内容紹介
高度情報通新社会を支える先端テクノロジーの定番を提供
最近の通信技術の発展は目覚ましく、衛星通信に代表されるように、我々の身のまわりのあらゆる分野で活用されている。電波応用工学を基礎とし、通信技術をシステムとしてとらえるとき、その学問の深さと応用技術の多様化は、研究や技術開発に携わる技術者の養成を困難なものにしている。
郵政省通信総合研究所は、情報通信に関する唯一の国立研究機関として、情報・通信・電波の各分野にわたって幅広い研究を行い、通信新時代をリードしている。この100年に及ぶ研究成果は、国民共有の財産であり、高度情報通信社会を支える基礎技術を集大成し、必要不可欠な知識として世に贈ることを計画した。
ウェーブサミット講座は通信技術を学ぼうとする理工系大学院の学生、各企業および研究機関の情報通信系研究者・開発技術者を主たる対象に、先端技術指導書を出版することを計画した。
本書は、宇宙通信を利用した測地・測位・測量法の基礎理論と応用理論を大学院レベルでマスターする教科書として出版するものである。
このような方におすすめ
情報通信工学系の学生、大学院生(テキスト、ゼミ用教材)
情報通信システムの開発技術者、研究者(基礎知識習得書)
通信行政の企画部門、技術管理部門に携わる一般識者
特に本書は、リモートセンシングの研究開発に従事している研究者・開発技術者
目次
主要目次
1章 序説
2章 概論:VLBIひとめぐり
3章 データ処理技術
4章 データ解析
5章 測地VLBI実験
6章 VLBI技術の応用分野
7章 終章
付録
詳細目次
1章 序説
1・1 電波天文学の誕生
1・2 電波干渉計の発想
1・3 原子時計の進歩
1・4 大型アンテナ受信技術の発展
1・5 信号処理技術の超高速化
1・6 測地VLBI技術の発達
1・7 各章の紹介
2章 概論:VLBIひとめぐり
2・1 電波干渉計の基礎
2・2 天体電波源とその座標系
2・3 観測座標系
2・4 伝搬遅延
2・5 VLBIの原理
2・6 VLBI装置の略史
2・7 VLBI観測
2・8 測地VLBIにおけるデータ処理フローの特徴
2・9 VLBI実験協力の経緯
3章 データ処理技術
3・1 フーリエ変換と諸性質
3・2 VLBI等価信号モデル
3・3 1ビットサンプリング
3・4 もっともらしい遅延時間の推定法
3・5 VLBIで扱う相互相関関数
3・6 相関処理装置が行う相関処理
3・7 遅延時間とその変化率の精密決定
3・8 VLBI測定精度とその検証
3・9 リアルタイムVLBI
4章 データ解析
4・1 データ解析の概要
4・2 基準座標系
4・3 物理モデル
4・4 推定パラメータ
4・5 解析方法
4・6 VLBI誤差
4・7 解析方法の課題と改善
5章 測地VLBI実験
5・1 日本測地座標系の精密測定
5・2 プレート運動と地震
5・3 プレート運動の実測
5・4 プレート境界の地殻変化
5・5 ヒマラヤ衝突と日中接近
5・6 日本付近のプレート運動
5・7 国内VLBI実験
5・8 南極VLBI実験
5・9 地球回転
5・10 その他の実験
6章 VLBI技術の応用分野
6・1 電波天文学
6・2 地球回転精密計測
6・3 首都圏広域地殻変動観測
6・4 深宇宙計測
6・5 電離層観測への応用
7章 終章
7・1 センチの精度からミリの精度へ
7・2 地球を超えて
付録 A1 Wahrの章動モデル係数
A2 YoderのUT1地球潮汐補正係数
A3 DickmanのUT1地球潮汐補正係数
A4 ITRF座標系でのVLBI局位置
A5 VLBI観測で使用する代表的な電波源位置カタログ
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