■光測定は照度に加え色温度も
　省エネの重要性が高まり, 照明器具が白熱電球や蛍光灯からLEDへと入れ替わっている.  照明色が固定されていた旧時代の器具から, 色の調整ができるLEDへと変わってきた事で, 建築現場や改装案件での照明測定は照度だけではなく色温度の測定も求められるようになっている.  サーカディアンリズムという, 自然に近い光の環境で過ごすことで体内リズムを整えるという研究も進んでおり, リラックス空間や仕事の効率化にあわせた照明を選ぶこともできるようになった.  照明の色は暖色系, 寒色系を表す色温度と, 緑系とピンク系の色偏差で表すことができるが, セコニックの分光色彩照度計は照度だけではなく, この光の色やさらには質まで測定することができ, 建築照明に必須の機材となってくるはずだ.  
■重視される照明の物体色再現性
　照明器具には光の色だけではなく, 照明が照らす物体の色を正確に表現することができるかという, 質についても求められる.  これは演色評価指数という指標で表すことができ, CRIと呼ばれる評価指数が使われる.  CRIは15色の評価色に対し, 太陽光を100として, どれだけ太陽光に近い色再現性があるかを数字で表してくれる.  一般照明においては, 平均演色評価数で80以上が高演色に分類される.  セコニックの分光色彩照度計は, このCRI測定も搭載しており, さらにLED時代に対応した演色評価であるTM-30の表示も可能だ.  LED照明は世界中から様々なタイプが発売されており, 照明の質を見極めることも大切な仕事である.  
■見やすいグラフ表示と測定値
　セコニックの分光色彩照度計は数値の表示だけではなく, 分かりやすいフルカラーのグラフ表示が特徴だ.  タッチパネルを採用し, 直感的に操作ができる大型の画面を採用している. 
　産業用途向けに開発したC-7000と写真撮影や映画撮影の光調整用のC-800という2種類の機種が用意されている.  C-7000は1nmごとの分光放射照度データを取得でき, 色度座標グラフや光合成光量子束密度（PPFD）を始めとする多くの測定値を搭載している.  C-800は撮影照明やカメラの色フィルター調整などの機能が入っているが, C-7000と同じく, 照度, 色温度や色偏差, 演色評価指数の表示ができる.  どちらも分光方式の測定を行い, 大きさや重さは同等, 首振り機構も採用し, 角度をつけた測定でも画面を見たまま測定ができる.  高精度, 高機能の光測定をハンディな大きさに仕上げた, 使い勝手の良い測定器となっている.