内容紹介
未来への確かな意思決定に、時系列予測を活用しよう!
本書は、時系列予測の理論とPythonによる実装を体系的にわかりやすく解説します。時系列データ分析が未経験でも通読できるよう、基礎となる数学から始め、ビジネスや研究の場で実践するためのスキルが身に付くよう丁寧にフォローします。
ビジネスの現場では、データに基づく意思決定が重要視され、特に時系列データ分析は、売上予測や需要予測、在庫最適化など、多くの領域で活用されています。そうした時系列予測の理論と実践を学ぶために必要な知識を、本書の活用によって身に付けることができます。
※本書と『Pythonによる時系列分析―予測モデル構築と企業事例―』との違い
本書では時系列予測(を主とする時系列分析)の数学的な解説や数理モデルを詳解することから
・確かな理論的裏付けに基づく実践(コーディングや評価・検証)を試したい
方におすすめです。
一方、『Pythonによる時系列分析―予測モデル構築と企業事例―』は、(特にビジネス応用を念頭に置いた)時系列分析の入門として
・まずはハンズオンで実践してみたい
・ビジネスにおける時系列分析(を含めたデータ分析の全体像)をつかみたい
という方におすすめです。
このような方におすすめ
・時系列予測を扱うデータサイエンティスト、マーケター、データアナリストなどの実務家
・マーケティングなどビジネスに関わる学問の研究者
・数理モデリングとその応用に興味をもつ研究者
目次
主要目次
第1章 時系列予測が変えるビジネスの未来
第2章 統計的推測と時系列分析の基礎
第3章 時系列予測のための数理モデル
第4章 予測モデルの評価と検証
第5章 時系列予測事例
付録A Python環境構築
詳細目次
第1章 時系列予測が変えるビジネスの未来
1.1 僕たちは時系列データに囲まれて生きている
1.2 ビジネス時系列分析と予測
1.2.1 振り返り分析:過去から学ぶ
1.2.2 近未来分析:未来を予測する
1.2.3 時系列予測の発展と可能性
1.3 ビジネスを変革した時系列予測事例
1.3.1 マーケティングの高度化:消費者行動の先行指標分析
1.3.2 在庫管理の最適化:需要予測による無駄の削減
1.3.3 部品製造の効率化:多品種少量生産への対応
1.3.4 販促活動の効率化:投資対効果の科学的分析
1.3.5 成功事例から学ぶ実務展開のポイント
1.4 データ活用の3フェーズ:時系列予測の実務活用に向けて
1.4.1 フェーズ1:テーマ設定
1.4.2 フェーズ2:アナリティクス
1.4.3 フェーズ3:ビジネス活用
第2章 統計的推測と時系列分析の基礎
2.1 統計的推測の基礎
2.1.1 推定の考え方
2.1.2 点推定と区間推定
2.1.3 推定方法(最尤推定法・最小二乗法・MCMC法)
2.1.4 統計的仮説検定
2.2 よく目にする3つのデータセットタイプ
2.2.1 表形式データ(テーブルデータ)とは
2.2.2 出来事の発生時刻を記録したデータ(点過程データ)
2.2.3 決まった間隔で測定・集計されるデータ(時系列データ)
2.2.4 時系列データの特徴
2.3 時系列データの種類
2.3.1 連続時間データと離散時間データ
2.3.2 単変量時系列と多変量時系列
2.3.3 等間隔データと不等間隔データ
2.4 時系列データの成分分解
2.4.1 趨勢
2.4.2 季節性
2.4.3 周期性
2.4.4 不規則変動
2.4.5 時系列データの成分分解
2.5 自己相関と偏自己相関
2.5.1 自己相関係数の定義と性質
2.5.2 偏自己相関係数の定義と性質
2.5.3 コレログラム分析
2.6 定常性の非定常性
2.6.1 定常過程
2.6.2 非定常過程
2.6.3 定常性の検定
2.6.4 定常化の手法
2.6.5 実践的な応用例
2.7 周期期間の検討方法
2.7.1 自己相関分析による周期期間の検討
2.7.2 スペクトル解析による周期の検討
2.8 相互相関とインパルス応答関数
2.8.1 多変量時系列データと時系列回帰
2.8.2 相互相関関数
2.8.3 インパルス応答関数
2.8.4 グレンジャー因果とその検定
2.9 時系列データの欠損処理
2.9.1 欠損データとは
2.9.2 欠損データの補完手法
2.9.3 実践例
2.9.4 欠損処理の注意点
第3章 時系列予測のための数理モデル
3.1 統計モデルとは
3.2 ARIMA系モデル
3.2.1 基礎モデル
3.2.2 AutoARIMA(自動ARIMA)
3.3 時系列回帰の数理モデル
3.3.1 時系列回帰モデルとは
3.3.2 見せかけの回帰問題
3.3.3 外生変数の種類
3.3.4 外生変数の制御と予測
3.3.5 時系列特徴量
3.3.6 テーブルデータ系数理モデルによる時系列予測
3.3.7 1期先予測と複数先予測
3.4 ARIMA系の時系列回帰モデル
3.4.1 ARIMAXモデル
3.4.2 RegARIMAモデル
3.5 状態空間モデル
3.5.1 状態空間モデルとは?
3.5.2 基本的な線形状態空間モデル
3.5.3 Pythonでの実装例
3.6 ベイズ時系列モデル
3.6.1 Prophetによるベイズ時系列モデル
3.6.2 PyMCによるベイズ時系列モデル
第4章 予測モデルの評価と検証
4.1 予測精度の評価指標
4.1.1 MAE(Mean Absolute Error:平均絶対誤差)
4.1.2 MSE(Mean Squared Error)
4.1.3 RMSE(Root Mean Squared Error)
4.1.4 MAPE(Mean Absolute Percentage Error)
4.1.5 R^2(R-squared:決定係数)
4.2 ホールドアウト法と時系列データ
4.2.1 ホールドアウト法とは
4.2.2 時系列データの場合のホールドアウト法
4.2.3 Pythonによる実装例
4.3 時系列のクロスバリデーション方法
4.3.1 通常のクロスバリデーション
4.3.2 時系列クロスバリデーション法
4.3.3 ホールドアウト×クロスバリデーション
4.4 残差分析によるモデル診断
4.4.1 残差分析とは
4.4.2 実施タイミング
4.4.3 残差を視覚的に確認
4.4.4 モデル診断に用いられる統計的手法
4.4.5 残差を用いたモデル改善の考え方
4.5 予測区間の算出
4.5.1 従来の予測区間算出手法
4.5.2 コンフォーマル予測の基本原理
4.5.3 時系列コンフォーマル予測
4.5.4 Pythonによる実装例
第5章 時系列予測事例
5.1 時系列予測と数理最適化の融合
5.1.1 時系列予測のメリットと限界
5.1.2 数理最適化との融合事例
5.1.3 2つの融合アプローチ
5.2 数理最適化問題・速習超入門
5.2.1 数理最適化とは
5.2.2 数理最適化モデリングの進め方
5.2.3 数理最適化ライブラリとその使い方
5.3 Python実装事例(需要予測と在庫最適化)
5.3.1 事例の概要
5.3.2 需要予測モデルの作り方の検討と予測の実施
5.3.3 需要予測結果を使った在庫最適化
付録A Python環境構築
A.1 Miniforgeとは?
A.2 Miniforgeのインストール手順(Windows向け)
A.3 仮想環境を使ったライブラリのセットアップ
A.3.1 仮想環境の作成と使用
A.3.2 仮想環境にライブラリをインストール
A.4 Jupyter Labのインストールと設定
A.4.1 Jupyter Labのインストールと起動
A.4.2 便利な拡張機能
A.5 仮想環境を使って複数プロジェクトを管理しよう
A.5.1 仮想環境の一覧表示・削除・コピー
A.5.2 環境のエクスポートとインポート
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