第119回ロボット工学セミナー『原理から学ぶ ロボットのための画像処理技術』(5/29開催) フェア・イベント 2019/04/04 第119回ロボット工学セミナー『原理から学ぶロボットのための画像処理技術』 が、2019年5月29日(水)に開催されます。 セミナー口上 ロボットによる高度な環境認識を可能とする画像処理技術は、ロボット工学の基礎技術の1つです。センサー・計算機の低価格化と画像処理ソフトウェアの普及によって、画像処理を専門としない技術者・研究者が何らかの形で、画像処理をシステムに組み込むことが一般的に行われています。しかし一方で、複雑・高度化する画像処理技術の全容を把握することは難しく、システム設計フェーズの「どういった画像処理技術を用いるべきなのか」といった疑問や検証フェーズの「パフォーマンスの改善のためにチューニングすべきパラメータは?」などさまざまな困難に直面する場面も多くなっています。本セミナーでは、こうした皆様の疑問に答えるべく、ロボットに必要不可欠な画像処理技術を原理から学ぶ機会を提供したいと考えています。この趣旨に沿って、今回のセミナーでは、原理から応用までを網羅するため、各講演に90分から120分の時間を割り当てており、ロボット工学セミナーとしては過去最長の野心的なセミナーとなっております。セミナーでは、3次元計測、3次元物体認識、SLAM、および深層学習による画像認識といった技術について、講師の方々にわかりやすくご紹介いただきます。 原理から学ぶ ロボットのための画像処理技術 開催日 2019年5月29日(水)10:00~18:30(開場9:30) 開催地 東京大学 本郷キャンパス 武田先端知ビル 5F 武田ホール (東京都文京区本郷7-3-1) 東京大学 [本郷地区キャンパスマップ(武田先端知ビル)] 東京大学武田先端知ビル VDECへのアクセスのご案内 最寄り駅: 「根津駅」(千代田線)徒歩5分 「東大前駅」(南北線)徒歩10分 「本郷三丁目駅」(丸ノ内線、大江戸線)徒歩15分 「弥生2丁目」(都営バス上60(上野-大塚駅前))徒歩1分 定員 会場参加:150名、ネット配信参加:50名 (どちらも先着順、定員になり次第締め切ります) オーガナイザー 荒井 翔悟(東北大学) 講演内容 第1話 カメラキャリブレーションが不要でいつでもズームやピント調整ができる高速・高精度3次元形状計測手法の紹介 福井大学 藤垣 元治 カメラを用いた非接触の3次元計測は、生産現場や医療や服飾などの分野だけでなく、ロボットの分野でも多く用いられている。本講演では、講演者らが提案しているカメラキャリブレーションが不要でいつでもズームやピント調整ができる「特徴量型全空間テーブル化手法」について、その原理を説明し、試作装置についても紹介する。従来の一般的な3次元計測の原理では、カメラのキャリブレーションが必須であり、その後にピント調整などはできないのが常識であった。しかし、考え方を少し変えて、撮影画像内の座標を用いずに3次元座標を求めるようにすることで、カメラキャリブレーションは不要となる。この手法を用いることで、振動に強い3次元計測装置が実現でき、凹凸面を走行するロボット等にも適用できるようになる。さらに注目点をズームすることなども可能となる。本講演では、3次元計測装置を小型化・高速化するために開発してきたラインLEDデバイスなども合わせて、デモンストレーションを交えながら紹介する。 第2話 ロボットのための3次元物体認識研究の現状と展望 中京大学 橋本 学 ロボットビジョン、とりわけ3次元物体認識に関して、基本的な技術を概観するとともに、最新の研究事例を紹介する。前半では、ロボットビジョン課題を整理するとともに、最近のセンサーの現状、特徴量ベースの特定物体認識など、汎用性の高い技術を中心に解説する。後半では、国際ロボット大会やナショナルプロジェクトへの参画経験を踏まえつつ、ロボットマニピュレーションのためのビジョン技術や、ロボットタスク自動生成を支援するための「機能認識」やその応用について、現在取り組み中の研究事例を紹介する。 第3話 SLAMの基礎とオープンソース 千葉工業大学 原 祥尭 自己位置推定と地図構築を同時に行う SLAM(Simultane-ous Localization and Mapping)は、移動ロボットに必須の基盤技術である。自律走行などの応用を対象として、実用化も進みつつある。 本講演では、多岐にわたる SLAM 技術の全体像を概観して整理する。SLAM 手法の基礎についてまとめ、応用事例も交えて説明する。各手法の特性を把握するためには、原理と位置付けの理解が欠かせない。全体像が分かれば、改良や発展の方向性も見えてくる。 また近年、LIDARを用いたLaser SLAMとカメラを用いたVisual SLAMでともに、オープンソースの手法が複数公開されている。つくばチャレンジでの自律走行における、これらの使用例についても紹介する。 実用化に向けて残された課題も多い。SLAMのオープンプロブレムについても言及する。 第4話 深層学習による画像認識の基礎と実践 (株)サイバーエージェント 山口 光太 深層学習用のソフトウェアフレームワークとそれを高速に実行するハードウェアが一般的になるにつれ、高性能な画像認識アプリケーションを手軽に実装することが可能となってきました。ツールの使い方は洗練されてきたものの、深層学習モデルは中身を解釈することが難しく、初心者が実際に使うにはいくつもの落とし穴があります。この講演の前半は初心者を対象として、深層学習の基礎となるニューラルネットワークの動作原理や学習手法、画像認識でよく使われるアーキテクチャについて一通り解説し、基礎知識の習得を目指します。また、クラス分類や回帰のような簡単な問題設定から、物体検出、セグメンテーションのように様々な画像認識の課題設定についても整理します。後半では画像認識の応用事例として、デジタル広告でのバナーのクリック数予測、広告メッセージの理解などの実践事例を紹介します。 参加申込は下記WEBページにアクセスの上、手続きをお願いいたします。 第119回ロボット工学セミナー『原理から学ぶ ロボットのための画像処理技術』(5/29開催) その他のセミナー開催情報は下記よりご確認ください。 日本ロボット学会 ロボット工学セミナー 本件に関する連絡先 一般社団法人 日本ロボット学会 ロボット工学セミナー係 〒113-0033 東京都文京区本郷2-19-7 ブルービルディング2階 TEL 03-3812-7594 FAX 03-3812-4628 seminar[at]rsj.or.jp([at]を@に置き換えてください)