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『ロボコンマガジン』休刊のお知らせ

ニュース 2019/08/16

 皆様にご愛顧賜って参りました小誌『ロボコンマガジン』は、諸般の事情により2019年9月号をもちまして休刊させていただくことになりました。読者の皆様には、誠に申し訳なく存じますが、事情をご賢察の上ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 1998年12月に創刊して以来、ロボットコンテストに参加するための情報、製作記事、またロボットコンテストのレポート記事を中心とした内容構成を基本として、さらに昨今のロボット・ドローン・人工知能(AI)の社会実装の実態など、話題のトピックスを扱い、多くの方々から励ましのお言葉やご支援をいただきながら刊行してきました。
 これまで小誌をご愛読いただき誠に有り難うございました。深く感謝申し上げます。
 ロボット・人工知能の分野につきましては、今後も関連書籍の発行などにより関わって参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
 皆様のますますのご清祥とご活躍を心より祈念申し上げ、休刊のご挨拶とさせていただきます。

2019年8月

株式会社オーム社

「ドローン産業応用のすべて」出版記念パーティ開催(2018/03/30)

ニュース 2018/04/09

 2018年2月、「ロボコンマガジン」本誌にもたびたびご登場いただいている野波健蔵先生(千葉大学名誉教授、株式会社自律システム制御研究所)の編著による書籍「ドローン産業応用のすべて ―開発の基礎から活用の実際まで―」が発行された。農業、インフラ点検、空撮、警備、物流といった各分野におけるドローンの利活用について、企業や各団体による導入事例、あるいは研究事例などを多数紹介しており、ドローンの今が凝縮された1冊だ。

 本書の出版を記念し、去る3月30日に「出版記念基調講演&パーティ兼会員大交流会」がJDC(一般社団法人 日本ドローンコンソーシアム)事業本部および産業促進委員会の主催により開催された。会場は株式会社シードプランニング(東京都台東区)。

 JDCの会長でもある野波先生による基調講演「ドローンの活用事例と将来展望~オーム社刊「ドローン産業応用のすべて」からのご紹介~」に始まり、続いて国の委員会活動報告、その後は本書の執筆者およびJDC会員の皆様にも数多くご登壇いただき、各人が取り組まれているプロジェクトなどについて解説いただいた。同会場では「ドローン産業応用のすべて」の臨時即売会も行われた。

 講演終了後には「大ビジネス交流会・懇親会」を開催。さまざまな分野の第一人者が意見を交換し、懇親を深め、盛況の内に会は終了した。


野波健蔵先生による基調講演

執筆者の1人、鈴木智先生(信州大)によるプレゼン
一般社団法人日本ドローンコンソーシアム(JDC)
http://www.jdc.or.jp/
「ドローン産業応用のすべて ―開発の基礎から活用の実際まで―」
野波 健蔵 編著/本体2,800円(税抜)/B5判 286頁
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274506840/

ハウステンボス、日本初!インテルのドローン・ライトショーを開催

ニュース 2017/06/27

 ハウステンボス株式会社とインテル・コーポレーション、株式会社hapi-robo stはインテルShooting Star ドローン・ライトショーを日本で初めて7月22日(土)から8月5日(土)にかけて開催することを6月23日、ヒルトン東京にて行われた共同記者発表会にて発表した。

 同ショーはこれまでに、オーストラリア、ドイツ、オーストリア、メキシコ、シンガポール、アメリカで開催されてきた。インテルのShooting Starは重さ320g、筐体はプラスチックと発泡体でできており、プロペラは保護ケージに包まれており、ライトショー向けにデザインされたものだ。インテルのライトショーは、1体1体の機体を操縦士が操作するのではなく、所定のプログラムに沿って組まれたシステムを数人のエンジニアが管理して行われるもので、音楽やアニメーションに合わせてドローンが動き、踊るエンターテインメント性溢れるものだ。

 本誌でも取り上げてきたとおり、ハウステンボスは、ロボットがメインスタッフの「変なホテル」を開業、「ロボットの館」「変なレストラン」と次々とロボットと人間の生活、エンターテインメントとの融合を図ってきた。また、今年2月には夜間のLEDライトの壮麗な演出のなか、ドローンレースを開催する(本誌2017年5月号記事を参照されたい)など、ドローンにもいち早く取り組んできた。今回はハウステンボ開業25周年企画の特別企画として、Shooting Star 300機がハウステンボスのハーバーエリア上空を舞い踊るという。

 共同記者発表会のなかで、富田直美氏(ハウステンボス株式会社 取締役&CTO 兼 株式会社hapi-robo st 代表取締役社長)は、「ずっと念願であった、ドローンを使った美しいライトショーをインテルの技術力が可能にしてくれる。ぜひハウステンボスに足を運んで楽しんで欲しい」と熱く語った。
 詳しい料金などは未定で、これからの発表となるが、期間中、3日は、併催されている花火大会とドローン・ライトショーの競演も予定されているそうだ。ぜひチェックされたい。

共同記者発表会には3社の代表が登壇。左から富田直美氏、澤田秀雄氏(ハウステンボス株式会社 代表取締役社長)、江田麻季子氏(インテル株式会社 代表取締役社長)、アニール・ナンデュリ氏(インテル コーポレーション ニューテクノロジー事業本部 副社長)。

Shooting Starの魅力を語るアニール・ナンデュリ氏

渋谷マルイのI.G.ストアに、コミュニケーションロボット「タチコマ」が登場。予約した商品の受け渡しをしてくれる

ニュース 2016/12/22

12月16日の本ブログでもお知らせしましたが、株式会社プロダクション・アイジーは、株式会社karakuri productsと協力して、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズのキャラクター「タチコマ」を活用した接客サービスの実証実験を開始します。実証実験の会場はプロダクション・アイジーのオフィシャルストア「I.Gストア」ならびに「I.Gストア出張店」となります。

これは、「攻殻機動隊S.A.C. 1/2サイズ タチコマ リアライズプロジェクト」の一環として進められるもので、すでに配信がはじまっているスマートフォンアプリ「バーチャルエージェント・タチコマ」で予約購入をした商品を、店頭にいるリアルエージェント・タチコマから受け取ることができるというものです。アプリでユーザーが育てたタチコマは、店頭のタチコマと同期させることができるので、自分が育てたタチコマと現実世界で会うことができます。親密な関係になっていれば、店頭のタチコマが名前を呼んでくれるかもしれません。

実際には、アプリで予約購入をしたあと、引取期限以内に店頭に行き、指定の場所にスマートフォンを置くことで、ユーザー情報がサーバーにアップされ、それがリアルエージェント・タチコマに送られます。リアルエージェント・タチコマはそれによりユーザーが予約購入をした商品を持ってくるそうです。

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アプリで商品を予約購入して、店頭に行き、指定の場所にスマートフォンを置きます。そうするとタチコマがその商品を持ってきてくれる、という手順になるそう。なお、タチコマは荷物を把持できないため、商品を載せた荷台を押して運んでくるということになるそう。

この実証実験は、経済産業省の平成28年度『ロボット導入実証事業』の一環として行われるものです。実験の目的としては、ロボットを活用することで店舗の集客や売上にどれだけ貢献するかの検証や、ロボットを活用するためのインフラの検証などを行っていくそうです。

実際にタチコマに会えるのは、以下の場所と期間になります。

■渋谷マルイ7階「I.Gストア」
 住所:〒150-0041 東京都渋谷区神南1-22-6
 期間:2016年12月23日-2017年1月15日(予定)
※商品受け渡しサービスの開始は12月23日から変更になっています(開始時期は現在調整中)。タチコマ自身は展示スペースにいるので、写真撮影などは可能です。

■アジア太平洋トレードセンター「I.Gストア出張店」
 住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10
 期間:2017年1月19日-1月30日(予定)

※2017年2月3日から2月12日までの期間でも、大阪での実験をと予定しているそうです。

コミュニケーションロボット「タチコマ」による商品受け渡しサービス実証実験が開始 アプリで育てた「タチコマ」が実店舗で接客

ニュース 2016/12/16

株式会社プロダクション・アイジーは、株式会社karakuri productsと協力し、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの人気キャラクター「タチコマ」を活用した接客サービスの実証実験を12月23日より開始する。

この実証実験は「攻殻機動隊S.A.C. 1/2サイズタチコマリアライズプロジェクト」の一環として進められるもの。内容としては、karakuri productsが12月16日より配信するスマートフォンアプリ「バーチャルエージェント・タチコマ」内で、タチコマをユーザーが育成する。そのタチコマを、店頭のリアルエージェント・タチコマに同期させることで、自分が育てたタチコマと現実世界で会うことができるというもの。具体的には、以下のような内容となる。

「バーチャルエージェント・タチコマ」
スマホ上のタチコマに、テキストや音声を使って言葉をなげかけることで、タチコマのメモリを解析、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」劇中の記憶を、スマホ上のタチコマに取り戻すという内容。劇中の名台詞などをタチコマの声で楽しめる。
また、タチコマとの会話やユーザーの行動により性格が変化し、タチコマが拾ってきたアイテムの一部で、タチコマ自身をデコレーションすることもできる。ユーザー好みのタチコマが育成できる。

リアルエージェント・タチコマによる接客の実証実験
アプリ内では、タチコマから「I.Gストア」ならびに「I.Gストア出張店」の商品の予約が可能で、商品を予約し、キャンペーン期間中にお店に行くと、店舗内のリアルエージェント・タチコマとバーチャルエージェント・タチコマが同期することができ、ユーザーが育てたタチコマから予約購入商品を受け取ることができる。

【実施店舗・期間】
■渋谷マルイ7階「I.Gストア」
住所:〒150-0041 東京都渋谷区神南1-22-6
期間:2016年12月23日-2017年1月15日(予定)

■アジア太平洋トレードセンター「I.Gストア出張店」
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10
期間:2017年1月19日-1月30日(予定)

※2017年2月3日から2月12日までの期間でも、大阪での実験をと予定している。

「リアルエージェント・タチコマ」
仕様:アプリ連携型 コミュニケーションロボット「タチコマ」
サイズ:約1500×1400×1100mm
重量:約65.0kg
制御:テレオペレーション方式、半自律制御

「バーチャルエージェント・タチコマ」
デベロッパ:株式会社karakuri products/株式会社カヤック
対応OSバージョン:iOS9、iOS10
対応端末:iPhoneSE/6/6s/6 Plus/7/7 Plus
料金:無料(App内課金あり)
ダウンロードURL
https://itunes.apple.com/us/app/id1179820147?ls=1&mt=8

羽田空港でロボットの公開実験が開始 「Haneda Robotics Lab」第1期採択事業者17社のロボットが登場

ニュース 2016/12/15

羽田空港を管理・運営する日本空港ビルディング株式会社は、政府がすすめている「改革2020」プロジェクトの取組みのひとつとして、国土交通省および経済産業省と連携して実施する「Haneda Robotics Lab」を開設し、ロボットの技術検証を目的に羽田空港でロボット(プロトタイプも含む)の実験導入を行う「羽田空港ロボット実験プロジェクト2016」を開始。9月より公募を行い(9月20日?10月13日)、第1期の採択事業者を決定、12月14日に発表した。採択された17社のロボットは、12月15日から羽田空港国内線第2旅客ターミナル 出発ロビーでの実証実験に参加する。

haneda_all.jpg記者発表に参加したロボット(15台)と羽田空港の従業員のみなさん

今回公募されたのは清掃ロボット、移動支援ロボット、案内ロボットの3つのカテゴリー。応募数はカテゴリー全体で23社あったそうだ。採択されたのは、清掃ロボットが4社、移動支援ロボットが5社、案内ロボットが8社。具体的には以下のようになる。

【清掃ロボット】
「F.ROBOCLEAN」フィグラ株式会社DSC_0370_web.jpg

「ROBO Cleaper」中西金属工業株式会社DSC_0521.JPG

「SE-500iXII」アマノ株式会社DSC_0499.JPG
「Windowmate」NGP-FOTEC株式会社DSC_0446.JPG

【移動支援ロボット】
「CarriRo」株式会社ZMPDSC_0438.JPG

「INMOTION R1EX」株式会社A.M.Y.クリエイティブDSC_0466_web.jpg

「TUG」株式会社匠

「UNI-CUBβ」本田技研工業株式会社DSC_0510_web.jpg

「WHILL NEXT」WHILL株式会社DSC_0496_w.JPG

【案内ロボット】
「Airport Concierge CAIBA」株式会社インディ・アソシエイツDSC_0532_web.jpg

「Double2」BRULE Inc.DSC_0460_web.jpg

「EMIEW3」株式会社日立製作所DSC_0535_web.jpg

「MINARAI」株式会社NextremerDSC_0526_web.jpg

「Pepper」ソフトバンクロボティクス株式会社DSC_0479_web.jpg

「SQ-1H」SEQSENSE株式会社DSC_0437_web.jpg

「Reborg-X」ALSOK総合警備保障株式会社

「RoBoHoN」シャープ株式会社DSC_0530.JPG

実証実験の実施期間は2016年12月15日から2017年2月13日までを予定している。カテゴリー別に期間が分かれており、清掃ロボットは12月15日から12月22日まで、移動支援ロボットは1月10日から1月23日まで、案内ロボットは1月24日から2月13日までとなっている。場所は羽田空港国内線第2旅客ターミナルの出発ロビー(2階)の南側。保安検査場Dの近くに設置されている実験エリア(面積は約400平方メートル)で行われる。実施時間帯は基本的に10時から16時30分。
実験内容は、空港という不特定多数の利用者が行き交う公共機関での実運用を想定し、ロボット自体の安全性、公共機関での稼働についての安全性、導入効果の検証の3つのフェーズを想定している。
例えば、フェーズIのロボット自体の安全性についての実験は、事業者による操作で、室内や夜間のターミナル内における稼働テスト(走行安全性)を行う。デモ審査を通過すればフェーズIIの公共機関での稼働についての安全性についての実験に移り、日中のターミナルで、事業者だけではなく、空港従業員による操作で稼働テスト(走行安全性)を行う、といった内容になる。

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「Haneda Robotics Lab」の2020年までの活動計画(全体イメージ)

「Haneda Robotics Lab」プロジェクトがはじまった背景として、羽田空港の旅客数が増えており、特に国際線のニーズが増えたことで海外からの旅客が増加、より多様なサービスを求められるようになっているという状況がある。それにしたがって、羽田空港全体の従業員数も増えてきているが、日本は労働生産人口の減少が予想されており、ロボット技術の活用による課題の解決が期待されているのだ。
プロジェクトの目的としては、日本の玄関口である羽田空港から、日本の技術を発信すること、空港利用者に対して、安心・安全・便利を前提とした良質なサービスを提供すること、空港の従業員がより健康的に働きやすい環境を作り出すこととしている。その先には世界に先駆けた、空港におけるロボット技術活用の未来図」、つまり新しい空港運営の未来像を作り出したいとのこと。
実証実験を通じてロボットが活用できる領域がどこなのかを研究し、利用者の利便性と生産性の向上が期待できる作業はロボットを導入、人間が行うことで利用客が安心感を得られる業務や、人間の感覚を必要とする業務には人的資源を集中させ、サービスの品質を向上させたいと考えているそうだ。また、人間とロボットが協力して行うほうが良い業務についても精査していく。
将来的にはサービスレベルの向上だけでなく、コストの削減にもつなげたいとしている。専門的なスキルを持つスタッフが、長く働くことができる環境を作り、人材流出の防止や、再雇用、再教育にかかるコストを最小化するために、ロボットを活用したいと考えているとのこと。
そのため、現在あるさまざまなロボット技術を、年間7500万人以上の利用者がいる羽田空港という公共空間で実験を行い、国と連携することでルールを策定することを目標としている。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には、空港内でロボットが利活用されている状態を目指していくとのこと。

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2020年の実現を目指している、空港内でロボットが利活用されているイメージ

早稲田大学、広島大学の医工連携により開発された密着型歩行補助装置「RE-Gait(リゲイト)」10/17より発売開始

ニュース 2016/10/14

10月4日、介護施設の運営展開と医療機器・福祉用具販売を手がける株式会社オリジンは、早稲田大学理工学術院大学院情報生産システム研究科 田中栄一郎教授と広島大学大学院医歯薬保険学研究員 弓削類教授株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズの共同研究成果を使って開発された密着型歩行補助装置「RE-Gait(リゲイト)」を10月17日より発売すると発表した。販売の対象は医療機関や福祉施設となる。

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「RE-Gait」を装着した状態。上の写真ではズボンの上から装着しているが、下の写真のように装着するのが通常だろう。

 

RE-Gaitは足首の関節をサポートすることで、正常歩行に導くことができる。装着器具は足首のみの装着で、スボンの裾に収まる程の大きさ(約W300×D140×H365mm)、片足で約1kgという超軽量(腰に装着する制御ボックスは別で、こちらの重量は900g)が特徴。サイズは足のサイズ(靴のサイズ)に応じて展開されており、S(20?22cm)、M(23?25cm)、L(26?28cm)の3サイズ。靴底(足の指の根元が当たる部分と、かかとが当たる部分)にセンサーが搭載されており、ここから取得するデータをもとに最適な歩行プログラムを設定する。主な対象は脳卒中後の片麻痺患者。片麻痺患者の場合、麻痺のない片方の足は正常な歩行動作ができることもあり、麻痺のない足の歩行動作に合わせるかたちで、麻痺した足のアシストプログラムをタブレットで設定する。設定したプログラムの歩行パターンを足裏の地面の接地状態に応じて、装着器具が歩行中の足首の動作を補助、適切なタイミングでつま先の上げ下ろしができるようにする。
歩行補助プログラムを設定するソフトウェアでは、歩行1周期の足関節の動作をグラフで表示でき、歩行動作の主要な5箇所の点と足が地面から離れるタイミングをタッチパネルで簡単に調整できる。
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アシストプログラムを設定するタブレット

 

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腰に装着する制御ボックス

 

田中教授が歩行補助ロボットの開発をはじめたのは2003年。当時は東京都立航空工業高等専門学校(現・東京都立産業技術高等専門学校)に所属していた。その後、2007年に芝浦工業大学へ移り、開発を続けていたが、当時は足全体を持ち上げる大掛かりな装置を製作していたそうだ、それが2008年に弓削教授と医工連携を開始し、議論を重ねることで、「極力小さく軽く目立たないものを作る」「歩きたくてもうまく歩けない麻痺患者を救う」という2点を目標に定めたという。
とはいえ、当初から足首のみの補助を目指していたわけではなく、実際に足首のみの補助をコンセプトとした装置の開発をはじめたのは2010年から。足首だけを補助すれば、足が上がると提案したのは弓削教授。片麻痺患者によく見られる、分回し歩行(麻痺側の足を外側に大きく回し、前に振り出す歩行)はつま先が上がらないゆえに、足を骨盤から引き上げて歩行しようとし、足の外転が広くなるとのこと。人体の構造上、足首の関節を補助すれば、膝関節や股関節は曲がり、足が上がるそうだ。実際に足首のみを補助する装置を装着して実験も行い、被験者の足が上がることも確認したという。

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RE-Gaitの開発の変遷。

 

RE-Gaitの将来の高層としては、歩行中の感情評価を制御に反映してリハビリでの不快感の低減や、興奮しすぎない程度の運動促進を行うという、フィジカルとメンタルを融合させたサポートも考えているそうだ。また、患者の状態や目標、実測などのデータをクラウドに蓄積、それらをもとに分析し、早期に回復しやすい目標設定方法などの情報を共有すしたいとしている。
また、シンプル版(RE-Gait Light)も開発中であり、高齢者の運動促進や、健常者には観光地、景勝地などでの貸出を検討しているとのこと。

発売(受注)開始は最初に記載したように10月17日から。納期としては3ヶ月程度のとのこと。販売経路としては、オリジンから全国の販売店を通じて医療機関や福祉施設への販売と、オリジンがフランチャイズ展開をしているリハビリ型デイサービスでの活用が予定されている。

トヨタ自動車、KIROBO miniの発売を発表。CEATECでは体験ブースも

ニュース 2016/10/13

トヨタ自動車はコンパクトなサイズで、ここを通わせるコミュニケーションパートナー「KIROBO mini」の発売を発表した。2017年に全国のトヨタ車両販売店を通じて発売する予定。全国販売に先立って、今冬には東京都と愛知県の一部販売店で先行販売を計画しており、Webによる事前予約の受付を予定。本体予定価格は税抜39,800円。

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「KIROBO mini」

 

「KIROBO mini」は座った姿勢で高さが10cmで手のひらに収まるサイズで、腕が左右で2自由度、頭部が2自由度の合計4自由度。うなづく動作と、左右に首を振ることができ、話しかけた相手の方向に顔を向け、うなづいたり腕を振ったりする。目の部分のLEDが点滅することで瞬きを表現。お尻の部分のが特徴的で、やや球面になっているため、座らせたときにゆらゆらするのがさらに愛らしさを醸し出している。

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「KIROBO mini」のお尻の部分。平らではなく、若干球面になっているので、座った時に安定せず、ゆらゆら動く。

 

さまざまなしぐさや会話は、「KIROBO mini」と専用アプリをインストールしたスマートフォンを、Bluetoothでつなぐことで実現(専用アプリの使用料は月額300円程度)。本体に搭載したカメラで人の表情を認識、感情を推定しながら人の気持ちに寄り添った動作や会話を行うことができる。また、コミュニケーションを通じて、人の好き嫌いや、一緒に行った場所を覚えることができ、会話を続けるうちにその人に合わせた会話をするようになる。
専用のクレードルもある。車ではカップホルダーに乗せることができ、カバンのポケットなどに入れることで、外出先でも一緒に過ごせるようになっている。

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クレードルに入った状態

 

「KIROBO mini」はトヨタの「人に寄り添い、心を動かす」という理念をクルマとは違う形で表現した新しいモノづくりのチャレンジ「TOYOTA HEART PROJECT」の一環として推進し、具現化したものという。
なお、10月4日から7日まで幕張メッセで開催される「CEATEC2016」でトヨタ自動車はブースを出展。「KIROBO mini」を体験することができる。一足先に体験してみてはいかがだろうか。

リバネスが浜野製作所と資本提携、テクノロジーベンチャーのものづくり支援をさらに加速

ニュース 2016/09/06

研究開発事業や教育開発事業、人材開発事業等を展開している株式会社リバネスが、板金・プレスを中心とした金属加工業の株式会社浜野製作所に出資、モノづくりの技術やノウハウを必要とするテクノロジーベンチャーを対象としたものづくり支援のプラットフォームを拡大していくことに同意した。2016年9月2日に記者会見を行った。

DSC_0115.JPG左から、株式会社浜野製作所 代表取締役の浜野慶一氏、株式会社リバネス 代表取締役CEOの丸幸弘氏、株式会社チャレナジ 代表取締役CEOの清水敦史氏。皆さんが手に持っているのがチャレナジーが開発、現在実験を行っている「垂直軸型マグナス風力発電機」の模型。

浜野製作所は、産学連携による新しいものづくりにも取り組んでいる。有名なところでは、深海探査船「江戸っ子1号」の開発や日本テレビで放送された「リアルロボットバトル日本一決定戦」にロボットを製作して参加したなどの実績がある。2014年にはものづくりベンチャー等と町工場をつなぐハブ機能を持った「Garage Sumida(ガレージスミダ)」を開設し、ものづくりベンチャーを設計・試作の面でも支援している。
一方リバネスは、2013年より科学・技術を活かした新たな事業の創造を目指すベンチャー企業の発掘、育成を行うシードアクセラレーションプログラム「TECH PLANTER」を展開している。その中で、知識やアイデアがあっても、形にするものづくりの技術やノウハウが不足しているスタートアップ企業を支援するために、2014年に浜野製作所と業務提携を行い、「Garage Sumida」を主な拠点とし、さまざまなベンチャー企業の試作品開発や量産化のサポートを行ってきた。
なお、この2社はこれ以前の2012年より、研究者向けの研究機器の共同開発や、研究者向けの受諾開発事業を行っている。

今回、今までの業務提携だけではなく、資本提携としたのかについて、そのきっかけとして、株式会社リバネス 代表取締役CEOの丸幸弘氏は、日本がもっとも強いのは何かを考えたときに、ものづくりをもう一度見直すべきではないか、と考えたそうである。
丸氏は、日本の研究はまだ高いレベルにあるが、表に出すのがうまくないと感じ、また町工場が衰退し、減っている現状で、匠の技術が残っている現在はまだよいが、10年後にはいなくなってしまうのではないかと危機感を持ったそうだ。シンガポールやマレーシア、アメリカなど、海外にも拠点を持つリバネスは、日本だけでなく海外の研究者や企業家たちが欲しがっているものを日本の町工場の技術を活用して開発する、ということを考えている。しかし単に日本でモノを作るというだけではなく、「Garage Sumida」やインキュベーターを利用して、日本で会社を設立し、日本で上場して、その技術や製品は海外マーケットへ輸出をするという流れを考えているそうだ。日本だけでなく海外のアントレプレナーに、日本で会社を興してもらい一緒に技術や製品を開発し、それを海外に持って行ってそこの課題を解決する、これが本当のグローバル化ではないかと丸氏は語った(インバウンドグローバライゼーションと呼んでいるそうだ)。リバネスとしては、海外に行き、日本の町工場の技術をプレゼンテーションする役割を担うという。開発や会社登記を担う浜野製作所とは今後の展開を考えたときに、より一体化しての対応が必要になると考え、今回の資本提携に至った。具体的にはリバネスが浜野製作所に500万円を出資することになる。

今回の資本提携について、株式会社浜野製作所 代表取締役の浜野慶一氏は、町工場のように、鋳物や金型、溶接等といった、モノを作るときの基盤となる技術を持つ会社は一度なくなると、先進国で復活させるのは難しいということ、それなのに町工場は減ってきており、若者の参入が少ないため、後継者不足で廃業となる会社が少なくない現状に危機感を持っていたそうだ。自分たちの世代で、次世代に残していかなくてはならないと考えたそうだ。これからの社会を生き抜いていくには、業界業種、地域を超えた企業と連携をしながら、元の資本のところから新しい道にチャレンジしたほうがいいかと考え、資本提携をリバネスに申し込んだという。今後もスタートアップベンチャーを一緒にやっていくそうだ。現在、「Garage Sumida」には6社のベンチャーが入居しており、ロボット系の企業が多いという。今後は医療や宇宙開発といった分野も手掛けていきたいとのこと。ただ「Garage Sumida」は12社が限界とのことで、別にインキュベーションビルを建てて、20?30社が2?3年で入れ替わっていくようにしたいとのこと。

今回の記者発表では、「TECH PLANTER」を通じてリバネスと浜野製作所がものづくり支援、経営支援を行っているベンチャーである株式会社チャレナジーの代表取締役CEOの清水敦史氏も出席、現在沖縄で実験を行っている、プロペラのない次世代風力発電機「垂直軸型マグナス風力発電機」の紹介や、サラリーマンだった清水氏が福島第一原発の事故をきっかけに、風力発電にイノベーションを起こそうと思い、現在に至る経緯を説明した。リバネスも浜野製作所も、このようなものづくりの関わるベンチャーを支援していきたいと語っていた。

NTT東日本、クラウド型ロボットプラットフォームサービス「ロボコネクト」を9月1日より提供開始

ニュース 2016/08/31

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介護レクのコンテンツの一つ、花の名前クイズ

 東日本電信電話(NTT東日本)は8月30日にアーバンネット大手町ビルにてプレス説明会を開催して、9月1日より「Sota」を活用した、クラウド型ロボットプラットフォームサービス「ロボコネクト」を提供開始すると発表した。
 NTT東日本 ビジネス開発本部 第三部門 未利用層開拓担当 担当課長の菅光介氏のプレゼンテーションによれば、インターネットの利用率は13?59歳では各階層で9割を超えているが、60歳以降ではかなり利用率が下がり、60歳以降のインターネットの未利用層は同社が客層として開拓できていないため、ここにあてたサービスを検討するなかで、介護施設向けのサービスの方向性が生まれ、介護施設において介護支援・要介護層へのロボットを援用したサービスを検討してきた結果が今回の提供開始とのことだ。
 介護施設において顕在化している課題の一つに、介護者と被介護者のみでのコミュニケーションには限界があり、高齢者のQOL向上やリハビリ効果に欠かせない介護レクリエーション(介護レク)についても介護者の負担が大きく、介護を受ける高齢者の集中力が長くは続かないということがある。「ロボコネクト」はテレビ、ロボット「Sota」を連動させた形で介護レクコンテンツ(現在、48種類)を提供することで、介護者と被介護者の間を「Sota」がとりもちながら、楽しく飽きさせずに高齢者が介護レクに親しめるサービスを提供して、さきの課題の解決を図ろうとするものだ。提供開始に先駆けて、2015年8月?11月にわたり、実際の介護施設においてトライアルを行いアンケートをとったところ、介護する職員の負担軽減は88%の職員が実感、高齢者の積極性の向上は96%の職員が実感、高齢者、特に認知症患者の状態を表すME値は2倍に向上した、との結果だった。
 「ロボコネクト」の主な3つの機能は、?コミュニケーション機能(例えば、使用者が天気を質問すれば、クラウドとつながっている「Sota」が答えてくれる)、?カメラ撮影機能(使用者の思い出の写真などを撮影、一覧管理可能)、?遠隔対話機能(例えば、使用者が使用者の孫と「Sota」を通じて会話することが可能)だ。
 9月1日の提供開始以降、2016年度中に250?300施設への導入を見込んでおり、今後は約7万件ある介護施設のうち、約1万件の施設に導入されるよう展開していきたいとのこと。
 月額利用料など詳細は、https://flets.com/roboconnect/を参照されたい。