内容紹介
財政・金融政策の因果関係と波及効果の検証に焦点を当てた経済シミュレーション分析を解説!
本書は、伝統的な連立方程式回帰モデル(マクロ経済分野では、マクロ計量経済モデルなどと呼ばれる)の理論と構築のノウハウを解説しています。
前記モデルは、原因の変化に対する結果の応答を調べるシミュレーション分析が主になっており、そのような因果関係的シミュレーション分析(言い換えると、効果検証的なシミュレーション分析)に焦点を置き、回帰モデルの初心者にとっても、ベテランにとっても、役立つ解説となっています。
また、経済シミュレーション分析に焦点を置いていますが、その前提となるモデル構造が適切に特定化・推定できるよう、推定、仮説検定に大きなスペースを割いて解説しています。
本書で解説した理論の実践にあたり、優れたRパッケージでありながらあまり日本では広まっていない「bimets」を用いた分析方法を、初めてでもすぐに使えるよう解説しています。
このような方におすすめ
ツールを用いてシミュレーションを行っている一般の実証研究者/院生の計量経済学の教科書/卒業論文を書く段階の学部生/経済学部のゼミで使う参考図書
目次
主要目次
第1章 Rについて
第2章 連立方程式回帰モデルの構築
第3章 誘導モデルの推定
第4章 構造モデルの推定
第5章 Rによる連立方程式回帰モデルの推定
第6章 連立方程式回帰モデルにおける仮説検定
第7章 Rによる仮説検定
第8章 確定的シミュレーション分析
第9章 Rによる確定的シミュレーション分析
第10章 確率的シミュレーション分析
第11章 Rによる確率的シミュレーション分析
付録A:通常最小2 乗推定量の一致性証明
付録B:マーチンゲール中心極限定理
付録C:Rパッケージ「bimetsの関数
付録D:データの説明
詳細目次
まえがき
第1章 Rについて
1.1 はじめに
1.2 Rパッケージ「bimets」の紹介
1.3 必要なパッケージ
1.4 Rのアップデート
1.5 パッケージに収納されている関数の使用準備
1.6 パッケージに収納されているデータセットの読み取り
1.7 R に関する情報検索
1.8 練習用資料
1.9 名前に関する一般的な表記ルール
1.10 ラベル付き折れ線グラフの作成
第2章 連立方程式回帰モデルの構築
2.1 はじめに
2.2 IS-LMモデル
2.3 Kleinモデル
2.4 Kmentaモデル
2.5 回帰分析に関する基本的な用語と定理
2.6 線形回帰モデルとは
2.7 推定用モデルと分析用モデル
2.8 標準的な連立方程式回帰モデル
2.9 標準的な構造モデルとしてのIS-LMモデル
2.10 標準的な単一方程式回帰モデル
2.11 識別問題とは
2.12 識別の次数条件とランク条件
2.13 連立方程式回帰モデルのSURモデル表現
練習問題:Rへの橋渡し
第3章 誘導モデルの推定
3.1 はじめに
3.2 定常過程と和分過程
3.3 ホワイトノイズと独立ホワイトノイズ
3.4 回帰における正規分布の仮定
3.5 無相関と独立の関係
3.6 推定誤差に関する2つの基本仮定
3.7 説明変数と攪乱項の無関係性に関する数式表現
3.8 通常最小2乗推定法のための仮定
3.9 通常最小2乗推定法
3.10 モデル推定の適合度
3.11 攪乱項の分散推定
3.12 SURモデル表現と通常最小2乗推定法
3.13 通常最小2乗推定量の大標本特性
3.14 通常最小2乗推定法のまとめ
3.15 係数推定値の解釈
3.16 自己回帰構造に関する留意点
3.17 一般化最小2乗推定法
練習問題:Rへの橋渡し
第4章 構造モデルの推定
4.1 はじめに
4.2 議論の前提としての回帰モデル
4.3 操作変数推定法
4.4 2段階最小2乗推定法
4.5 制限情報最尤推定法
4.6 制限情報最尤推定法と2段階最小2乗推定法の比較
4.7 一般化モーメント推定法
4.8 3段階最小2乗推定法
4.9 完全情報最尤推定法
4.10 完全情報最尤推定法と3段階最小2乗推定法の比較
4.11 システム推定法と個別推定法の比較
4.12 構造モデルと通常最小2乗推定法
練習問題:Rへの橋渡し
第5章 Rによる連立方程式回帰モデルの推定
5.1 はじめに
5.2 bimetsの基本情報
5.3 bimetsの特殊性
5.4 bimetsによるモデル推定
5.5 bimetsからの出力の取り出し
5.6 systemfitの基本情報
5.7 systemfitにおける制約の付け方
5.8 systemfitによるモデル推定
5.9 lavaanに関するコメント
第6章 連立方程式回帰モデルにおける仮説検定
6.1 はじめに
6.2 仮説検定の基本情報
6.3 係数推定量の大標本特性
6.4 基本的な検定統計量
6.5 尤度比検定
6.6 ワルド検定
6.7 ラグランジュ乗数検定
6.8 系列無相関の検定
6.9 均一分散の検定
6.10 正規分布の検定
6.11 構造安定性の検定
6.12 小標本特性に基づく基本的な検定統計量
練習問題:Rへの橋渡し
第7章 Rによる仮説検定
7.1 はじめに
7.2 Rによる尤度比検定
7.3 Rによるワルド検定
7.4 Rによる系列無相関の検定
7.5 Rによる均一分散の検定
7.6 Rによる正規分布の検定
7.7 Rによる構造安定性の検定
7.8 Rによる仮説検定の基本操作
第8章 確定的シミュレーション分析
8.1 はじめに
8.2 予測の基本情報
8.3 静的シミュレーションと動的シミュレーション
8.4 予測の計算アルゴリズム
8.5 シミュレーションの選択肢
8.6 予測テスト評価のための統計量
8.7 サンプル内予測
8.8 仮説的データの作成
8.9 サンプル外予測
8.10 サンプル内の政策シミュレーション分析
8.11 サンプル外の政策シミュレーション分析
第9章 Rによる確定的シミュレーション分析
9.1 はじめに
9.2 R による仮説的データの作成
9.3 R によるサンプル外予測
9.4 R によるサンプル内の政策シミュレーション分析
9.5 R によるサンプル外の政策シミュレーション分析
第10章 確率的シミュレーション分析
10.1 はじめに
10.2 予測の信頼区間に関する考察
10.3 予測の信頼区間に関する計算法
10.4 予測の信頼区間に関する計算アルゴリズム
10.5 確率的予測
10.6 確率的政策シミュレーション分析
第11章 Rによる確率的シミュレーション分析
11.1 はじめに
11.2 Rによる確率的予測
11.3 Rによる確率的政策シミュレーション分析
付録
付録A:通常最小2 乗推定量の一致性証明
付録B:マーチンゲール中心極限定理
付録C:Rパッケージ「bimetsの関数
付録D:データの説明
練習問題の解答
参考文献
索引
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