内容紹介
アナログLSI回路の設計に必要な知識を網羅
初級技術者や学生を主対象に、アナログLSI回路の設計をするときに必要とする半導体や機能回路構成の知識を、実務的な観点からまとめたもの。
バイポーラアナログ技術に加え最近の技術トレンドであるCMOSアナログ技術についても解説。演習問題等で実務に結び付く知識を確認できる。
このような方におすすめ
・電気・電子系の大学専門課程の学生、大学院生
・LSI回路設計技術者・研究者
目次
主要目次
第1章 アナログLSI回路設計の変遷
第2章 半導体とトランジスタ回路の基礎知識
第3章 FETとその基本回路
第4章 バイポーラ集積回路とその構成要素
第5章 アナログ基本LSI回路
第6章 アナログ応用LSI回路
第7章 CMOS FETアナログLSI回路
第8章 雑音と熱
第9章 シミュレータによる回路設計
詳細目次
第1章 アナログLSI回路設計の変遷
1.1 半導体技術とアナログ回路
1.2 アナログ回路の分類
1.3 専用LSIとASIC
1.4 システムLSIとアナログ回路設計
1.5 オペアンプとアナログ回路設計
1.6 LSIの大規模化と回路設計手法
1.7 CMOSアナログ回路設計
第2章 半導体とトランジスタ回路の基礎知識
2.1 半導体の特徴
2.1.1 半導体の材料と種類
2.1.2 半導体材料としてシリコンが使われる理由
2.1.3 シリコン(Si)原子と半導体
2.1.4 N型半導体とP型半導体
2.1.5 バンド理論
2.1.6 真性半導体と不純物半導体
2.1.7 化合物半導体
補足 LEDとフォトダイオード
2.2 半導体の分類
2.2.1 用途による分類
2.2.2 構造による分類
2.2.3 ロジック系LSIの分類
2.2.4 ロジック系LSIの種類
2.2.5 メモリ系LSIの種類
2.3 アナログ回路設計の分類
2.3.1 ディスクリート素子によるアナログ回路設計
2.3.2 汎用アナログLSIを用いた回路設計
2.3.3 カスタムLSIとアナログ回路設計
2.3.4 アナログLSI回路設計
2.3.5 絶対精度と相対精度
2.4 トランジスタの動作原理と基本増幅回路
2.4.1 トランジスタの動作原理
2.4.2 バイポーラとユニポーラ
2.4.3 順方向電圧とエミッタ電流の関係
2.4.4 ベース幅変調(アーリー効果)
2.4.5 トランジスタの基本増幅回路
2.4.6 ベース接地増幅回路
2.4.7 コレクタ接地増幅回路 (エミッタフォロワ、バッファ)
補足 エミッタフォロアの出力インピーダンス
2.4.8 エミッタ接地増幅回路
例題 トランジスタ増幅器
第3章 FETとその基本回路
3.1 FET(電界効果トランジスタ)の動作原理と基本増幅回路
3.1.1 FETの動作原理
3.1.2 空乏層による電流制御(チャネル長変調)
3.1.3 接合型FETの主要パラメータ
3.1.4 特性によるFETの分類(エンハンスメント型とディプリーション型)
補足 FETとトランジスタの使い方相違点
3.1.5 ゲート構造によるFETの分類(接合型、ショットキー型、MOS型)
3.1.6 FETとトランジスタの比較
3.1.7 接合型FETと絶縁型FETの相違
補足 ECMとしてのFET
3.2 CMOS型FET
3.2.1 CMOS FETの概要
3.2.2 CMOSの構造
3.2.3 CMOSとロジック
3.2.4 CMOSインバータとラッチアップ
補足 サイリスタ
3.3 Bi-CMOS回路
3.3.1 Bi-CMOSの概要
3.3.2 Bi-CMOSロジック
3.3.3 Mixed Signal
3.4 FETの基本増幅回路
3.4.1 FETの3接地増幅回路
3.4.2 ソース接地回路
3.4.3 ゲート接地回路
3.4.4 ドレイン接地回路
例題 接合型FET増幅器
3.5 FET差動増幅器
3.5.1 Positive Rail差動入力回路とNegative Rail差動入力回路
3.5.2 FET差動増幅器
3.6 FETスイッチ回路
3.6.1 トランジスタスイッチとの比較
3.6.2 スイッチに適しているFETの種類
3.6.3 DRAMに使用されるMOS FETスイッチ
第4章 バイポーラ集積回路とその構成要素
4.1 バイポーラ集積回路の概要
4.2 NPNトランジスタとPNPトランジスタ
4.2.1 バイポーラトランジスタの基本構造
4.2.2 拡散濃度
4.2.3 埋め込み層
4.2.4 ラテラルPNPトランジスタ
補足 ラテラルPNPトランジスタの欠点
4.2.5 Vertical PNPトランジスタ
4.3 その他素子(ダイオード、抵抗、コンデンサ)
4.3.1 ダイオード
4.3.2 抵抗(拡散抵抗、イオン注入抵抗、ポリシリコン抵抗、金属被膜抵抗、シート抵抗)
4.3.3 コンデンサ(接合容量、MOS容量)
4.4 寄生素子
4.4.1 NPNトランジスタに寄生する素子
4.4.2 ラテラルPNPトランジスタに寄生する素子
4.4.3 CMOSインバータに寄生する素子
4.5 LSIの製造工程(ウェハプロセス)
4.5.1 集積回路の基本製造行程
4.5.2 バイポーラ集積回路の製造工程(ウェハプロセス)
第5章 アナログ基本LSI回路
5.1 基本回路(カレントミラー回路、差動増幅器、出力回路)
5.1.1 カレントミラー回路の原理
5.1.2 カレントミラー回路のいろいろ
5.1.3 差動増幅器の原理
補足 イマジナリショート
例題 バイポーラ差動増幅器
5.1.4 エミッタ抵抗のある差動増幅器
5.1.5 出力回路(エミッタフォロア、プッシュプル回路)
補足 A級増幅とB級増幅
5.2 演算増幅器(オペアンプ)
5.2.1 オペアンプの歴史と分類
5.2.2 フィードバックシステムとしてのオペアンプ
5.2.3 オペアンプの入力ダイナミックレンジ
5.2.4 オペアンプのオープンループゲインと利得帯域積
例題 オペアンプ回路:非反転増幅器
例題 オペアンプ回路:反転増幅器
5.2.5 オペアンプの内部回路
5.3 入出力Rail-to-Railオペアンプ(入出力フルスイングアンプ)
5.3.1 入力回路のRail-to-Rail化
5.3.2 出力回路のRail-to-Rail化
5.3.3 入出力Rail-to-Railオペアンプ
5.4 電圧源回路
5.4.1 ツェナーダイオードを用いた電圧源回路
5.4.2 電源電圧依存電圧源回路
5.4.3 バンドギャップ電圧源回路
5.4.4 ダイオードの温度特性とバンドギャップ電圧
5.5 電流源回路
5.5.1 電流源回路(その1)
5.5.2 電流源回路(その2)
5.5.3 差動増幅器と電流源の温度特性
補足 温度特性の計算例
5.5.4 エミッタ抵抗のある差動増幅器と電流源の温度特性
5.5.5 温度特性が平坦な定電流源回路
例題 バンドギャップ電圧源
第6章 アナログ応用LSI回路
6.1トランスコンダクタンス回路
6.1.1 集積回路の電流出力回路
6.1.2 増幅率設定、レベルシフト機能
6.1.3 複数信号の加減機能
例題 トランスコンダクタンス増幅器
6.2 双差動増幅器
6.2.1 同期回路(スイッチング)
6.2.2 周波数変換器
6.2.3 レベル可変機能
6.3 対数変換と指数変換
6.3.1 対数変換
6.3.2 指数変換
6.3.3 対数変換と指数変換の組み合わせ
6.4 スイッチ回路
6.4.1 入力信号切り替え用スイッチ回路
6.4.2 電流ON/OFF用スイッチ回路
6.4.3 小信号切り替え回路
6.5 フィルタ回路
6.5.1 フィルタの基礎
6.5.2 1次LPFの分析
6.5.3 ボード線図
6.5.4 複素平面と伝達関数の極と零点
6.5.5 1次LPFの極
6.5.6 1次HPFの分析
6.5.7 1次HPFの極
6.5.8 RC積分回路の時間領域解析
6.5.9 集積回路用フィルタ
6.5.10 ジャイレータの原理
6.5.11 高次フィルタ
補足
例題 2次バタワース特性LPF
第7章 CMOS FETアナログLSI回路
7.1 CMOS FETの電気的特性と基本増幅回路
7.1.1 CMOS FETの電気的特性
補足 バイポーラトランジスタとMOS FETの飽和・非飽和の違い
7.1.2 CMOS FETの相互コンダクタンス
7.1.3 CMOS FETのドレイン飽和電圧と非飽和領域
7.1.4 CMOS FETの基本増幅回路(ソース接地回路、ゲート接地回路、ドレイン接地回路)
7.2 CMOS FETアナログ基本LSI回路
7.2.1 CMOS FETによるカレントミラー回路
7.2.2 CMOS FETによる出力回路
7.2.3 CMOS差動増幅器
7.2.4 CMOSオペアンプ
7.2.5 CMOS Rail-to-Railオペアンプ
7.2.6 CMOS FETのカスケード接続
7.3 CMOS FETによる電圧源回路
7.3.1 バンドギャップ電圧源回路の原理
7.3.2 CMOSプロセスによるバンドギャップ電圧源回路
第8章 雑音と熱
8.1 雑音の種類
8.1.1 熱雑音
8.1.2 ショット雑音
8.1.3 1/f雑音(フリッカー雑音)
8.1.4 雑音エネルギーの合成
8.2 能動素子の雑音
8.2.1 接合型ダイオードの雑音
8.2.2 バイポーラトランジスタの雑音
8.2.3 接合型FETの雑音
8.2.4 MOS FETの雑音
8.3 増幅器と雑音
8.3.1 オペアンプの雑音
8.3.2 NF(雑音指数)
第9章 シミュレータによる回路設計
9.1 アナログLSIと回路シミュレーション
9.1.1 アナログLSIの設計工程
9.1.2 回路シミュレータによるアナログLSI設計
補足 開発ツール、CAD、Simulator、EDA
9.2 回路シミュレータ
9.2.1 回路シミュレータの定義
9.2.2 回路シミュレータの歴史
9.2.3 回路シミュレーションの利点
9.3 SPICE
9.3.1 SPICE
9.3.2 SPICEのアルゴリズム
9.3.3 SPICEの解析項目
9.3.4 SPICEの発展
9.3.5 SPICEで用いられる能動素子のモデル
9.3.6 非直線素子を含んだ回路解析
補足1 テイラー展開
補足2 Newton-Raphson法
9.3.7 過渡解析(時間軸解析)
9.4 シミュレーションの実際(例1)
9.4.1 回路図Editorとシミュレーション画面
9.4.2 トランジェント解析
9.4.3 周波数解析
9.4.4 階層化設計
9.5 シミュレーションの実際(例2)
9.5.1 回路図Editorとシミュレーション画面
9.5.2 電圧増幅率制御特性
9.5.3 トランジェント解析結果(制御特性)
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