内容紹介
「分子生物学」の今までにない入門書!
本書は、平易な文章と手書きイラストや図表で、分子生物学の世界をやさしくユニークな視点でまとめたものです。
黎明期の分子生物学に取り組み、日本の分子生物学の発展を実際に体験した著者が、今までにない書籍として書き下ろしました。
入門者でも分子生物学に興味がもてるように、「実際にあったエピソードから分子生物学を解説」「入門者にも理解できる丁寧な記述」「必要最小限の分量」「多数のわかりやすい図表」を基本的な方針としています。
このような方におすすめ
○生命・医療系学部(農・栄養・コメディカル・薬・工・理など)の学生(短期大学,大学校)
目次
主要目次
第1講 遺伝物質はDNAである
第2講 分子生物学の三大プレイヤー
第3講 ゲノム -細胞のなかのDNA-
第4講 DNAを増やして構造を知る -組換えDNA技術-
第5講 DNAはどのようにして増えるのだろうか -DNA複製-
第6講 転写 -DNAからRNAへ-
第7講 切ってつなぐ離れわざ
第8講 一字が万事 -mRNAからタンパク質がつくられるプロセスを翻訳とよぶ-
第9講 RNA像の変身
第10講 DNAのキズを治す
第11講 ウイルス -敵か味方か-
第12講 動くDNAの動かぬ証拠
第13講 DNAは動かせる -ゲノム編集とは何か?-
第14講 三毛ネコはメスしかいない、なぜ?
第15講 分子生物学と社会 -生命科学の時代へ-
演習問題 解答・解説
詳細目次
第1講 遺伝物質はDNAである
1.1 DNAとは長い英語の略記である
1.2 遺伝物質はDNAである
1.3 遺伝物質はタンパク質かもしれない?
1.4 アベリーらの実験へのプレリュード
1.5 アベリーらの実験
1.6 アベリーらの論文の反響
1.7 バクテリオファージでの実験まで(1944~1952年)
1.8 ハーシーとチェイスの実験
1.9 分子生物学は情報の学問である
1.10 分子生物学小史
第2講 分子生物学の三大プレイヤー
2.1 DNAの構造
2.2 RNAの構造
2.3 核酸の性質
2.4 アミノ酸とタンパク質
第3講 ゲノム -細胞のなかのDNA-
3.1 ゲノムサイズ
3.2 ゲノム構造
3.3 クロマチン
3.4 染色体
第4講 DNAを増やして構造を知る -組換えDNA技術-
4.1 DNAの機能を知るには…
4.2 PCR
4.3 DNA塩基配列決定法 -サンガー法-
第5講 DNAはどのようにして増えるのだろうか -DNA複製-
5.1 複製とは?
5.2 ワトソンとクリックはDNA複製のモデルを示唆していた
5.3 半保存的複製モデルが正しい -メセルソン―スタールの実験-
5.4 複製フォークの分岐点で…(その一)
5.5 複製フォークの分岐点で…(その二)
5.6 岡崎フラグメントの連結
5.7 DNAポリメラーゼの校正機能
5.8 テロメアの複製 -末端複製問題-
第6講 転写 -DNAからRNAへ-
6.1 転写ではDNAからRNAがつくられる
6.2 DNAの2本の鎖のどちらが「読まれる」か?
6.3 転写反応はDNA複製とよく似ている
6.4 RNAポリメラーゼについて
6.5 転写反応の調節はどのように行われるか
第7講 切ってつなぐ離れわざ
7.1 ある学会でのひそひそ話
7.2 RNAは転写後にいろいろと加工される
7.3 ふたたびRNAスプライシングへ
第8講 一字が万事 -mRNAからタンパク質がつくられるプロセスを翻訳とよぶ-
8.1 分子生物学における翻訳とは
8.2 全RNAのほとんどが翻訳に参加する
8.3 翻訳における大問題
8.4 翻訳の舞台 -tRNAとリボソーム-
8.5 オープン・リーディング・フレーム(読み枠、ORF)
8.6 翻訳の現場の様子
8.7 遺伝子の変異が翻訳に及ぼす影響 -一字が万事-
第9講 RNA像の変身
9.1 新しいタイプのRNAが続々と発見されている
9.2 RNA全体像を見てみよう
9.3 機能性RNAの種類
9.4 RNAが酵素として働く
9.5 RNAワールド仮説
9.6 RNAテクノロジー
第10講 DNAのキズを治す
10.1 DNAは常に健康であって欲しい
10.2 DNAがキズつく、とはどういうこと?
10.3 キズついたDNAを放っておくとどうなる?
10.4 DNAのキズを治す
10.5 生物はDNAのキズを治す仕組みをもつ
10.6 DNA日本鎖切断の修復
10.7 DNAのキズが起こす遺伝病
第11講 ウイルス -敵か味方か-
11.1 ウイルスとはなんだろう
11.2 ウイルスの構造
11.3 ウイルスの生活環
11.4 ウイルスは感染症を引き起こす
11.5 ウイルスは変異する!
11.6 ウイルスとがん
11.7 ウイルスは私たちの敵だけではない!
第12講 動くDNAの動かぬ証拠
12.1 グラスジェムコーンを見て「DNAが動く」!
12.2 大腸菌の挿入配列(IS)とトランスポゾン(Tn)
12.3 マクリントックは正しかった!
12.4 ショウジョウバエのトランスポゾン
12.5 もうひとつのタイプのトランスポゾンがある
12.6 免疫グロブリン遺伝子の再編成
12.7 遺伝子増幅
12.8 酵母の接合型変換
第13講 DNAは動かせる -ゲノム編集とは何か?-
13.1 外来DNAのランダムな導入
13.2 ゲノムDNAを正確に改変できる遺伝子ターゲッティング
13.3 ゲノム編集とは?
13.4 ゲノム編集のポイント -DNAの二本鎖切断-
13.5 ゲノム編集の第一世代と第二世代
13.6 ゲノム編集技術の第三世代 -クリスパー・キャス9(CRISPR-Cas9)-
13.7 ゲノム編集で何ができるようになったのか
13.8 ゲノム編集による社会への波及
第14講 三毛ネコはメスしかいない、なぜ?
14.1 三毛ネオkはなぜメスしかいないのだろうか
14.2 遺伝子は存在しても発現されたり、発現を抑えられたりしている
14.3 細胞分化
14.4 エピジェネティック・ランドスケープ
14.5 エピジェネティクスとは
14.6 エピジェネティクスの分子機構
14.7 エピジェネティックな諸現象 -各論-
第15講 分子生物学と社会 -生命科学の時代へ-
15.1 ゲノムプロジェクト -ゲノムを次々と解読する-
15.2 iPS細胞の医療への応用
15.3 ゲノム編集技術がもたらすもの
15.4 微生物との共存が大切!
15.5 環境DNAとはどういうものか
15.6 ゲノム医療、ゲノム創薬
演習問題 解答・解説
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