内容紹介
調査・設計・施工・測定・保全まで、接地の全プロセスを体系化した現場必携の一冊。
本書は、接地の実務を体系的に解説する入門書です。
接地は、感電・火災・設備破壊といった事故を未然に防ぎ、雷害対策やノイズ対策などの設備の機能維持を行う重要な技術です。しかしながら、電気工事の現場では、その重要性が理解されていないことも少なくありません。さらに、重要性を認識して学ぼうとしても、専門書は高度な数式が多く、学習のハードルが高いのが現状です。
本書は、この課題を解決するために、感電メカニズムや雷害・ノイズ対策といった理論から、調査・設計・施工・測定・保全といった実務の一連の流れを、数式を極力使わずに平易に解説します。
この本を読むことで、接地の必要性を深く理解し、現場で役立つ知識と技能を無理なく習得できます。また、原理説明における数式は最小限としますが、設計に必要な計算は、本書内に計算している演習問題で習得できます。
<本書のポイント>
数式を極力使わず、平易な言葉と図で解説します。
理論や法規だけでなく、調査・設計・施工・測定・保全といった一連の実務プロセス全体を、体系的にカバーします。
演習問題と解説により、設計に必要な計算力も身につきます。
このような方におすすめ
◎ 主読者:電気設備・電気工事に関わる実務エンジニア(設計・施工・保守担当者)
〇 周辺読者:建築設備・プラントの設備管理者および技術者、電気主任技術者や各種試験の受験者、これから電気設備を学ぶ学生
目次
主要目次
1章 接地の基礎
2章 接地の役割と保護
3章 大地と接地抵抗
4章 接地のシステム構成と感電保護設計
5章 接地設計と接地調査
6章 接地の施工
7章 接地抵抗の測定
詳細目次
1章 接地の基礎
1.1 接地とは
1.1.1 接地の概要
1.1.2 接地の目的と構成
1.1.3 接地に関する法規と資格
1.2 感電のメカニズム
1.2.1 感電とは
1.2.2 人体に流れる電流の求め方
1.2.3 具体的な感電電流の計算例
1.3 接地と感電
1.3.1 接地抵抗と接地電位
1.3.2 等価回路で見る接地電位
1.3.3 感電時の接地の等価回路
1.3.4 等価回路で見る感電電流と接地の効果
1.3.5 保護装置による感電防止
1.3.6 定電流源に置き換えた接地の等価回路
コラム① B種接地工事はいつ、どのように規格化されたの?
1.3.7 電圧の分圧とは
1.3.8 分圧関係にあるB種接地とD種接地の等価回路
1.3.9 接地抵抗値の低減による影響
1.4 接地式電路と非接地式電路
1.4.1 接地式電路と非接地式電路とは
1.4.2 接地式電路の特徴
1.4.3 非接地式電路の特徴
1.4.4 接地式電路と非接地式電路の選択
2章 接地の役割と保護
2.1 接地と漏電遮断器
2.1.1 漏電遮断器とは
2.1.2 接地と漏電遮断器の関係
2.1.3 漏電遮断器で保護された電路と保護されていない電路に設ける接地の共用
2.2 混触に対する保護
2.2.1変圧器とは
2.2.2 混触とB種接地
2.2.3 中性点接地方式の種類
コラム② 150Vの電位の基準の根拠
2.3 さまざまな接地の目的
2.3.1 静電気対策用の接地
2.3.2 雷害対策用の接地
2.3.3 誘導障害対策用の接地
2.3.4 ノイズ対策用の接地
2.3.5 遮へい層の片端接地と両端接地
2.3.6 機能用接地
2.3.7 その他の目的の接地
3章 大地と接地抵抗
3.1 接地抵抗と大地抵抗率
3.1.1 接地抵抗とは
3.1.2 抵抗率とは
3.1.3 物質の抵抗率と大地抵抗率
3.2 抵抗区域とは
3.2.1 抵抗区域と接地抵抗
コラム③ 棒状接地極の大地電位の求め方
3.2.2 大地内の接地抵抗値の分布
3.3 大地における電位の分布
3.3.1 電位分布曲線とは
3.3.2 接地電位と抵抗区域の例
3.3.3 大地を流れる電流の経路
3.3.4 接地極間の電位分布曲線
3.4 抵抗区域と電位分布曲線を加味した接地抵抗の考え方
3.4.1 接地極同士の干渉とは
3.4.2 接地の直列抵抗
3.4.3 接地の並列抵抗
3.4.4 集合係数の要因
3.4.5 集合係数と抵抗区域
4章 接地のシステム構成と感電保護設計
4.1 単独接地と共用接地
4.1.1 単独接地と共用接地
4.1.2 単独接地の特徴
4.1.3 共用接地の特徴
4.1.4 単独接地と共用接地の選択
4.2 低圧電路の接地方式
4.2.1 低圧電路の接地方式とは
4.2.2 TT系統とは
4.2.3 TN系統とは
4.2.4 IT系統とは
コラム④ 最近の規格
4.3 構造体の接地利用
4.3.1 工作物の金属体を利用した接地工事(電気設備用の接地極)
4.3.2 構造体利用接地極(雷保護用の接地極)
4.3.3 免震構造の建築物
4.4 接触電圧と歩幅電圧
4.4.1 接触電圧と歩幅電圧
4.4.2 接触電圧の検討方法
4.4.3 基本的な感電対策
5章 接地設計と接地調査
5.1 接地工事の計画と設計
5.1.1 接地工事の流れ
5.1.2 接地の計画と設計
5.2 大地の特性と接地調査
5.2.1 接地工事のよくある問題
5.2.2 地質と地層
5.2.3 地質の種類
5.2.4 地質と大地抵抗率
5.2.5 地盤調査とN値
5.2.6 接地調査と大地パラメータ
5.2.7 接地調査の具体的な注意点
5.2.8 接地工事の必要性
5.3 接地抵抗値の変動
5.3.1 接地抵抗値の変動要因
5.3.2 大地抵抗率の変動要因
5.3.3 接地抵抗の変動の種類
5.3.4 接地抵抗値の変動事例
5.3.5 接地抵抗値の変動に伴う施工の注意点
5.4 接地電極の腐食
5.4.1 金属の腐食とは
5.4.2 土壌腐食の仕組み
5.4.3 土中における金属腐食の分類
5.4.4 接地電極における腐食の事例
5.4.5 接地電極の腐食対策
5.5 雷保護対策用の接地
5.5.1 雷保護対策と接地
5.5.2 法令で定められた避雷設備取り付け箇所
5.5.3 電気設備の設置と雷保護用の接地
5.5.4 雷保護用の接地極の分類
5.5.5 等電位ボンディングと雷等電位ボンディング
5.6 接地工法ごとの接地抵抗の計算
5.6.1 接地抵抗計算式の構成
5.6.2 接地抵抗の計算式
5.6.3 接地工法の比較検討例
6章 接地の施工
6.1 さまざまな接地工法
6.1.1 接地工事における施工品質とは
6.1.2 棒状の接地極の施工
6.1.3ボーリング工法による施工
6.1.4 板状接地極の施工
6.1.5 裸銅線を用いた施工
6.1.6 構造体接地の施工
6.1.7 各接地工法の併用
6.2 接地極と接地線の埋設
6.2.1 接地極と接地線の埋設に関する注意点
6.2.2 埋設物の確認
6.2.3 接地極の埋設深さ
6.2.4 接地極とほかの金属物との離隔
6.2.5 接地線の埋設
6.2.6 埋め戻しと転圧
6.3 接地線の工事
6.3.1 接地線とは
6.3.2 接地線の施工
6.4 接地抵抗低減剤の利用
6.4.1 接地抵抗低減剤とは
6.4.2 低減剤の利用目的
6.4.3 低減剤の必要性能
6.4.4 低減剤の成分
6.4.5 低減剤の種類と選定
7章 接地抵抗の測定
7-1 さまざまな接地抵抗計
7.1.1 接地抵抗測定のトラブル
7.1.2 接地抵抗測定の分類
7.1.3 簡易接地抵抗測定器(2極法)
7.1.4 接地抵抗計(3極法)
7.1.5 クランプ接地抵抗計
7.1.6 4端子法(3極法)による接地抵抗計
7.2 接地抵抗測定の原理
7.2.1 3極法の測定原理
7.2.2 2極法の測定原理
7.2.3 クランプ接地抵抗計の測定原理
7.2.4 4端子法の測定原理
7.3 接地分布曲線と接地抵抗値の良否判定法
7.3.1 補助極の適切な離隔
7.3.2 抵抗分布曲線の描き方と判定法
7.3.3 簡略的な抵抗分布曲線の確認法
7.3.4 正しい測定に関する追加の注意点
7.3.5 測定器の校正
7.4 接地抵抗測定のテクニック
7.4.1 屋上や地下にある接地端子での測定
7.4.2 補助極を打ち込む場所がないときの対応
7.4.3 補助極の接地抵抗値が高すぎるときの対応
7.4.4 接地端子間の導通試験
7.4.5 クランプ測定の応用
7.5 大規模接地極の接地抵抗測定
7.5.1 電圧降下法とは
7.5.2 電圧降下法の種類と測定方法の違い
7.6 接地の保全
7.6.1 新設工事時の保全計画
7.6.2 保全作業における注意点
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