国土交通大臣賞

■開発背景
日本政府は2050年までに, 温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標を宣言. さらに, 2035年までに国内で販売される新車の100％を電動車にするという目標も掲げられている. しかし脱炭素社会が進むにつれ, 今後20年で電動車バッテリーの廃棄量は約７倍増, 太陽光パネルの廃棄量は約300倍増と予測されている. さらに電池の生産時に使用するレアメタルなどの地球資源の枯渇問題も社会課題となっておりリユース・リサイクルの促進が今後必須となる.

■特長・用途
　本製品は脱炭素社会の実現に貢献すべく, 業界で初めて車載用リユースバッテリーとリユース太陽光パネル（オプション対応）を活用した産業用太陽光自家消費蓄電池システムである.
①　受電設備, パワーコンディショナー, リユース活用した蓄電池をキュービクル筐体にワンパッケージ化することで, 省施工・省スペース・メンテナンス性に優れる.
②　リユースバッテリー, リユース太陽光パネル利用によりバージン品に比較して製造工程で発生するCO2やレアメタル使用量の削減, 導入コスト低減に寄与.
③　独自の充放電制御で太陽光発電の余剰エネルギーを効率よく蓄電でき, ピークカット, ピークシフトによりCO2・購入電力量を削減.
④　BCP対策として災害時に電源利用可能.

 

■安全性
①採用する蓄電池は, 高い信頼性と安全性を持つ日産リーフに搭載されている電池で「UL1974」という安全認証を受け再製品化したものを使用. 筐体構造を工夫し, そのまま車載搭載形状パックとして搭載することで安全性を確保.
②耐震強度の解析はもちろんのこと自社の耐震試験設備で実際の地震波形による試験を実施し, 製品の安全性を確認.

■その他
①リユースバッテリーは加速・減速といった蓄電池の急速な充放電を必要とする車載用途として役目を終えても定置用途ではまだまだ利用可能である. 劣化に関してはお客様の利用条件により, 劣化シミュレーションを実施し, 最適な蓄電池容量の提案が可能である.
②蓄電池をモジュール化することで蓄電池の交換や増設も容易にできる.
③遠隔で状態を監視できるシステムと組み合わせることで, 異常が発生した際には早期発見が可能.