内容紹介
豊かで、持続可能な「食」のために。 ― 食をめぐる16講義
私たちの「食」は「食品ビジネス」の発展とともに変化してきました。
本書は「食の外部化」がもたらした豊かさや便利さ、その多様な展開、
消費者の役割を軸に、第2版では新たに食育と貿易取引の講義を加え、
学生主体の実践的な学びもコラムとして紹介しています。
● 農学系・栄養学系・経済学系の大学1・2年次生、
● 農学系・栄養学系の進路をめざす高校生、
● 「食品ビジネス」に関心のある社会人に最適です。
※本書は2016年10月発行『人を幸せにする 食品ビジネス学入門』の改訂版です。
このような方におすすめ
農学系・栄養学系・経済学系の大学1、2年次生、農学系・栄養学系の進路をめざす高校生。
「食品ビジネス」に関心のある社会人。
目次
主要目次
オリエンテーション ― 「食」の変遷と近未来の「食」を考える
第 I 編 便利に楽しく豊かに ― 社会の変化とともに
第1講 食生活を変えたうま味調味料 ― 簡便化の実現と今後のゆくえ
第2講 即席麺登場 ― その発想の原点を探る
第3講 ファストでコンビニエンスな食生活 ― 時間は金なり?
第4講 海の向こうからやって来る ― ビジネスパートナーはどこ?
第5講 「香り」の魅惑 ― そのしくみと活用
第6講 いつまでも食べ続けたい ― 誤嚥・誤飲の対策
第 II 編 食の多様なあり方 ― 豊かさの先の食
第7講 アメリカ人は何を食べているのか? ― 飽食国家を覗いてみれば
第8講 インド人は何を食べているのか? ― 「神々」と「カースト」と「貧困」
第9講 スローフードとは何か? ― 食や農の多様性を守ることの意味
第10講 フードツーリズムがもたらす可能性 ― 食文化を対象とした新たな観光の実践
第11講 安全な食料生産 ― 有機農業と有機農産物
第12講 豊かな食料生産環境 ― 農村地域での宝物探し
第13講 食用油が世界を救う? ― その可能性と問題点
第 III 編 持続可能な食のために ― 「消費者」になる
第14講 なぜ食品偽装が起きる? ― 消費者はだまされたくない!
第15講 食について学び続けよう ― 切れ目ない食育をめざして
第16講 SDGsの世界で生きる ― 飢餓と食品ロスの併存は持続可能か
おわりに
人を幸せにする食品ビジネス学
参考文献/「食品ビジネス学」キーワード集
詳細目次
オリエンテーション ― 「食」の変遷と近未来の「食」を考える
本書でいっしょに考えたいこと
私たちの「食」はいつどのようにして形作られてきたのか
地球規模の新たな「食」の創造をめざして
社会科学と自然科学からのアプローチ
本書の構成
第 I 編 便利に楽しく豊かに ― 社会の変化とともに
第1講 食生活を変えたうま味調味料 ― 簡便化の実現と今後のゆくえ
おいしさと健康
新分野の開拓者、池田菊苗
うま味研究の着想とうま味調味料の製品化
積極的なマーケティング活動の展開
うま味調味料による「だし」のうま味の簡便化
「簡便・時短」の追求から「ポスト・コロナ」へ
● コラム ― 和菓子ビジネスで地方創生
第2講 即席麺登場 ― その発想の原点を探る
新食品即席麺へのチャレンジとテレビの普及
アイドルの魅力は即席麺の魅力
見えない技術 ― 即席麺のバラエティ化とイノベーション
失敗から誕生したスープ別添袋麺
カップ麺の開発を可能にした“中間保持製法” と“逆転の発想”
アイデア商品はプロダクト・アウトからマーケット・インへ
第3講 ファストでコンビニエンスな食生活 ― 時間は金なり?
マクドナルドは50歳
マクドナルドには同級生がたくさんいる
いつでもどこでも同じ味を提供できる理由
「早さ」「安さ」「手軽さ」は、好きですか?
フードがビジネスになった時代
この時代、何を食べたらよいのか?
● コラム ― カナダにみるフード・インセキュリティの現状と課題
第4講 海の向こうからやって来る ― ビジネスパートナーはどこ?
国境を越える食べ物
なぜ食べ物が国境を越える?
国境を越える食べ物を取り巻く貿易ルール決め
● コラム ― ローカルとグローバルの視点から「食を学ぶ」
第5講 「香り」の魅惑 ― そのしくみと活用
香りの利用は古代から
食べ物のおいしさは何で決まる?
香りが認知されるしくみ
香りを調べる
新しい分析技術が実生活に役立つ
香料産業のいまとこれから
第6講 いつまでも食べ続けたい ― 誤嚥・誤飲の対策
超高齢社会という新たなチャンス到来!
年齢を重ねると体はどうなる?
口から食べることが危険!? ― 安全に食べるために
そもそも「おいしい」って?
苦いフィルム!? スプーンですくえるたけのこ!?
アクティブシニアをつかめ!
● コラム ― 学生がひっぱる藤沢市の地産地消
第 II 編 食の多様なあり方 ― 豊かさの先の食
第7講 アメリカ人は何を食べているのか? ― 飽食国家を覗いてみれば
豊かな国、アメリカ。
アメリカの食文化はどうやって形成されたのか?
アメリカ人は肥満だらけ?
実際どのくらい食べているの? ― 供給熱量からみるカロリー
肥満の裏にあるもの ― 食品企業の戦略
「食」のレジャー化に対する政府の動き
第8講 インド人は何を食べているのか? ― 「神々」と「カースト」と「貧困」
インドから「食」の未来を考える
「スパイスがいのち」 ― 不思議の国「インド」の食文化
神々とベジタリアンの関係
カースト制度とハリジャンの食生活
「飢餓」と「肥満」
地球のキャパシティは何億人?
第9講 スローフードとは何か? ― 食や農の多様性を守ることの意味
スローフードのはじまり
作物や家畜の在来種や地域固有の加工品を守る
なぜ、伝統的な品種や加工品は消えようとしているのか?
テロワールと味覚教育
スローフードにおける質の高い食品を守るための基本戦略
スローフードから学ぶこと
● コラム ― 学生の主体性を生かしつつ現場から学ぶ
第10講 フードツーリズムがもたらす可能性 ― 食文化を対象とした新たな観光の実践
食と観光
地域の食文化がもつ多様な価値
活性化させるきっかけとしての観光
食文化を対象とした観光をつくるアクションリサーチ
フードツーリズムがもたらす地域への波及効果
フードツーリズムの実践事例
● コラム ― フードツーリズム論研究室のアクションリサーチ
第11講 安全な食料生産 ― 有機農業と有機農産物
「安全な食料生産」って?
近代農業の問題点 ― 農薬使用によるさまざまな影響
有機農業の「誕生」と有機農業者
有機農業の現状 ― 世界と日本
有機農産物認証の問題 ― 地球の裏側からのオーガニック
安全においしく、そして楽しく ― より安全な食料生産に向けて
第12講 豊かな食料生産環境 ― 農村地域での宝物探し
クリスマスのイチゴと農村地域
多様な農産物を届ける農村地域
豊富な資源をもつ農村地域
農村地域の今
農村地域での宝物探しのすすめ
第13講 食用油が世界を救う? ― その可能性と問題点
植物油の正体
軽油と似ている植物「油」
カーボンニュートラルなバイオ燃料
バイオ燃料生産と土地利用変化
バイオ燃料生産の現在地
環境問題を批判的に考えよう
● コラム ― SDGs を体感する
第 III 編 持続可能な食のために ― 「消費者」になる
第14講 なぜ食品偽装が起きる? ― 消費者はだまされたくない!
ほしい情報を得るのは難しい
情報を伝えることの難しさ
人間はミスをする ― 悪意はなくても事故は起こる
意図的に偽装されることもある
食品偽装の特徴
消費者の消費態度も偽装の要因
第15講 食について学び続けよう ― 切れ目ない食育をめざして
食の情報、どこから?
食育を支える政策
高校生と食生活教育
家庭科と食生活教育
フードリテラシーを育成する
食品ビジネス学の『種』を育てよう!
第16講 SDGsの世界で生きる ― 飢餓と食品ロスの併存は持続可能か
豊かさって何?
世界中の食べ物は潤沢か?
日本の廃棄物政策
食品廃棄物の実態
なぜ家庭からの食品廃棄は多い?
SDGs と向き合う消費者とは
おわりに
人を幸せにする食品ビジネス学
参考文献/「食品ビジネス学」キーワード集
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