内容紹介
ロボット制御の実践に必要な知識が、基礎から学べる!
本書は、ロボット制御の実用的な知識を体系的に解説するものです。
ロボット制御に関する従来型の教科書は、ロボットの運動学や動力学を数学的に一般化する、理論的な側面が強いものが主流でした。制御工学や機械力学に基づく一ジャンルとしてのロボット工学があり、その視点からロボット制御を解説していたとも言えます。
しかし近年では、ロボット工学(ロボティクス)はほかの分野から独立して、一つの学問・技術分野として十分に形成されています。そのため、制御工学や機械力学の知識を取り込みながらも、ロボティクスとして包括的・実践的な教科書・参考書が望まれています。本書は、ロボティクスとしてのロボット制御を基礎から実践まで丁寧に解説する、新しい教科書・参考書としてご活用いただけます。
このような方におすすめ
・大学、高専などでロボット工学を学ぶ学生
・ロボット工学関連の初級技術者
目次
主要目次
第I部 位置に関する運動学と軌道生成
第1章 関節変位と作業座標の関係
第2章 姿勢の記述
第3章 目標軌道の生成
第4章 運動学の一般的表現
第5章 実践・位置制御と逆運動学
第II部 ヤコビ行列と微分運動学
第6章 ヤコビ行列
第7章 微分運動学
第8章 ヤコビ行列を利用した制御
第III部 動力学と運動制御
第9章 ロボットの運動方程式
第10章 運動方程式とロボット制御
第11章 実践・動力学
詳細目次
第I部 位置に関する運動学と軌道生成
第1章 関節変位と作業座標の関係
1.1 平面2自由度ロボット
1.2 簡単な脚ロボット
1.3 垂直型3自由度ロボット
1.4 本章のまとめ
第2章 姿勢の記述
2.1 姿勢記述のための回転行列
2.2 回転行列による座標変換
2.3 ロール・ピッチ・ヨー角
2.4 ZYZ-オイラー角
2.5 単位クォータニオン
2.6 本章のまとめ
第3章 目標軌道の生成
3.1 作業座標系での軌道計画(脚ロボット)
3.2 関節空間での軌道計画(平面2自由度ロボット)
3.3 時間の多項式に基づく軌道生成
3.4 速度台形則に基づく軌道生成
3.5 手先の姿勢に関する軌道計画
3.6 単位クォータニオンを使った大円補間
3.7 本章のまとめ
第4章 運動学の一般的表現
4.1 リンク座標系と同次変換
4.2 リンク座標系の定義とリンクパラメータ
4.3 垂直型3自由度ロボットの順運動学
4.4 垂直型6自由度ロボットの順運動学
4.5 本章のまとめ
第5章 実践・位置制御と逆運動学
5.1 位置制御されたモータによって駆動されるロボット
5.2 垂直型6自由度ロボット:手先一軸の制御
5.3 大まかな場所を実現するアーム部
5.4 本章のまとめ
第II部 ヤコビ行列と微分運動学
第6章 ヤコビ行列
6.1 ヤコビ行列の定義
6.2 解析的な微分によるヤコビ行列の導出
6.3 角速度ベクトル
6.4 基礎ヤコビ行列
6.5 ヤコビ行列と基礎ヤコビ行列の関係
6.6 垂直型3自由度・6自由度ロボットの基礎ヤコビ行列
6.7 本章のまとめ
第7章 微分運動学
7.1 特異姿勢と可操作度
7.2 各軸速度制御による軌道制御
7.3 微分逆運動学
7.4 微分逆運動学を用いた逆運動学問題の解法(平面2自由度ロボットの場合)
7.5 微分逆運動学を用いた逆運動学問題の解法(一般の場合)
7.6 本章のまとめ
第8章 ヤコビ行列を利用した制御
8.1 分解速度制御による軌道制御
8.2 画像特徴ベースビジュアルサーボ
8.3 仮想仕事の原理
8.4 コンプライアンス制御
8.5 位置と力の準静的ハイブリッド制御
8.6 本章のまとめ
第III部 動力学と運動制御
第9章 ロボットの運動方程式
9.1 平面2自由度ロボットの運動方程式
9.2 慣性行列,遠心力・コリオリ力の項の性質
9.3 ニュートン・オイラー法
9.4 運動学的関係式
9.5 ニュートンとオイラーの運動方程式
9.6 リンク内の力とモーメントのつり合い
9.7 ニュートン・オイラー法による運動方程式
9.8 ニュートン・オイラー法を用いた2自由度アームの運動方程式
9.9 本章のまとめ
第10章 運動方程式とロボット制御
10.1 各軸フィードバック制御
10.2 重力補償制御
10.3 運動方程式を基にした関節に関する動的制御
10.4 手先に関する動的制御
10.5 インピーダンス制御
10.6 本章のまとめ
第11章 実践・動力学
11.1 ニュートン・オイラー法による逆動力学計算
11.2 運動方程式パッケージに基づく動的制御の実装
11.3 インピーダンス制御
11.4 動的シミュレーション
11.5 本章のまとめ
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