2012年2月20日

『マスタリングTCP/IP 入門編 第5版』出来!(と改訂のポイント)

鹿野です。ついに2月25日発売の『マスタリングTCP/IP 入門編 第5版』が納品されてきました。キラキラしてます。

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こうして新刊が出るのはいつもうれしいものですが、おもえば自分がオーム社に入社したきっかけは本書の『第2版』みたいなものだったので、いつにも増して感慨深いです。私事ですみません。

私事ついでに、今回の改訂のポイントだと勝手に思い込んでいるところを紹介します。

現代的な利用環境に即して全体を見直しました

2007年の第4版から5年間で、「TCP/IP」という技術の中核は大きく変化していません。しかし、その利用環境はかなり変化しました。すでにIPv4アドレスの中央在庫はなくなり、イーサネットや無線LANの高速化は進み、インターネットへの接続方法はデスクトップから移動体端末へと比重が変化しています。そうした現代的な視点から旧版全体を見直すことにより、これからTCP/IPを学ぼうという技術者にとっていっそう理解しやすい解説になったはずです。

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技術の背景にある概念をより丁寧に掘り下げています

『マスタリングTCP/IP入門編』の分かりやすさは、解説する技術の前提になっている抽象的な概念につまずかないよう、さまざまな工夫が施されている点だと思います。「これくらいなら図がなくても分かるだろう」という話もきちんと図化したり、初心者がネットや他の入門書を見てひっかかるであろうポイントを事前にふさいだり、具体的にイメージしやすい例を示しながら「同じところ」と「違うところ」を説明したり。第5版では、その丁寧なつくりに磨きをかけました。「1.8 アドレスとは」というかなり根源的な節を新たに設けたのも、その一環です。

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構成をすっきりと見直しました

老舗の民宿などにいくと、時代に合わせた増改築の繰り返しで建物が迷路のようになってしまっていることがあります。『マスタリングTCP/IP入門編』も、迷路とまではいかないものの、IPv6が「第4章 IPプロトコル」に組み込まれていなかったり、データリンクの説明が時代を感じる内容だったり、以前より重要度が増しているDNSのような話が後ろのほうの章に入っていたりと、増改築を繰り返してきた老舗ならではの構成上の難がありました。第5版では、これを整理することも大きな目標の1つでした。特に、第4版では本全体にばらけていたセキュリティの話も一つの章に集約しました。全体に「ネットワーク回りについてこれだけは知っていてほしい」を体系的に学べる本になったと思います。

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分かりやすさと正確さへの配慮を追及

入門書では、初心者への分かりやすさを優先して、うそをつくことがあります。うそといっても、技術的に間違いとはいえない程度に「詳細をぼかす」程度の話なのですが、『マスタリングTCP/IP入門編』ではそうした「うそ」が極力ないように努力しています。本文で断定している話でも例外がある場合には傍注にきっちり明記するとか、分かりやすくするために詳細を省いている図はその旨を明記するとか。たとえば第5版では、TCPでやり取りされるデータについてより正確に理解できるよう、本文の図と実際のシーケンスとの相違を明記しました。

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教科書としての使い勝手を向上させました

ちょくちょく参照する情報を見返しに印刷したり、索引を全面的に見直したり、教科書としての使い勝手を左右する部分にもけっこう手が加わっています。すでに第3版や第4版をお持ちの方にもお勧めです :)

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もちろん、第4版に引き続きPDF版の発売も予定。(ただ、こちらには見返しの印刷は付きません。)

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