において人に代わり作業を行うロボットへの需要は日に日に増しています.しかしそのような極限環境はロボットにとっても過酷であり,故障することなく作業を達成する「強さ」が求められます.本セミナーでは,極限環境に挑むロボット研究者の方々にその設計思想・最新技術等について御紹介いただきます.

講演内容,タイムスケジュール,申込み方法など,くわしくは以下のWebサイトをご確認ください.
第103回ロボット工学セミナー


強いロボット - 極限環境下で作業を達成する技術 -


■オーガナイザー
中西 洋喜(東京工業大学)

■日時
2016年11月27日(日)10:00 - 17:00(開場9:30)

■開催地
東京工業大学 大岡山キャンパス 西5号館レクチャーシアター(東京都目黒区大岡山2-12-1)

会場アクセス
最寄り駅:「大岡山駅」(東急大井町線・目黒線)徒歩5分,「石川台駅」(東急池上線)徒歩10分.

■主催
一般社団法人 日本ロボット学会

■定員
200名(定員になり次第締め切ります)

■参加費:無料
当学会及び協賛学会の正会員(個人)/8,500円,会員外(一般)/13,000円
当学会及び協賛学会の学生会員(個人)/3,000円,会員外(学生)/4,500円
当学会賛助会員 招待券ご利用/無料,優待券ご利用/3,000円,左記サービス券なし/13,000円
特別優待券使用の場合:学生(RSJ会員非会員問わず)/無料,学生以外/3,000円
※賛助会員招待券/優待券および特別優待券の詳細は下記ご案内ページをご確認ください.
http://www.rsj.or.jp/seminar_info/ticket

■講演内容
10:00-10:10 <開会挨拶・講師紹介>

10:10-11:10
第1話 火山観測調査におけるロボティクスの役割とフィールド実証実験
慶應義塾大学 石上 玄也
我が国には100以上の活火山があり,そのうち20以上が重点的な観測対象となっている.火山災害の予知,あるいは防災・減災に対応すべく様々なアプローチが研究開発および実証がなされてきている.本講演では,火山災害とロボット技術についてフォーカスをあて,火山観測におけるロボティクスの必要性を確認するとともに,講演者らが伊豆大島三原山において取り組んでいるフィールド実証試験について,ロボットシステムの概要および観測シナリオについて紹介する.さらに,これら活動から見えてくる技術課題・Lessons Learnedを提示し,各ロボット技術を用いるべきシナリオの明確化について議論を深め,有用な火山観測ロボットシステムのあるべき姿について一考する.

11:10-11:20 <休憩>

11:20-12:20
第2話 実環境で働くロボットの通信
工学院大学 羽田 靖史
建機の遠隔操縦,ドローンによる宅配,高所や橋梁のインフラ点検,火山監視など,実環境で働くロボットの社会実装のためには,無線通信路の確保が重要な問題である.従来のロボットは他用途で開発された無線LANや携帯電話網を利用してきたが,物理的な危険を伴う機械の通信には,専用の無線周波数帯を設けるべきである.2016年9月より施行される「無人移動体画像伝送システム」はロボットのニーズを考慮した世界初の無線通信であり,これまでにない技術的あるいは制度的な多くの工夫が凝らされている.本発表ではこれらを説明し,今後のロボットにおける無線通信の展望について述べる.

12:20-13:30  <休憩(昼食)>

13:30-14:30
第3話 深海用ロボットと全周囲画像システム
(独)海洋研究開発機構 澤 隆雄
海洋研究開発機構は深海という極限環境を探査するため,2機のケーブル式ロボット,1機の巡航型ロボットを運用している.周囲が海水という導電物質で満たされ,かつ100気圧を超える水圧下で動作するそれら電動式ロボットには,さまざまな特殊技術が採用されている.またロボットの運用は母船と一緒に何十人もの人が協力して行うことから,些細なトラブルが多大なコスト増となるため,ロボットには素早く復旧するための工夫が施されている.本セミナーでは海洋研究開発機構が所有するロボットを紹介するとともに,開発中の全周囲を認識する画像システム(アラウンドビューモニターシステム)など,最新技術について紹介する.

14:30-14:40 <休憩>

14:40-15:40
第4話 宇宙用ロボットの作り方
東京工業大学 小田 光茂
宇宙空間で作業するロボットには,宇宙空間内や,宇宙施設の内外を自在に移動できる機能,作業対象物を捕獲・結合・固定する機能,求められている作業(組み立て,検査,補給,補修等)を行う機能が必要となる.これらの機能に求められる性能は地上用ロボットに比べて厳しい.例えば,地上のロボットであれば,把持したものを目的場所まで移動したら把持を開放すればよいが,宇宙の無重力環境では「把持解放された」物体は元の位置から離れて辺りをさまよっているであろう.宇宙放射線がロボット等の電子機器に与える影響も無視できない. 宇宙で作業するロボットと地球上の作業指揮者との通信・意思伝達をどうするかも課題である.講演では,講師がこれまでに開発したETS-VII,REX-J等の宇宙ロボットを例題に宇宙ロボットの実現方法を語る.

15:40-15:50 <休憩>

15:50-16:50
第5話 宇宙・災害現場における極限探査 ロボットへの挑戦
東北大学 吉田 和哉
本講演の講師は,これまで宇宙探査ロボット,災害対応ロボットの研究開発に取り組んできた.小惑星探査機「はやぶさ」,大学衛星「雷神」「雷神2」,原発対応ロボット「Quince」の開発などを経験し,現在月面探査ローバーの開発を行っている.高真空,激しい振動環境,厳しい温度環境,放射線環境などの極限条件において,与えられたミッションを達成する頑健なロボットおよびメカトロシステムの設計および検証の方法について,実践例に基づいて紹介する.

16:50-17:00 <閉会挨拶>

■問合せ先
一般社団法人 日本ロボット学会 ロボット工学セミナー係
〒113-0033 東京都文京区本郷2-19-7 ブルービルディング2階
TEL:03-3812-7594 FAX:03-3812-4628
seminar[at]rsj.or.jp([at]を@に置き換えてください。)

ロボット検定

国際ロボット展

リバスト

タマディック

アフレル

三和電気計器

ツクモROBOT王国

ヴイストンロボットセンター

秋月電子通商

近藤科学

Robotma.com

双葉電子工業

 

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