内容紹介
電気設備の保全について詳説
産業構造の高度化、情報技術の進展により、電気設備に要求される信頼性、安全性、環境保全性は高度化かつ多様化しています。同時に、更新・延命化に対する課題も大きく変化しており、現有設備の劣化状況を把握し、関連する機器群をシステムとして捉え、設備の耐用年数の延長化を図ることが取り上げられています。
本書は、電気設備を電気設備システムとして捉え、どのようにして更新を実現すればよいか、電気設備の更新に関わる長期計画の策定から運用までを体系的にまとめた技術専門書です。
〈本書のポイント〉
・機器構成の部品展開から劣化プロセスの明確化、機器の生涯計画として更新を位置付け、更新を進めるための5つのステップを解説した。
・今後の保全方法の提案として、オンライン診断に基づく状態監視保全と寿命協調の合理的根拠を提供するものとして、プロアクティブ手法の適用を追加した
・新素材・新技術の導入した新世代機器への対応を行った。
・RSTの見直しなどを含む新しい保全を提案した。
※本書は2006年出版の『工場電気設備』を現在の知見や情報に改めた改題改訂版です。
このような方におすすめ
◯工場の電気設備のユーザ
◯保安協会、設備メンテナンス、ビルメンテナンスの協会員
◯電気設備メーカの技術者
目次
主要目次
第1章 産業用電気設備の保全の目的
第2章 産業用電気設備の保全の進め方
第3章 保全業務における基本的事項
第4章 保全に必要なデータの採取と解析手法
第5章 保全業務へのプロアクティブ手法の導入
第6章 今後の保全技術
技術資料
詳細目次
第1章 産業用電気設備の保全の目的
1.1 設備保全とは
1.1.1 保守点検
1.1.2 診断
1.1.3 更新
1.2 産業用電気設備の保全の現状と課題
1.2.1 産業用電気設備の保全の現状
1.2.2 産業用電気設備の保全の課題
1.2.3 従来機器の課題について保全への反映
1.2.4 現世代機器の新しい課題について保全への反映
第2章 産業用電気設備の保全の進め方
2.1 寿命のとらえ方と更新について
2.1.1 保守点検と診断による劣化程度の評価
2.1.2 寿命のとらえ方
2.1.3 更新について
2.2 五つのステップでの検討
2.2.1 ステップ1 長期更新計画の策定
2.2.2 ステップ2 中期更新計画の策定
2.2.3 ステップ3 更新の実施検討
2.2.4 ステップ4 更新の実施設計と工事
2.2.5 ステップ5 更新後の評価と運用
2.3 システムとしての検討(寿命協調と機能協調)
2.3.1 システムとしての検討の考え方
2.3.2 システムに対する評価項目
2.3.3 具体的な評価項目とその適用
第3章 保全業務における基本的事項
3.1 設備の捉え方
3.2 保全管理区分(RST)
3.3 劣化要因と劣化プロセス
3.3.1 回転機
3.3.2 油入変圧器
3.3.3 モールド変圧器
3.3.4 遮断器(VCB,GCB)
3.3.5 ガス絶縁開閉装置
3.3.6 気中スイッチギヤ
3.3.7 制御弁式据置鉛蓄電池
3.3.8 リチウムイオン電池
3.3.9 ケーブル
第4章 保全に必要なデータの採取と解析手法
4.1 データの採取
4.2 データの解析手法
4.2.1 電気設備保全における演繹的手法と帰納法的手法
4.2.2 演繹的手法としてのプロアクティブ手法
4.2.3 帰納的手法としてのIoT・AIを活用した解析手法
4.3 演繹的手法と帰納的手法の適用例
4.3.1 多変量解析を用いた電動機の余寿命診断
4.3.2 変圧器の余寿命診断
第5章 保全業務へのプロアクティブ手法の導入
5.1 保全におけるプロアクティブ手法の適用
5.2 対象とする機器の部位の選定
5.3 プロアクティブ手法の進め方
5.4 プロアクティブ手法の施策
5.5 プロアクティブ手法の適用例
5.5.1 回転機
5.5.2 変圧器
5.5.3 開閉器
5.5.4 制御弁式据置鉛蓄電池
5.5.5 ケーブル
5.6 プロアクティブ手法適用成果
5.6.1 プロアクティブ活用による保全管理区分適用の見直し
5.6.2 プロアクティブ適用例の総括
5.6.3 プロアクティブ手法適用拡大に向けて
第6章 今後の保全技術
6.1効果的保全技術の課題
6.2 IoT・AI応用診断監視システム
6.2.1 診断監視システムにおけるIoTの概念
6.2.2 診断監視システムにおけるAIの概念
6.2.3 AI応用の手順
6.3 IoT・AI応用診断監視システムの具体例
6.3.1 従来の診断監視の手順
6.3.2 エキスパートシステムによる診断監視の手順
6.3.3 多変量解析法を用いた診断監視手法
6.4 人工知能AI-特に機械学習―応用診断監視システムの具体例
6.4.1 観測された信号データの変動部分に着目する手法
6.4.2 鉛蓄電池を対象としたその他の診断手法
6.4.3 その他人工知能適用例
技術資料
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