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ロボマガTopics

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IRIDシンポジウム2016 in 東京

ニュース 2016/08/19

2016年8月4日、東京大学 武田先端知ビル5階の武田ホールで、技術研究組合 国際廃炉研究機構(IRID)主催による「IRIDシンポジウム2016 in 東京」が開催された。午前中に開催された第1部は講演が行われ、午後の第2部はロボット展示やデモ、パネル展示が行われた。
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第1部では、IRIDの剱田裕史理事長からの挨拶の後、来賓として経済産業省 資源エネルギー庁原子力事故災害対処審議官の平井裕秀氏より挨拶があった。

それに続いて、東京電力ホールディングス株式会社 常務執行役の増田尚宏氏より「福島第一原子力発電所の廃炉を取り巻く状況と課題」という題で講演が行われた。増田氏は、福島第一原発の現在の状況や、作業環境について紹介したあと、汚染水対策、使用済み燃料プールからの燃料取り出し、燃料デブリの取り出しについての説明があった。原発の4号機はすでに使用済燃料プールからの燃料取り出しが完了しているが、1?3号機はこれからだ。ただ、各号機とも安定した状態は継続していること(水位や圧力、温度などのプラント・パラメーターは24時間365日の監視を継続中)、海域のサンプリングやモニタリングにより、大気中への放射線物質放出量や、港湾内外の放射線濃度は大幅に低減しているそうだ。

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福島第一原子力発電所 1号機から4号機の現状

 

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廃炉計画のロードマップ

 

なお、福島第一原発では現在でも1日あたり約6000人の方が働いているが、除染作業も進んでおり、管理区域を区分けすることによって、作業員の装備の軽装化も進んでいる。まだフルフェイスマスクが必要なところもあるが、ハーフフェイスマスク、一般服での作業が可能な場所も増えてきている。作業員の被ばく線量も低下しており、労働環境の整備も行われ、労働環境は改善されてきているそうだ。
汚染水については汚染水の処理や除去、汚染源に地下水を近づけないための陸側の遮水壁の設置などもすんでいる。あとは汚染水を漏らさないために、貯蔵するタンクのリプレースや増設を計画しているという。
使用済み燃料プールからの燃料取り出しについては、1?3号機の作業がこれからである。すでに作業が終了している4号機に比べ、放射線量が高いという問題があり、遠隔操作機器の活用や除染、遮蔽体の設置などの対策を検討し、実施していくそうだ。
燃料デブリの取り出しについては、まずは原子炉建屋内の状況やデブリの位置を確認することが必要である。現在もロボットを活用した格納容器内の調査や、素粒子の一種であるミュオンを用いて圧力容器内の調査を行っている。その結果に基づいて燃料デブリの取り出し方法を検討していくことになる。福島第一原発での燃料デブリ取り出しは、誰も経験したことのない困難な作業となるため、できるだけたくさんの情報発信を行い、原子力分野に限らない、役に立つ技術やアイデアを歓迎したいとのこと。また、これからの作業を進めるにあたっては作業員の被ばくと一般の方々のリスクの低減を考慮した意思決定が必要になるとのこと。
情報発信については、福島第一原発の状況を容易に確認できるデータの提供や、地元とのコミュニケーションの取り方についても説明があった。

次に、IRID開発計画部長の桑原浩久氏による「IRIDが取り組む研究開発の概要」という題で、IRIDで現在行われている研究開発プロジェクトの説明が行われた。IRIDでは、格納容器や圧力容器内の調査や、格納容器の補修・止水技術、燃料デブリの取り出し技術など、全部で14のプロジェクトが進行している。燃料デブリの取り出しに関わる研究開発が12と最も多い。

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IRIDで進められている研究開発プロジェクト

 

燃料デブリの取り出し作業については、1.建屋内の線量を下げる、2.デブリの状態を知る、3.格納容器の漏えいを止める、水を張る、4.格納容器に水を張る、5.デブリを取り出す、6.デブリを運び出して保管するという一連の作業が必要だ。各工程ごとに必要とされる技術についての説明や、現在開発が進められている技術についての紹介が行われた。

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燃料デブリの取り出し技術

 

これらの技術開発は「現場をよく知ること」が第一歩となる。しかし、福島第一原発の現場は放射線量が高く、調査には被ばくが伴う。ロボット等を投入して調査をすすめているものの、情報としてはどうしても限られる。そのため、現場の状況に応じた柔軟な対応ができるロバストな研究開発をすることが重要と締めくくった。

最後の講演は、IRIDの副理事長であり、芝浦工業大学教育イノベーション推進センターの新井民夫教授による「ロボットが担う廃炉技術-研究に励むみなさんに期待すること-」であった。新井教授は廃炉措置計画について、過酷な環境に、多分野の複合技術で立ち向かう必要があること、また未踏分野であり、30-40年程度の長期にわたる作業となるとし、3-6世代の研究者が関わっていくことになるとした。しかし、同一のテーマで長期間研究を続けることは難しいことについて理解してほしいとした。また、廃炉というのは社会の問題でもあり、予算やリソースなどに制約があること、研究開発は国の仕事だが、東京電力が廃炉作業を進めること、廃炉は社会的な課題として位置づけられているとした。

廃炉作業に向けたロボットについては、すでに開発され、原発の現場でも運用されているものを紹介した。ただ、作業が進むにつれて、使用するロボットへの課題はたくさんある。放射性物質によるリスクから人や環境を守らなければならないが、そこにはロボットも入る。人が近づけない高い放射線環境の中での作業するためのロボットであるが、搭載している電子機器などへの影響は免れないからだ。また、現場の状況は不明なところも多く、アクセスできる空間や使用できるリソースも制限がある。作業計画は立てなければならないが、想定ベースとなり、開発途中での仕様変更などにも柔軟に対応できるようにしなければならない。多様な現場に対応するために、センサや駆動系など、汎用的なものを組み合わせることができれば、ロボットの開発もより早く進むが、現状ではそれぞれの目的に応じて開発している状況である。また、今後はさらに見えない部分を想像しながら予測をし、確率論的な開発をしていく必要があるだろうとした。

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廃炉作業のための開発対象機器の分類

 

また、現在の日本のロボット技術において、弱いのはシステム統合技術、シミュレーション、データベース関連であると考えているそうだ。しかし、長い期間、さまざまなの人々が集まる廃炉作業には大変重要な技術となるため、これらの技術やマンマシンインタフェースに力を入れていくことが必要だと考えているそうだ。また、社会問題としてとらえると、人材の育成や産業応用、社会との合意形成や、プロジェクト管理も重要であると語った。

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ロボット技術とシステム技術

 

そのうえで、IRIDと大学との連携についても触れた。IRIDの事業内容の中には、研究開発に関する人材育成への取組みがある。人材育成がやりやすい環境を作り、材料を提供していくことだ。たとえば、原子炉格納容器、原子炉圧力容器の内部調査や分析、評価技術を体系化した教科書を作ることだ。しかし、これだけではなく、IRIDで進められているプロジェクトのうち、大学等他の研究機関の力を借りたい研究開発ニーズを集約・分類した。これをもとに、IRID受託プロジェクト内での、受託企業から大学への委託研究や、IRIDから大学への委託研究が行われている。また、文部科学省との連携や、IRIDの主催でワークショップ等も開催されているそうだ。
繰返しになるが、廃炉措置の研究開発は、多分野の複合技術が必要で、長い期間がかかる、未踏分野である。学生や社会人としては、社会の技術としての科学技術を広範に眺める力を持つこと、研究者としては社会科学的視点を理解することなど、それぞれの立場に向けての期待と、廃炉は世代をまたいだ長期事業となるため、今後の担い手になる学生たちにむけて力をあわせようというメッセージを送った。

午後の第2部はステージでロボットの展示、デモが行われ、その他にパネル展示も行われた。ステージでは「クローラ型遠隔操作調査ロボット」(開発担当:株式会社東芝)「形状変化型遠隔操作調査ロボット」「遠隔操作用柔構造ロボット」(両方とも開発担当は日立GEニュークリア・エナジー株式会社)が実機で展示。デモも行われた。

DSC_0085.jpgDSC_0088.jpg東芝が開発を担当した「クローラ型遠隔操作調査ロボット」。原子炉格納容器内部調査に使用するロボットで、格納容器に挿入するときは直線形状になり、調査時には後方のカメラを起こしてサソリのような形状に変形する。後方に追加照明として集光LEDを搭載しており、霧滴中における視認性が向上。耐放射線性は積算で1000Gy以上だ。2016年度内を目標に2号機に投入し、格納容器内の調査を実施する予定。なお、小誌2015年11月号「日本を救う災害対応ロボットの現状と未来」でも紹介している。

DSC_0094.jpg日立GEニュークリア・エナジーが開発を担当した「形状変化型遠隔操作調査ロボット」。こちらも原子炉格納容器内部調査に使用するロボット。2015年に4月に1号機で調査を実施したロボットをベースに機能を追加する。このロボットもガイドパイプを走行するときには直線形状となり、グレーチング走行時はコの字型に変形する。ベースとなるロボットに、計測ユニットをつないでいるウインチを搭載する。グレーチングの隙間から計測ユニットを降ろし、水中における放射線量率の計測や、カメラによる目視での調査を行う。

DSC_0111.JPG日立GEニュークリア・エナジーが開発を担当した「遠隔操作用柔構造ロボット」。燃料デブリ・炉内構造物を遠隔操作で取り出す際に使用するロボットで、ばねと、水圧のシリンダーで駆動。さまざまな駆動系などの部品と組み合わせることで、いろいろな用途に対応できるのが特徴。

パネルは、IRIDでの技術開発だけではなく大学や高専等で行われている研究についても展示が行われていた。

DSC_0124.jpg芝浦工業大学の「RSNP(Robot Service Network Protcol)による複数移動ロボットの遠隔操作」。RSNPはサービスロボット用の共通の通信規格で、これを利用することで、操作者1名で複数台のロボットの操作を可能にしたリ、複数台のロボットが協調して移動させることを目的に、追尾機能を持つ協調移動制御システムの構築を行っている。除染作業に携わるロボットの標準化にもつながる。デモでは、大学に置いているロボットを、シンポジウム会場から操作を行っていた。ノートパソコンの画面は、操作しているロボットからの目線。

本シンポジウムは、「廃炉の未来を担う」と銘打っていたこともあり、講演をした方々も若手研究者や学生たちに向けたメッセージを送っていた。誰も経験したことのない現場であり、長期間にわたる取り組みとなる。現在携わっている研究者だけでなく、次世代の研究者も重要になってくるため、ともに力をあわせていこうと呼びかけていた。

大阪大学と東京大学による、生命らしさを持つ機械人間「オルタ(Alter)」日本科学未来館で公開

ニュース 2016/08/02

大阪大学石黒研究室と、東京大学池上研究室による、生命らしさを持つ機械人間「オルタ(Alter)」が日本科学未来館で8月6日まで公開されている。「オルタ」は顔から首、手のあたりは皮膚に覆われているが、背中や腕は機械がむき出しだ。何かをしゃべっているように見える。頭部や腕はしきりに動き、背後で流れる音に合っているようにも見える。

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日本科学未来館に現在展示中の、生命らしさを持つ機械人間「オルタ」。記者発表の日は、周りを報道陣に囲まれていたので、しきりに動いていたが、周囲の人混みがなくなるとどうなるのだろうか。

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大阪大学石黒研究室は、今まで人間そっくりの見た目と動きを持っているアンドロイドを開発しており、日本科学未来館にもオトナロイドとコドモロイドという人間そっくりのアンドロイドを提供している(3階で展示中)。大阪大学大学院 基礎工学研究科の石黒浩教授によると、それらのアンドロイドは、ストレートに人間をまねることで、人の存在感を表現することが目的だったそうだ。しかし、今回は東京大学大学院 総合文化研究科の池上高志教授と共同で、今までのアンドロイドとは異なるアプローチで、人間らしさを表現しようとしているそうだ。そもそも、機械の人間らしさを表現するのに、人間らしい姿や形は必要ないのではないかということを考え、実証するためのロボットが「オルタ」であるとのこと。開発の担当は大まかに、ロボットや制御するシステムは大阪大学、ロボットに人間らしい動きをさせるところは東京大学となっている。
なお、現段階で完成されたロボットというわけではなく、日本科学未来館の1週間の展示の中で、来場者たちの意見や感想を聞きながら、開発を進めていく。最終日の8月6日には、1週間で進化した「オルタ」について、開発に参加した東京大学大学院 総合文化研究科の土井樹氏、大阪大学大学院 基礎工学研究科の小川浩平助教、東京大学大学院 総合文化研究科の池上高志教授、石黒教授でパネルトークを行う予定。

「オルタ」の研究は、以下のような疑問に対して、不完全ではあるけれど、今までには明確に提示されなかった答えをロボット技術によって表現しようとしているとのこと。
・生命を持つように感じさせるのは何か
・機械人間は人間やほかのロボットよりも、より生命を生き生きと感じさせるものになるか
・機械が生命を持つように感じられると、観察する側に何が起こるのか
これらの疑問に対して、この1週間の展示と開発にを通して、非常にインパクトの強いモノができれば、人とかかわるロボットの本質を研究するもう一つのロボットになると、石黒教授は語った。

「オルタ」のしくみとしては、CPG(Central Pattern Generator。脳や脊髄に存在する、周期的な信号を生成する回路)とニューラルネットワークを組み合せたコンピュータ制御で動いている。制御原理としては、それぞれの関節にはCPGが割り当てられており、それらが互いに、身体性を介してゆるくつながっている。その結果として、体の動きに応じて自発的に周期性が破壊され、カオス的な運動が創出する。CPGにはいくつもの長周的なモードや、カオス的な運動モードが埋め込まれており、環境の変化に応じて自発的に選択される。
ニューラルネットワークについては、イジケビッチ型人工細胞モデル(神経細胞のもっとも簡単なモデルの一つ)を数百から数千結合させて、それが持つ自発的なゆらぎのパターンを動きの生成に組み込んでいる。
身体はは42本の空気圧アクチュエータで構成されており、性別や年齢が不明な顔のデザインとなっている。最初に紹介したように、皮膚でおおわれている部分は顔や首、手のあたりのみで、表現能力が乏しくならない程度に抑えたとのこと。なお、身長は150cm程度で、重量は80kg。

「オルタ」が展示されている周囲には、東京大学で開発したセンサネットワークが設置されており、距離センサー、照度センサーの値を取っている。そのセンサーからの信号を非線形にかけ合わせることでどのフレームレートでセンサーの値を取っているか決めているとのこと。そのサンプリングレートの値を、運動の可動域や運動のモード(GPGとニューラルネットワークどちらの動きを選択するか)の切り替えに反映しているそうだ。ただし、サンプリングレートの値も自発的に決まっており、いつモードが変更になるのかはわからないとのこと。

senser_net_1.jpg「オルタ」の周囲に配置されたセンサーで取った値が、「オルタ」の動作に影響している。

「オルタ」は人間が操縦しているのではなく、また決められたプログラムを再生しているわけでもない。それを見て、どう感じるのか。自分が抱いた感想が「オルタ」の進化に反映されていくことにもなるので、ぜひ見に行ってはいかがだろうか。

8/6-7開催のMaker Faire Tokyo 2016に出展します!

ニュース 2016/07/26

8月6日(土)、7日(日)に東京ビッグサイトで開催される「Maker Faire Tokyo 2016」に、オーム社も出展いたします!

ブースでは、『ロボコンマガジン』バックナンバーや、モノづくり関連書籍の販売のほかに、イベントも開催します!

現在ロボマガ本誌で連載中の「マイクロマウスではじめよう ロボットプログラミング with ロボット女子会」のイベントでは、連載でも参加していただいているロボット女子会マウス女子部のみなさんが、それぞれご自分のマウスを持って登場、ブースに設置した迷路を走らせます。マウス製作裏話なども伺う予定です。

「アクリルロボット研究所」の三井康亘先生のイベントも開催します。サッカーロボットの体験操縦を行います。三井先生と一緒に遊びませんか?他に、三井先生の作られたアクリルロボットの数々も展示予定。新作のアクリルロボットも見られるかもしれませんよ!?

オーム社ブースの詳細はこちらのページで掲載しています。さらに新しい情報もアップしていきますので、ぜひチェックしてください!

RoboCup 2017 名古屋世界大会 開催委員会&記者会見 開催

フェア・イベント 2016/06/22

 2017年6月13日(火)名鉄ニューグランドホテルにて、RoboCup 2017 名古屋世界大会の第7回開催委員会および記者会見が行われた。
記者会見に先駆けて行われた第7回開催委員会には、河村たかし 名古屋市市長、野田五十樹氏(産業技術総合研究所、ロボカップ国際委員会会長)、大橋健氏(九州工業大学、ロボカップ日本委員会会長)、森岡仙太 愛知県副知事、堀場和夫 名古屋市副市長、小川秀樹氏(名古屋商工会議所 専務理事)、高橋友一氏(名城大学、ロボカップジュニア・ジャパン代表理事)らが出席。会議冒頭、開催委員会の会長である河村市長からあいさつがあり、「名古屋は元々、自動車、工作機械、航空宇宙という三大技術があるが、ロボット技術についても日本国内の2割のシェアを占めている。今回のRoboCup 2017 名古屋世界大会の開催をきっかけに、名古屋の4番目の看板となる技術としてロボット技術をアピールしていきたい」との発言があった。

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開催委員会では、開催計画案の詳細の報告にくわえて、大会運営の準備として、開催時の現地におけるボランティアに439名の応募があったこと、企業などへの協賛依頼を募り、49社の応募があったこと、などが報告された。また、開催にあたって、ポスター・チラシ、Webなどによる広報活動を行い、大会周知のための複数のイベントを開催したことも報告された。

開催計画の概要の説明の中で、同大会に併催して、ロボット技術・産業フェア、World Robotics × AI Seminar、世界青少年発明工夫展 2017、Amazon Robotics Challenge、子ども向けのワークショップ・からくりイベントなどが開催されることが紹介された。

引き続き行われた記者会見には、河村市長、森岡副知事、堀場副市長、野田会長、大橋会長が登壇した。河村市長、森岡副知事からは同大会を契機とした、名古屋を中心としたロボット・AI技術の勃興を期待する言があり、野田会長からは第1回目の世界大会が名古屋で開催された際を振り返るコメントがあった。コメントによれば、第1回目の大会では、会場の規模も小さく、ロボットのレベルも現状と比べて低いものだったが、この20年余りで飛躍的な進歩があり、今後の進展が見込まれるだろう。

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大橋会長からは各リーグについての詳細な説明があり、続いて会場内で、愛知県立大学 Camellia DragonsによるNAOを使ったサッカーのデモ、愛知工業大学 AIT Pickersによる災害対応ロボット Scott ?を使ったレスキューのデモ、トヨタ自動車による生活支援ロボット HSR(Human Support Robot)を使った@Homeのデモが行われた。

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 なお、開催委員会事務局からは各メディアに同大会の招待券が提供されており、小誌Twitterでもアンケートに回答いただいた方に抽選で提供しているので、ぜひご参照いただきたい。

ソフトバンクロボティクス×マイクロソフト PepperとAzureを活用した未来の小売店「未来の商品棚(仮称)」で協業

新製品情報 2016/03/08

2016年3月8日、ソフトバンクロボティクス株式会社とマイクロソフトコーポレーションは人型のコミュニケーションロボット「Pepper」とクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」、大画面コラボレーションデバイス「Surface Hub」などを活用した小売業界向け次世代型店舗ソリューション「未来の商品棚(仮称)」の協業について発表した。

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両社が「未来の商品棚」と銘打つ、この新しいソリューションは、ロボット(Pepper)が接客し、店頭の入力デバイス・サイネージとして巨大なタッチパネル端末であるSurface Hubを利用、Pepperが取得した顧客行動などのデータや売上げデータなどのデータ解析をAzureで行う総合的なものとなっている。2016年秋をめどに日本市場での提供を開始する。価格は未定。

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ソフトバンクロボティクスはこれまでPepperを活用したさまざまなソリューションを検討してきたなかで、小売業に関して以下のような課題があると指摘した。

  • 人材の確保・定着
  • 人材が定着しないことによるスキルの風化
  • グローバル化による言語的コミュニケーションの壁
  • eコマースの台頭

本ソリューションはこれらをすべて解決させるものだという。

販売店は接客のノウハウを備えたPepperを接客要員として配置でき、PepperやSurface Hubが取得したデータはIoTにより自動的にリアルタイムで取得、Azureを使って分析することができる。顧客は、顧客情報を登録していれば、店頭に在庫がない商品もその場で注文できるし、Pepperが過去に購入した商品からおすすめ商品を提案してくれたりもする。音声入力対応の翻訳アプリであるMicrosoft Translatorによる多言語対応も予定している。さらに、AzureによってPepperがどういう接客をしたときに顧客が商品を購入したか/しなかったかを分析し、Azureがそれを学習、Pepperの接客技術が成長していくという。

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Pepperが男性を認識し、おすすめ商品としてSurface Hubに表示されたライトニングのケーブルをお勧めしているところ。男性は日本マイクロソフト株式会社代表取締役社長の平野拓也氏

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顧客データ分析の画面

Pepperの接客やPepperを用いたeコマ―スに関しては、これまでPepper World 2016やPepper App Challenge などでも触れられてきた。Pepperのコミュニケーション能力を生かして、これまで得ることが難しかった「近くに人がいます」「この人は男性です」「この人とはこんな話としました」といったデータを取得、クラウド上で分析・解析を行っていくというものだ。今回の発表では、このクラウドの部分にマイクロソフトが加わりAzureで行うことが示された。

最後に、2016年3月24日~30日までの期間限定でオープンするロボットだけで接客する携帯電話ショップ「Pepperだらけの携帯ショップ」(東京都港区)にて、本ソリューションの実証実験を行うことが紹介された。全店員がPepperとのことで、初日にはオープンイベントもあるそうなので興味のある方は来店してみるといいだろう。

ソフトバンクロボティクスのプレスリリース

http://www.softbank.jp/corp/group/sbr/news/press/2016/20160308_01

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ソフトバンクロボティクス代表取締役社長の冨澤文秀氏と平野氏、Pepper

第3回アフレルスプリングカップの参加者募集中!

新着ロボコン情報 2016/01/07

教育版レゴ マインドストームEV3を使った、
ロボコンの登竜門『アフレルスプリングカップ』が今年3月に開催されます。

2014年度から開催し、3回目となる今年はコンテスト規模を拡大。
高校・ユニバーシティ部門の他に、小学生・中学生部門も加わりました!
初心者向けのロボコンになっていますので、
「ロボコンの挑戦はまだ早い...」と思っている方もぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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第3回アフレルスプリングカップ
■開催日時:2016年3月21日(月・祝)【2016年2月29日(月)募集締切】
■会場:日本工学院専門学校 蒲田キャンパス
■対象:
 小学生部門、中学生部門、高校生部門、ユニバーシティ部門(専門学校・大学・高専など)
■必要機材:
 教育版レゴ マインドストームEV3
 TETRIX(ユニバーシティ部門のみ)
■大会の特徴等:
世界につながる国際的なロボコン WRO(World Robot Olympiad)の内容を参考にしているため、いずれはWROに参加したいという方にもおすすめです。

■お問い合わせ:
afrelcup@afrel.co.jp/03-6661-9251
■ホームページ:
http://www.afrel.co.jp/robocon/afrelspringcup2016

Vex Robotics Tournamaent 2015がASITにて開催予定

新着ロボコン情報 2015/10/22

Vex Robotics Competitionsは、米・VEX社のロボット用資材を使ってロボットを製作し、フィールドで競い合うロボットコンテストです。

ROBOCON Magazine 2014年1月号では、昨年行われたVEX Robotics Competition Gameの日本予選会の様子をお伝えしました。

今年の題材は"Nothing But Net"↓

海外からは中国、韓国、タイのチームが参戦!
国内のロボットコンテストとは、少し違った機体やアイデアが見られるかも知れません。
ぜひ、ご観戦下さい!

Vex Robotics Tournament 2015 at ASIJ
http://www.robotevents.com/robot-competitions/vex-robotics-competition/re-vrc-15-3045.html
■日時
11月13日(金)12:00 -17:00
11月14日(土)9:00 - 17:00
■場所
アメリカン・スクール・イン・ジャパン
http://www.asij.ac.jp/

第7回国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト 参加募集

新着ロボコン情報 2015/09/19

「国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN)は、MEMSデバイスを用いたアプリケーションを提案し、試作した成果を競う国際コンテストです。対象は高校生、高専生、専門学校生、大学生、大学院生のチームです。世界各国・地域で予選を行い、2016年7月にパリで本選を行います。日本予選会は2016年の4月に開催が予定されていますが、今回参加者を募集します。ぜひ奮ってご参加ください!

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第6回での展示の様子
第7回国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN'16)

 

■主催
 MEMSパークコンソーシアム、東北大学マイクロシステム融合研究開発センター(?SIC)
■開催日
【国内予選】
・1次審査(書類審査)
 2015年10月30日(金)         一次応募締め切り
 2015年11月16日(金)         一次審査結果発表
・2次審査(試作、発表)
 2015年11月下旬?2015年12月  試作のためのMEMSデバイス配布
 2015年12月?2016年4月      グループ毎で試作
 2016年4月17日(日)         日本予選会開催(試作の成果を発表) @エルパーク仙台
【世界大会】
 2016年7月6(月)?8日(水)     フランス・パリ(ESIEE Paris)・・・パリの工業大学
■参加資格
 高校生、高専生、専門学校生、大学生、大学院生で構成された2?4名のチーム

■国内1次審査
 事務局より提供可能なデバイス、または、参加者が用意するMEMSデバイスを利用したアプリケーションを提案してください。利用するMEMSデバイスは1個でも結構ですし、複数個、複数の種類でも結構です。申込書をホームページからダウンロードして入力した後、電子メールに添付してiCAN'16日本事務局まで送ってください。
■事務局から提供可能なMEMSデバイス
 非接触温度センサ(IRセンサ)、フローセンサ(有償)、絶対圧センサ、ゲージ圧力センサ (オムロン社)、加速度センサ、磁気センサ(MEMSIC社)、シリコンマイク、圧力センサ(MEMSensing社)
■審査基準
  アイデアのユニークさ、社会に役立つか、などのポイントについて審査します。

■国内2次審査
 1次審査を通過したチームに対して、申込書に書かれたMEMSデバイスを配布しますので、チーム毎に実際にアプリケーションを試作してください。その成果を日本予選会で発表していただきます。審査の結果、最も優秀な成績を収めた1?2チームがフランス・パリ開催の世界大会に進みます。
■世界大会
 ESIEE Paris (現地大学)にてチーム毎に発表を行います。審査の結果、上位入賞チームが決まります。

■費用について
 1次審査を通過したチームにはMEMSデバイスを無償で提供します。
 パリで行う本選の旅費、宿泊費の全部については、MEMSパークコンソーシアムが負担します。
■注意事項
 提案するアイデアは学生チームが発案したオリジナルのものに限ります。
特許などの知的財産として出願が必要と考えられる場合は、それぞれが所属する機関のルールに従い、手続きを行ってください。申込書を事務局に提出する前に、アドバイザーの先生や知的財産の担当者に相談することをお勧めします。
■参考資料
 第5回国内予選・世界大会の模様がYouTubeで公開されていますので、ぜひご覧ください。
【国内予選】 www.youtube.com/watch?v=h5w2jnXd9dY
【世界大会】 www.youtube.com/watch?v=h5w2jnXd9dY
 https://www.youtube.com/watch?v=Q4vP1QKdFWc
【視察ツアー】 https://www.youtube.com/watch?v=HkmhWgDT9xg

■申込み・問合せ先
iCAN'16日本事務局ホームページ
 http://www.mu-sic.tohoku.ac.jp/ican/summary.html
メールアドレス:ican.japan@mems.mech.tohoku.ac.jp

「OECU杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト 2015」参加者募集

新着ロボコン情報 2015/09/15

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 ヒト型レスキューロボットコンテストとは、2000年から毎年開催されている「レスキューロボットコンテスト」の新たな展開を目指し、ヒト型ロボット1台と操縦者1名で参加できるロボット競技です。ヒト型ロボットを遠隔操縦して、約4m×2mのフィールド内で「トンネルくぐり」「段差乗り越え」「ガレキ除去」「要救助者搬送」の四つのタスクを順にクリアし、かかった時間の短さを競います。また、各タスクに対する審査員による評価も重視されます。要救助者には、身長320mmのデッサン人形を用います。

 今回は、2014とタスクの内容は同じですが、各タスクに制限時間を設けて、参加者に全てのタスクにチャレンジしていただくことにしました。また、初めて参加される方のために、ノウハウ集や見本のモーション(動きのプログラム)も提供しています。

「OECU杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト 2015」

■開催日時:
 2015年11月1日(日)
 10:00?12:00 ミーティング、ロボット検査、練習
 12:00?17:30 競技(変更の可能性あり)
■場所:大阪電気通信大学 駅前キャンパス 1階 101号室
(大阪府寝屋川市早子町12-16、京阪寝屋川市駅から徒歩3分)
■主催:ヒト型レスキューロボットコンテスト実行委員会
■共催:一般社団法人日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス部門(依頼中)、
     大阪電気通信大学 自由工房、一般社団法人R×Rコミュニティー
■参加費:無料
■申込み・問合せ先:humanoid-resconあgooglegroups.com
             (「あ」を「@」に置き換えてください)
 公式Facebookページ https://www.facebook.com/humanoid.rescon
 公式Twitter https://twitter.com/HumanoidRescon
■申込み方法:
 参加を希望される方は、以下のURLにある募集要項と競技規定をご覧になった上で、2015年10月16日(金)必着で所定の様式のファイルを電子メイルでお送りください。
http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=2764

■参考資料:
 ●ノウハウ集 http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=2973
 ●2009年から2014年の競技の記録
 2009年 http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=117
 2010年 http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=300
 2011年 http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=308
 2012年 http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=326
 2013年  http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=348
 2014年 http://jiyukobo-oecu.jp/?page_id=368

 

Robots DreamsのLem Fugittさん

編集部員日記 2015/08/19

こんにちは、編集長です。

ロボットブログ「Robots Dreams」を主催されていたLem Fugittさんが8月18日の朝にお亡くなりになったと知らされました。

Lemさんはロボマガに寄稿していただくことはなかったのですが、「RoboGames」のように、米国でのロボットイベントとの橋渡しをしてくださったり、米国のロボットビルダーの方々にロボマガを紹介してくださったり(英語版は発行されてないので、大変申し訳ないと思いつつ...)、米国のホビーロボットについてもいろいろ教えてくださった方でした。

日本のロボコンやホビーロボットも精力的に取材されていて、よく会場でお会いしたのですが、一番最初はROBO-ONEだったように思います(いつの回か思い出せないくらい前です)。いつも陽気で楽しい方でした。私のつたなすぎる英語にも付き合ってくださいました。

本当に残念で寂しいです。お悔やみ申し上げます。