内容紹介
過去の重大な自然災害と「特別警報」の関係をやさしくひも解く
特別警報は、重大な災害のおこるおそれがいちじるしく大きいことを警告する防災情報です。本書は、過去の大きな災害で発表された警報とそこで得られた教訓をひも解きながら、人命を守るために導入された特別警報について詳しく解説する書籍です。また平成25年8月の導入以降、相次いで発生した大きな自然災害に対して、特別警報が十分に効果を発揮できたかなど、その課題についても検証しています。
このような方におすすめ
気象業務関係者,自治体・企業の防災・災害対策・避難支援関係者。気象災害等に関心のある一般の方々、学生。
目次
主要目次
はじめに
第1章 特別警報の発表
第2章 特別警報はどのように伝えられるのか
第3章 気象業務と警報の歴史
第4章 過去の大災害と警報発表、その教訓
第5章 特別警報の課題とその改善
索引
詳細目次
まえがき
第1章 特別警報の発表
1・1 きっかけは平成23年台風12号と平成24年7月九州北部豪雨
1・1・1 特別警報のきっかけ(1)―平成23年台風12号
1・1・2 特別警報のきっかけ(2)―平成24年7月九州北部豪雨
1・2 平成23年新潟・福島豪雨のときに特別警報があったら
1・2・1 特別警報の発表基準
1・2・2 発表基準の検討(1)―平成23年新潟・福島豪雨
1・2・3 発表基準の検討(2)―平成16年新潟・福島豪雨と平成16年福井豪雨
1・2・4 発表基準の検討(3)―平成16年と平成23年新潟・福島豪雨の比較
1・3 特別警報の法律上の位置づけ
1・4 特別警報が発表されたら
1・4・1 国の対応
1・4・2 地方自治体の対応
1・4・3 住民の対応
1・5 最初の特別警報発表は平成25年9月近畿地方豪雨
第2章 特別警報はどのように伝えられるのか
2・1 特別警報発表から地方自治体,住民に届くまで
2・2 4種類の特別警報とその発表基準
2・3 特別警報にかかわる技術
2・3・1 緊急地震速報には3種類ある
2・3・2 津波警報と津波予報
2・3・3 火山ごとに異なる噴火の予知
2・3・4 大気現象の予測と数値予報
第3章 気象業務と警報の歴史
3・1 国の業務としての警報発表はクリミア戦争から
3・2 気象庁の業務の大きな柱は警報の発表
3・3 ラジオで広く気象情報が伝達されることで近海の海難が激減
3・4 昭和9年の室戸台風をきっかけにできた特報(現在の注意報)
3・4・1 室戸台風の特徴
3・4・2 室戸台風の被害
3・4・3 暴風警報の改正
3・5 スーパー警報に該当することがわかるように警報を運用してきた
3・5・1 長崎大水害と地域細分
3・5・2 記録的短時間大雨情報と見出し文のみの情報
第4章 過去の大災害と警報発表、その教訓
4・1 地震動
4・1・1 平成7年1月兵庫県南部地震
4・1・2 平成16年10月新潟県中越地震
4・1・3 平成19年7月新潟県中越沖地震
4・1・4 平成20年6月三陸内陸地震
4・2 津波
4・2・1 昭和58年5月の日本海中部地震
4・2・2 平成5年北海道南西沖地震
4・2・3 平成23年3月東北地方太平洋沖地震
4・3 火山
4・3・1 平成3年雲仙普賢岳噴火
4・3・2 平成12年有珠山噴火
4・3・3 平成12年三宅島噴火
4・4 気象
4・4・1 昭和29年5月の温帯低気圧
4・4・2 昭和34年伊勢湾台風
4・4・3 昭和38年1月豪雪
4・4・4 昭和56年1月の豪雪
第5章 特別警報の課題とその改善
5・1 平成25年10月の伊豆半島の大雨
5・1・1 平成25年10月 台風26号
5・1・2 伊豆大島の土砂災害
5・1・3 島だけの大雨では特別警報は発表されない
5・2 平成26年2月の山梨県と関東の豪雪
5・2・1 平成26年の寒冬
5・2・2 太平洋側の大雪
5・2・3 甲府の120年間の記録49cmを上まわる114cm
5・2・4 太平洋側の大雪では事実上特別警報が発表されない
5・3 平成26年の御嶽山の噴火
5・3・1 戦後最悪の火山災害
5・3・2 火山災害に対する特別警報のむずかしさ
5・4 低気圧による暴風特別警報はなかなか発表に至らない
5・4・1 気象庁が外出を控えるようにとよびかけ
5・4・2 低気圧による暴風雪特別警報は発表にならない?
5・5 10万人単位の避難勧告が相次いだ平成26年と特別警報
5・5・1 平成26年の気象災害
5・5・2 気象災害の変化
あとがき―将来の特別警報に備える―
索引
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