内容紹介
細胞培養(培地最適化)へ機械学習を応用するための基礎やノウハウを解説
本書は細胞培養(培地最適化)へ機械学習を応用するための基礎やノウハウを解説した書籍です.現状,細胞培養に機械学習を応用しようとすると,情報工学や数理統計学のテキストを読む必要がありますが,これらでは情報工学や数理統計学の基本的なカリキュラムを修了していることが前提とされていて,細胞培養のエンジニアや学生が読みこなすのは大変です.
また,情報工学や数理統計学において重要な基本原理の解説と研究事例の紹介がメインであり,必ずしも細胞培養に応用するうえで,「機械学習をどう利用するのか」「どうやってデータサイエンス化するのか」について,詳しく書いてあるわけではありません.
本書では,情報工学や数理統計学のノウハウがなくても,つまり,AIの素養がなくても,読者ご自身の細胞培養の定量性や再現性を高め,予測可能な結果につなげるためのヒントをまとめたものです.著者の経験をもとに,機械学習を応用する大切なポイントを解説しています.
このような方におすすめ
生物学・生命科学・医学・薬学を専攻とする大学生・大学院生
食品、医薬品、再生医療分野の企業の研究者、技術者
目次
主要目次
第1章 細胞培養の基礎を押さえよう
1.1 細胞培養について
1.2 細胞培養のための培地選び
第2章 細胞培養を定量化しよう
2.1 細胞の数を計測してみよう
2.2 増える細胞の様子を数値化しよう
第3章 細胞培養をデータ化しよう
3.1 データサイエンスの基本をざっくり把握しておこう
3.2 細胞培養・培地をデータ化しよう
3.3 データ化するための自動化
第4章 細胞培養を学習分析しよう
4.1 機械学習について知ろう
4.2 細胞培養のデータでデータサイエンスを行おう
第5章 細胞培養を最適化しよう
5.1 最適化するための方法
5.2 機械学習のアルゴリズムを押さえよう
5.3 学習データを取得しよう
5.4 モデルを訓練しよう
第6章 アクティブラーニングを活用しよう
6.1 アクティブラーニング
6.2 応用と展望
詳細目次
第1章 細胞培養の基礎を押さえよう
1.1 細胞培養について
1.1.1 私たちの衣食住を支える技術
1.1.2 細胞の種類(無数にあるが、大まかに2種類)
1.1.3 細胞培養の基本ステップとその問題点
1.2 細胞培養のための培地選び
1.2.1 培地の中身(培地の組成)
1.2.2 培地の分類
1.2.3 培地の選択基準
1.2.4 培地選択の注意点
第2章 細胞培養を定量化しよう
2.1 細胞の数を計測してみよう
2.1.1 主な測定法と計算
2.1.2 測定方法の比較と選定
2.2 増える細胞の様子を数値化しよう
2.2.1 細胞増殖の様子(集団動態)
2.2.2 細胞増殖のよし悪し判定基準(増殖の指標)
第3章 細胞培養をデータ化しよう
3.1 データサイエンスの基本をざっくり把握しておこう
3.1.1 データサイエンスとは
3.1.2 あらためてデータとは
3.2 細胞培養・培地をデータ化しよう
3.2.1 細胞培養のデータ
3.2.2 培養条件のデータ化
3.2.3 培養結果のデータ化
3.3 データ化するための自動化
3.3.1 培養実験のハイスループット化
3.3.2 データ処理・解析の自動化
3.3.3 Python によるデータ処理
第4章 細胞培養を学習分析しよう
4.1 機械学習について知ろう
4.1.1 機械学習とは
4.1.2 細胞培養への機械学習の応用
4.2 細胞培養のデータでデータサイエンスを行おう
4.2.1 要因と結果の関係の数式化
4.2.2 データサイエンスの定番を押さえよう
4.2.3 細胞培養の培地に対するデータサイエンス
4.2.4 データサイエンスの結果の解釈例
第5章 細胞培養を最適化しよう
5.1 最適化するための方法
5.1.1 経験則による方法
5.1.2 数理統計学による方法
5.1.3 機械学習による方法
5.2 機械学習のアルゴリズムを押さえよう
5.2.1 主なアルゴリズム
5.2.2 アルゴリズムの比較
5.3 学習データを取得しよう
5.3.1 モデルの構築
5.3.2 データ収集のための実験計画
5.4 モデルを訓練しよう
5.4.1 訓練手順
5.4.2 訓練の例
5.4.3 モデルの予測精度について
第6章 アクティブラーニングを活用しよう
6.1 アクティブラーニング
6.1.1 アクティブラーニングとは
6.1.2 培養細胞活性の向上
6.1.3 選択的培養
6.2 応用と展望
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